「東京電力病院は病床稼働率が低い!売却しろ!」「でも都が一般診療許可してくれなかったし」「ぐぬぬ」というやり取りを隠す猪瀬直樹
この記事はkyoumoeさんのブログ『今日も得る物なし』からご寄稿いただきました。
「東京電力病院は病床稼働率が低い!売却しろ!」「でも都が一般診療許可してくれなかったし」「ぐぬぬ」というやり取りを隠す猪瀬直樹
「【社会】東電病院 稼働率2割でも 一般患者受け入れず」2012年6月27日『東京新聞 TOKYO Web』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012062702000217.html
東京電力の保有する東京電力病院(東京都新宿区)が、稼働率が低いにもかかわらず、社員やOBの専門病院として一般患者を診療していないことが分かった。病院の運営には東電からの助成が入っているとみられ、一兆円の公的資金を受けながら、過大な福利厚生施設を維持することに批判も集まりそうだ。二十七日の株主総会で、東京都の猪瀬直樹副知事が指摘した。
都内にはNTTやJR、東芝といった大企業の病院もあるが、社員に限定せずに一般患者も受け入れている。東電病院の担当者は取材に「社員の健康管理という福利厚生のために開設された病院なので、一般患者は受け付けていない」と説明した。
「東京電力の株主総会・東電病院のウソ八百」2012年6月27日『猪瀬直樹Blog』
http://www.inosenaoki.com/blog/2012/06/post-d66a.html
東電山崎雅男副社長が「福島に医師を派遣しているから、稼働率が低い」と、ウソの答弁をするので、僕は誤りを訂正するために再質問した。
「福島に派遣しているのはいまは土日に1人だけではないか」
東電病院は東電社員しか診てもらえない。破綻して公的資金投入される会社が、独自の社員だけの病院を持つことが間違っている。
「不動産売却リストに入っていないが、東電病院はただちに売却せよ」
勝俣会長は、土日しか派遣していない事実を認めて、「支援体制も落ち着いてくると思うので、検討課題とさせていただきたい」と引き取った。
とまあこれだけ見ると東京電力が悪者にされてもしょうがないようにも見えるが、実はこのやりとりには欠落している部分がある。
「【社会】東電答弁うそ 猪瀬副知事が抗議」2012年6月28日『東京新聞 TOKYO Web』
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/news/CK2012062802000101.html
東電の山崎雅男副社長は「一般開放を検討したが、新宿区には大きな病院がいくつかあり、都から難しいと言われた。都の指示だ」と答弁。
「【企業戦略】イキイキ勝俣会長と紛糾する株主、東京電力の株主総会は5時間30分の「すれ違い」、詳細レポート(3) 」 2012年6月27日『東洋経済オンライン』
http://www.toyokeizai.net/business/strategy/detail/AC/14eb154f14a147815ddffb2c1bef749e/page/3/
東電の山崎雅男副社長は、「許可を得ている東京都に対して、(診療の)一般開放ができないかという相談もしてきたが、(東電病院のある)新宿区には大きな病院がたくさんあるため都から難しいと言われた。さらに事故後、福島にも医師が出向するなどしており、特別事業計画の中では当面継続保有することになっている」と反論。
これが事実なら「お前のところが許可してなかったからじゃねえか」ということになるのだが、なぜか猪瀬はそこには一切触れていない。
そういうやり取りを隠すということは多分事実なんだと思うが、答弁が嘘だ何だと騒ぐならそこら辺の事実関係をはっきりさせてからにしませんかね、一回も選挙で選ばれてないのに都民の代表ヅラしてる猪瀬さんよ。
追記
東京電力病院は職域病院として設立されているのだが、
「第4章の2 医療計画(第30条の28―第30条の33)/医療法施行規則」
http://goo.gl/2nAtV
一 国の開設する病院若しくは診療所であつて、宮内庁、防衛庁、総務省、法務省、財務省若しくは林野庁が所管するもの、労働福祉事業団の開設する病院若しくは診療所であつて、労働者災害補償保険の保険関係の成立している事業に使用される労働者で業務上の災害を被つたもののみの診療を行うもの、特定の事務所若しくは事業所の従業員及びその家族の診療のみを行う病院若しくは診療所、児童福祉法(昭和二十二年法律第164号)第43条の4に規定する重症心身障害児施設若しくは児童福祉施設最低基準(昭和二十三年厚生省令第63号)第48条第2号若しくは第68条第1号に規定する施設である病院又は独立行政法人自動車事故対策機構法(平成十四年法律第183号)第13条第3号に規定する施設である病院若しくは診療所の病床については、病床の種別ごとに既存の病床の数又は当該申請に係る病床数に次の式により算定した数(次の式により算定した数が、〇・〇五以下であるときは〇)を乗じて得た数を既存の病床の数及び当該申請に係る病床数として算定すること。
当該病床の利用者のうち職員及びその家族以外の者、隊員及びその家族以外の者、業務上の災害を被つた労働者以外の者、従業員及びその家族以外の者又は入院患者以外の者の数÷当該病床の利用者の数
ってことは東京電力病院の病床数はゼロとして算定されているような気がするんだが、そうだとすると「東電病院が百十三床も持っていると、医療法でその地域のほかの病院がベッド数を増やそうと思ってもできない。(病院経営を)やるんなら、ちゃんと満床にしなさいよ」という猪瀬の発言は根本的に間違ってるのでは……。
執筆: この記事はkyoumoeさんのブログ『今日も得る物なし』からご寄稿いただきました。
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