厳しい世界を生きるお笑い芸人たちの考え方とは?

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 お笑いの世界はテレビで見ていても、厳しい世界だというのが想像できるものだ。
 実際、少し前はテレビで見ない日がないほど活躍していた芸人が、今年はテレビで見ることがなくなったというのはよくある話。そんな厳しい世界に身を置くお笑い芸人たちは、どのような考えを持って半生を歩んできたのだろうか。

 『這い上がるヒント 諦めなかったお笑い芸人30組の生き様』(大川内麻里/著、東邦出版/刊)ではスギちゃん、もう中学生、安田大サーカスなど30組の厳選されたお笑い芸人たちの半生を著者の大川内氏がインタビューし、まとめたものだ。この中から2組のお笑い芸人を紹介しよう。

 1990年代にボキャブラ天国や電波少年などで大ブレイクした松本ハウス。しかし、人気絶頂のときにハウス加賀谷さんの病気療養により突然の活動休止を余儀なくされる。そして、10年の活動休止期間を経て2009年に復活を果たす。そんな苦難を乗り越えてきた2人の考え方はどういうものなのだろうか。
 加賀谷さんは、25歳からの10年間を療養に費やした。若くて体力もあって一番いい時期での療養で、世間からはつらかったでしょうなどと同情の目で見られていたが、当の本人は、つらいとも思わず、自分なりの10年間を過ごせたので、それはそれでよかったと語る。そして、松本さんは若者に向けてのアドバイスとしてこう語る。

「無駄な時間を持ってほしいということですね。自分の肥やしになっていくので。一見、意味のないように見えることも、自分の栄養になっていくんです。いろんな視点から物事を見ることが大事ですね。」

 一方、加賀谷さんは、

「人生には、一定の期間しかありませんが、僕は、大事な時間を腐らせることが得意ですね(笑)。発行し、熟成して、ボルドーの赤ワインみたいのができるかもしれませんし。」(P57より)

 と語る。世間から見たらつらいと思われそうな10年間の活動休止期間。しかし、この月日があったからこそ、今の松本ハウスがあるのだろう。

 「そんなの関係ねぇ!」のギャグで一世を風靡した小島よしおさん。このフレーズは『ユーキャン新語・流行語大賞2007』のトップ10にも入賞した。「一発屋芸人」「消えそうな芸人」とささやかれ続ける彼のメンタルを支えているのは、ポジティブ思考だ。

「よく消える消えるなんて言われていますけれど、それで自分も消えちゃうなんて思っていたら、本当にいなくなっちゃうと思うんで。気持ちや言葉だけでも、前向きにいこうと。マイナスなこと、ネガティブなことを言っていたら、自分がネガティブになっちゃうんで。それは、日々、気をつけていますね。」(P65より)

 そう、小島さんは語る。そして、このポジティブ思考を維持するコツは、むりやりにでも笑うことだという。2007年の大ブレイク以降、「消えそうな芸人」とささやかれ続ける彼は、2012年も活躍を続けている。

 本書で紹介されている30組のお笑い芸人たちは、必死で這い上がってきた人たちだ。
 人生の転機を迎えている人、大きな失敗をしたり、落ち込んでいる人、何かに迷っている人は、お笑い芸人たちの言葉に勇気や元気をもらえるはずだ。
(新刊JP編集部)



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