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“仕事をやめる”選択肢はあると“安全”

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宮島賢也さんの著書『自分の「うつ」を治した精神科医の方法』

 近年、増えているという“うつ病”ですが、どのように対処すれば良いのでしょうか。
 湯島清水坂クリニック院長で、『自分の「うつ」を治した精神科医の方法』(河出書房新社/刊)を執筆した精神科医の宮島賢也さんは、かつてうつ病になり、考え方を変えて今は喜びの人生を送っているといいます。
 “薬を使わない精神科医”として注目を浴びる宮島さんですが、うつは「体からの愛のメッセージだ」と言います。その真意とは? 今回はそんな宮島さんにインタビューを行いました。昨日の前編に引き続き、今日は後編をお伝えします。
(聞き手/金井元貴)

■退職も離婚も“選択肢に入れたほうが安全”

―本書を読んでいて印象に残ったのが、ジェームス・スキナー氏の『成功の9ステップ』という本に影響を受けていらっしゃる点でした。この『成功の9ステップ』との出会いはどのようなものだったのでしょうか。

「うつ病になったとき、もう医者をやめたかったんだよね。精神科医の仕事がすごくしんどくて(苦笑)。そこで医者以外の仕事がないかなと思って、いろいろな勉強会にも行っていたんだけど、その中でたどり着いたのが、この本だったんです。仕事も自分も変えたかったんだよね。
うつの前はすごく真面目で責任感も強く、家族ともぶつかることも多かった。今は自分のやりたいことを大事にする、自分自身を大事にしているかな」

―本当に嫌でしょうがなくなったとき、仕事をやめてしまうという選択肢もありだと思いますか?

「そうだね、選択肢に、退職や離婚を入れておくのは安全のため大事だね。ただ、すぐに退職や離婚を選んで、退職や離婚を繰り返している人もいる。いつでも退職や離婚も選べるからこそ、先に自分の内側を楽にしていく。嫌々仕事をする習慣や、嫌な人とガマンして付き合う習慣を変えながら、他にやりたい仕事があれば、今の仕事をやめて、やりたい仕事に変わるのもステキです。離婚しても、父と子、母と子の関係は変わらない。離婚をきっかけに夫婦の勝ち負けを止め、それぞれの子どもとの関係を大切にしよう。もう片方の親と子どもの関係も大切にするとステキな循環が起こるかも」

―この本の中の、人間関係のあり方のところで、相手を変えることはできないと書かれていて、とても共感できました。まさしくその通りだと思うのですが、仕事の場面などでは、相手が思い通りに動いてくれないとどうしてもストレスが溜まってしまいますよね。相手に「変わって欲しい!」と思ってしまうというか。

「そう思っていると悪循環かもよ」

―そうなんですよね。ただ、なかなかそれを変えることができません。

「焦らないで。変えなくちゃいけないと思わないで。相手のためと思って自分が相手を変えようとプレッシャーを与えても、変わりづらいんですよ。相手を変えようとするより、自分を変える。そうすると、関係が楽になるんです。自分が笑顔になるために、自分を楽にしていくことが大切なんですよ」

―この『自分の「うつ」を治した精神科医の方法』をどんな方に読んで欲しいとお考えですか。

「悩んでいる人、うつの人には読んで欲しいですね。あとは、これはうつとは書いてあるけど、人間関係を楽にしようという僕からの提案です。病気を持っているあらゆる人、家族で苦しんでいる人がいる人にも読んでみて欲しいです。あとは経営者の方にも読まれているんですよ。この本にはビジネスマインドやコミュニケーション、健康のことも書いてあるので。メンタルヘルスも生産性の向上も同じベクトルなので、経営者にも読んで欲しいですね。後、学校の先生にも、是非、読んで欲しいです」

―部下や子どもと接する機会のある方々ですね。

「そうだね。あと、この本を読んだ医者の人も受診してくれてんだよね。医者は苦しんでますよ。病院って、緊張度高いでしょ。高いストレスがかかる場所だから、医者や看護師など医療従事者にも読んで欲しいな。
悩んでいる人と真面目な人は紙一重なんだよね。心配性で神経質なんだけど、緻密な作業が得意で、経理として優秀だったりするじゃない」

―ただ、優秀だからこそミスできないとか、期待されていると思ってしまう。

「期待されて苦しいなら、相手の期待に従うのを続けるのか、自分がどうしたいかに従うことに軌道修正していくのか。今は、相手を愛しながら、期待せず、必要とせず、嫉妬せずという楽な人間関係を創っていくことを提案しています」

―では、最後にこのインタビューの読者の皆様にメッセージをお願いします。

「私は、うつや他の体の病気まで含めて、病気と捉えるのではなくて、自分の苦しい生き方を楽にしてという体からの愛のメッセージだと感じています。今、体に症状が出ている人、うつ病になっている人は、受診して薬を飲むかは自分で選んでもらって、まずは苦しい考え方を変えて生き方を楽にしていきませんかと伝えたいですね。自分は自分でいいんだ、自分を信じてあげる、自分を愛してあげる、自分のやりたいことを選んでいいんだ、何より人生楽しんでいいんだという許しを、自分で自分に出していこう。喜びの人生を生きていきましょう」

(了)



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