日本のとはちょっと違うフィンランドの夏の夜とは
6月21日は夏至でしたね。日本でも、すっかり日が長くなったことと思います。
フィンランドは言わずと知れた高緯度に位置する国。日の長さが日本のそれとはかなり違います。現在フィンランドに住む筆者は、この地の夏の夜の景色をお届けするべく、一年で最も日が長くなる夏至の日を狙って、真夜中の景色を撮影してきました。
この写真、午前1時頃にやや東寄りの北の空を撮影したもの。ご覧のとおり、朝焼けとも夕焼けともつかぬ朱色の光、そして青空へのグラデーション……。手前に写っているのは橋の柵(湖に架かる橋の上から撮影しました)。湖の水面が風で波打っているのがくっきりと確認できるこの明るさ。そう、フィンランドの夏の夜は、この通り、太陽が沈んでも暗くなりきらない景色なのです。
夕日が落ちたら、その後はずっと夕焼け空の輝きを保ったまま、朱色の一番濃いところ(太陽のある方向)が西から東へ移動して、朝日が顔を出すというサイクル。暗くならないまま翌日を迎えるという現象はなかなかに神秘的で、地軸の傾き、緯度の高さに思いを馳せ、地球という天体の上に立っている自分を実感できます。
筆者が住んでいる場所では、この日の日の入りは23時15分頃、日の出は午前3時半頃でした。北極圏まで北上すれば、白夜と呼ばれる24時間太陽が沈まない現象が見られるそうです。毎日、森や道端の草花を観察していると、草木の生長が著しいことに気付きます。おそらく、太陽光をほぼ24時間利用し続けられるためなのでしょう。フィンランドの豊かな森はこうして作られるのかも知れないですね。
余談ですが、フィンランドでは、夏至の夜は不思議なことが起こる夜ということで、皆が知っているある言い伝えがあるのだそうです。それは、裸で(!)、7つのフェンスを乗り越え、7つの別々の種類の花を摘み、その花々を枕の下に置いて寝ると、夢に結婚相手の顔が現れる、というもの(地域などによって微妙に違いはあるかも知れません)。でも真夜中といえどもこんなに明るいのでは、本当に実行するのはちょっと難しいかも知れませんね(笑)。
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