アニメ『ココロコネクト』炎上騒動に関する公式見解が「威圧的」

「視聴者および関係者の皆様へ」

7月から放送されているエンターブレイン・ファミ通文庫刊のライトノベルが原作のテレビアニメ『ココロコネクト』で、声優の市来光弘さんがいわゆる「ドッキリ企画」として仕組まれた偽オーディションを経て公開イベントで“宣伝部長”に任命されたを経緯を巡り「プロデューサー主導の悪質ないじめだ」などの批判が殺到している問題で、2日になって番組の公式サイトに「視聴者および関係者の皆様へ」と題するスタッフの公式見解が発表されました。しかし、この公式見解の内容が「余りにも威圧的で謝罪になっていない」として、さらに炎上が拡大しそうな雰囲気になっています。

 

炎上の発端は大がかりな偽オーディション

今回の炎上が起きる発端になったのは「アニメオリジナルの新キャラクターの配役を決める」名目で実施されたオーディションを受け、合格通知を受けた市来さんが6月24日に実施された第1話先行上映イベントに参加した際にステージ上で初めて「新キャラクターがアニメに出演する予定は無い」ことと市来さんを番組の“宣伝部長”に任命する、という発表が行われたことでした。

 

このイベントの様子はUstreamで配信され、市来さんがうろたえる様子を笑い物にしているかのような演出に対して「見ていて不快だった」「企画者の意図を疑う」などの批判的な意見が続出しながらも、市来さんは“宣伝部長”に課された全国プロモーションやツイッターの公式アカウントを20000フォロワー以上にする(8月30日に目標達成)などのノルマをこなして行きましたが、外部のラジオ番組へゲスト出演するたびにイベントで起きた出来事について悔しい思いをしていることを打ち明けていました。

 

8月下旬になり、アニメの主題歌を担当しているユニット・eufoniusのメンバーがイベント当時に行っていたツイートが改めて注目され、原作の発行元であるエンターブレインがエキストラを用意するなどこの偽オーディションが大がかりな「ドッキリ企画」として行われていたことが明らかになったのを契機として一気に“祭り”が起こり、製作スタッフに対する批判が次々に殺到する事態となりました。

 

沈静化の兆しが見えない中で発表された公式見解

31日にはインターネットラジオのタイアップ番組『ココロコネクト 文研新聞 ~ラジオ版~』が突然、配信停止されるなど炎上は拡大の一途をたどる中、9月2日にようやく公式サイトの「お知らせ」で今回の騒動に対する製作サイドの公式見解が発表され、一時はアクセスが殺到してつながりにくい状態になっていました。ところが、ようやく発表された「お知らせ」に対して早くも「余りにも威圧的で謝罪と言うにはほど遠い」との批判が出始めています。

 

視聴者および関係者の皆様へ [2012.09.02更新]

 

この度は、6月24日に開催されましたアニメ「ココロコネクト」の先行上映イベントにおきまして、演出上とはいえ出演者の方への配慮が不十分だった為、多くの方に不快感や誤解を与える結果となってしまいました。関係各位にはご迷惑をおかけしておりまして誠に申し訳ございません。また、発表が遅れてしまった事、あわせてお詫び申し上げます。

 

アニメ「ココロコネクト」では、宣伝活動の一環としまして、声優・市来光弘さんを宣伝活動のメインに迎え、TVオンエアの3か月間、北海道から九州までの各地を周っての宣伝活動を企画しておりました。

 

この宣伝活動に伴うイベントの内容やラジオ番組での発言が、恣意的な改ざん行為により、本来行ったものの意図とは違った形でネット上にアップロードされてしまいました。それにより、多くの方に誤解や混乱を与えております。結果、イベント出演者、及び本作品に関わるキャスト、スタッフの皆様に対してご迷惑をおかけしてしまう事となり、また、「ココロコネクト」アニメ、そして原作を応援してくださっているファンの皆様にご心配をおかけしてしまった事に深くお詫び申し上げます。

 

スタッフ一同、今回の件を猛省し誠心誠意、今後の制作に取り組ませていただきます。

 

なお、音声・映像の無断使用、改編、並びに違法アップロード、個人情報の漏洩、人権侵害などの違法行為に関しましては、しかるべき処置を検討しております。

 

引き続き、「ココロコネクト」を応援していただきたく、何卒宜しくお願い申し上げます。

 

ココロコネクトスタッフ一同

 

つまり、製作サイドの見解として一連の騒動は恣意的に改変ないし一部分を抜き出してスタッフが市来さんに対する「いじめ」を行っているかのような印象を与える悪意に基づく編集を経たもので、スタッフに対する名誉毀損ないし著作権侵害という観点から断固とした対応を取る場合も有り得ると述べているのですが、問題のイベントは開催当日からUstreamを通じて無編集で配信されていることなどを考えると客観的に見ても苦しい釈明となっている感が否めません。特に、このような「いじめ」と受け取られかねない企画が行われた経緯について、抗議を行っている作品や声優のファンを納得させるには不十分な対応と言わざるを得ないでしょう。

 

「イジメコネクト」なる蔑称まで発生してしまうほどの炎上になってしまった今回の騒動は、ドッキリ企画としては余りにも大きい代償を支払う結果となってしまったと言えそうです。なお、当事者の市来さんは自身のブログで一連の経緯について説明し(http://ameblo.jp/garoumow/entry-11344293982.html[リンク])「そもそも僕はあれをイジメやパワハラなどとは思っていません」「この文章は上のからの圧力で書かされているだけなんじゃないのか…とネット上で言われてしまうこともあるのかもしれません(中略)僕はそれでも 本当の事を言い続けたいと思います」として、冷静な対応を呼びかけています。

 

画像:視聴者および関係者の皆様へ(アニメ『ココロコネクト』公式サイト「お知らせ」より)

http://www.kokoro-connect.com/

※この記事はガジェ通ウェブライターの「84oca」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?

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