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逃げろ、そして生き延びろ

逃げろ、そして生き延びろ

今回はhase0831さんのブログ『インターネットの備忘録』からご寄稿いただきました。

逃げろ、そして生き延びろ

「頓智ドットを退職した」2012年10月1日『@suniのブログ「ニートですが?」』
http://sunikang.blogspot.jp/2012/10/blog-post.html

こういう話は本当に胸が痛む。

30代女性、過労とストレスにより休職そのまま退職。わたしも同じ状況を経験したからです。最近やっとそのことについて言葉に出来るようになってきたので備忘。

最初に「おかしい」と思ったのは胃痛でした。真っ直ぐに座っていられないほどの鋭い痛み、吐き気と目眩。勤務中に30分ほど中抜けして一番近くにあった胃腸科に駆け込み、すぐ胃カメラの予約を取りました。

写真で見た自分の胃の中は出血して凝固してまた出血してを繰り返しているそうでところどころ茶色くなっていました。

診断書を持って業務量の調整を申請しましたがベンチャー企業ゆえの人員不足ということもあり、鎮痛剤を飲みながら騙し騙し勤務を続けていた、ある雨の降る肌寒い日に、本当に急に、「スイッチがオフになった」ような感じで身体が動かなくなりました。

同時に声も出なくなり、心療内科と胃腸科へ。

両方からドクターストップが出て、初めて休職することが出来ました。同じ頃に婦人科の不調も発覚したので、これはダメだと思いそのまま退職。その後あれやこれやあり現在に至りますが、今思い返しても「あのとき無理に休んでしまえば」「もっと早くにこうすれば」と悔やむことばかりです。

もちろんオーバーワークになるほど楽しい仕事、尊敬できるメンバーと働けた時間や、新しいことに挑戦できる興奮、出来なかったことが出来るようになる達成感、たくさんの素晴らしい経験をすることができました。

一方翻って現在、どうだったか、また同じ経験をしたいかと問われたらおそらくNOです。

身体や心は壊れても修復できます。確かに。

でも、それは途方も無い時間が必要で、生き地獄でした。このまま回復しないのではないか、結局自分はダメな人間だったのではないか、言い訳をして逃げただけなのではないか。

「希望と絶望は差し引きゼロ」という言葉がありましたが、まさにその通りで、望んで得たプラスと同じだけのマイナスを引き受けられる度量が、わたしにはありませんでした。

治療を続け、カウンセリングも受けました。

「なぜわたしは過剰な労働を自ら引き受けてしまったのか」

「なぜわたしは自分の時間を犠牲にして仕事をやり遂げようとしていたのか」

プロの手を借りて、自分の中にあった疑問をひとつずつ解消し、なんとなく光が見えてきたとき、カウンセラーにもらった言葉があります。

「あなたを大切にしない人のことを、あなたが大切にする必要はない」

わたしは自己評価が低く、同時に完璧主義者なこともあり、自分の仕事に対して、常に自分で批判的でした。

120%の力を出して仕上げた仕事でも、もっとできたのではないか、もっとこうすべきだったのではないか、そんなことばかり考えていました。

「自分の仕事に100%の自信が持てない」そのために自分の時間をつぎ込んで、補填しようとしていたのです。裏を返せば、「わたしはもっとできるはず」といううぬぼれが招いた、自業自得の事態でした。

仕事と私生活のバランスを誤るというのは、20代の早い時期に経験すべき挫折だったのかもしれません。

でも、わたしの身に起きたのは30代の半ばも見えてきた頃で、夢見ていた未来のうち決して軽くない事柄を諦めなければいけないほど、取り返しの付かない状態でした。正直に言えば、今でも、「あのときに」「あのときなら」と、後悔し続けています。

がむしゃらに働く楽しさも知っています。

でも同時に、視野狭窄に陥り、一歩も踏み外せない恐怖も覚えています。

また「踏み外して」しまって、絶望的に真っ暗な谷底に落ちたような、ぞっとする気持ちも忘れられません。

あと10年もしたら、「ああ、みんなそういうの経験するよね」と笑えるのかもしれません。

夢中になっている当事者にいくらネガティブなことを伝えたところで、耳に入らないこともよく分かっています。

それでも、もし、迷ったり悩んだりしたとき。

現状が続くことで自分の未来が損なわれるかもしれないと感じたときには、顔を上げてまわりを見渡して、一目散に逃げ出してください。誰に何を言われたって、あなた自身の人生です。自分のことを大切にしてくれない会社に、あなたの時間を、人生を賭ける必要はありません。

逃げ出すのは怖いし、不安もあります。現状をやり過ごせばなんとかなるかもしれない。そう思えるならそれでもいいです。でも、もし「ダメかもしれない」と思ったら、すぐに逃げ出してください。死ななければ、身体さえ健康であれば、そこからまた組み立てればいいんです。

弱くたってみっともなくたって、あなたの生き方を責められる人なんていません。

死なないために逃げ出して、そして、生き延びてください。

執筆: この記事はhase0831さんのブログ『インターネットの備忘録』からご寄稿いただきました。

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