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映画『犬ヶ島』はこうして作られた! パペット制作リーダーに聞く「実在するからこそ生まれる“質感”や“ハプニング”がCGには無い魅力」

犬ヶ島

『グランド・ブダペスト・ホテル』『ファンタスティック Mr. FOX』で知られる、ウェス・アンダーソン監督の最新作『犬ヶ島』が現在大ヒット上映中。日本を舞台に、「犬インフルエンザ」の蔓延によって離島に隔離された犬たちと、愛犬を探す少年の戦いを描いたストップモーションアニメです。

犬ヶ島

鳴り響く太鼓の音に監督の世界観が炸裂した映像が絶妙にマッチし、独特すぎる魅力あふれる本作。特にパペット一つ一つの作り込み、完成度の高さは必見で、愛らしい瞳や揺れる毛並みに感動してしまうこと必至! とにかく素晴らしい出来なのです。

犬ヶ島

本作で、パペット制作リーダーを務めているのが、アンティ・ジェント氏。『ファンタスティック Mr.FOX』、『グランド・ブダペスト・ホテル』でウェス監督とコンビを組み、 『フランケンウィニー』、『ミス・ペレグリンと奇妙なこどもたち』でもアニメーションを手掛けているクリエイターさんです。今回は、アンディ氏にパペット制作へのこだわりや、ウェス監督とのお仕事について、お話を聞いてきました!

――映画を拝見しまして、聞きたいことがたくさんあるのですが、まず本作でのパペット制作の一番のこだわりを教えてください。

アンディ:ウェスからの提案をもとに、一つ一つ形にしていったよ。犬達が動くだけではなくて話し、それぞれに個性があることを大切にしました。僕は”ジャコメッティ・スタイル”と呼んでいるのだけど、粘土を手にして素早く動かし形にしていくんですね。もちろんスケッチもするのですが、それよりもまず形にすることを大切にしています。

――ウェス監督から一番強くお願いされたポイントはなんですか?

アンディ:アタリ少年など、人間のキャラクターは「リプレイスメント・フェイス」といって、顔がはずれて表情が変えられる様になっているんです。当初は変わらない予定だったのですが、ウェスの方から「リプレイスメント・フェイスにしよう!」という声があがって。結果的にそれが正解だったのですが、全部の表情を一つ一つ作らないといけないので、当初より倍以上の労力になりすごく大変でした。でも一番大きなリクエストは「パペットアニメーション史上最も多くのパペットを作れ」ということでしょうか(笑)。

犬ヶ島

――なるほど。本当にたくさんのパペットが登場していますものね。それぞれどのくらいの時間がかかるのでしょうか。

アンディ:15週間で仕上がる物もあれば、35週間かかったキャラクターもいるのだけど、ウェス監督に「これでOK!」と言われたとしても、そこから型をとるので、ちょっとズレてしまったりして、そこの調整が大変だったよ。「ナツメグ」については、特に一番のオーダーがありました。

――ウェス監督ってすごくこだわりが強そうで、そこが素晴らしいでもあると思うのですが、ぶっちゃけ一緒にお仕事するのは大変ではないですか……?

アンディ:すごく要求は多いと思います(笑)。でも頼み方がとっても優しいんです。「とても素晴らしいけど、ここもうちょっと変えてみようか?」とか「ちょっとだけ違う色にしてみようか」とか、対等で、上から目線では無い話し方をしてくれるんですね。でも、お願いされた時は簡単そうに思えても、結果的にすごく大変だったりする(笑)。ウェス監督はお願い上手だと思います。そして、誰よりもパペットに愛情とリスペクトがあるのだと伝わってくるのが本当に素晴らしいです。

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記者:

映画・アニメ・美容に興味津々な女ライター。猫と男性声優が好きです。

ウェブサイト: https://twitter.com/ZOKU_F

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