犯人・目撃者・刑事……全員ヤバい! 社会を逆恨みした爆弾魔事件を描くカルト映画『マッドボンバー』が蘇る[ホラー通信]
爆弾男社会を逆うらみ ダイナマイトで挑戦――
70年代のバイオレンスなカルト映画『マッドボンバー』が国内初ブルーレイ化、しかもノーカット版でいよいよ5/9にリリースです。
はてさて『マッドボンバー』とはどんな映画なのでしょうか。ひとりの人物によって相次いで公共施設が爆破される事件を描くこの物語、なんといっても犯人も刑事も目撃者も全員イカれたキャラクターというのが冴え渡っています。
映画の登場人物を紹介するのにこのワードを使うことになるとは思いもしませんでしたが今作に関しては使わせてください。「イカれたメンバーを紹介するぜ!」
まずは、社会を逆恨みし、爆弾によって世の中の浄化を目論む“連続爆弾魔”! 物語の冒頭から、ポイ捨てした通行人に詰め寄り不正を断じるこの男。正しいことではあるのですがその強迫的で脅迫的な“詰め方”がすさまじい。背の丈2メートル近い巨体に一切の乱れなくスーツを纏い、神経質な表情で紙袋を提げて歩く姿は異様なオーラを放ちます。しかし彼が社会を恨むようになったのには、哀しい過去があり……。
続いては、手がかりがゼロだった爆弾魔の正体を唯一目にした目撃者、“連続強姦魔”! 爆弾魔が爆弾を仕掛けにやってきた病院で、「いっちょ暴行したろ」と身を潜めていたのがこの男。その病院が不憫すぎて涙が出そう。彼の存在によって爆破事件が解決されるのならむしろラッキーと言えるのでしょうか。いや、言えない。美しい妻に愛されながらも強姦魔になってしまった男の心の闇が、強烈なインパクトを残します。
そして最後は、連続爆破事件の犯人を追う“サイコ刑事”! 先述の2名が強烈すぎて比較的マトモに見えてしまうのですが彼もやはり狂っています。犯人を見つけるには目撃者に頼るしかない。そう、連続強姦魔です。爆弾魔を追い詰めるために連続暴行事件の犯人に近寄り、強引な捜査を進める刑事。罪を犯した2人の男がいて、彼はそれを追う正義の立場にあるわけですが、罪とは・正義とはなんなのか。その根本の価値観を揺るがしてしまうのがこのキャラクターです。
爆弾魔を演じるのは、元プロ野球・バスケ選手でもあり、映画『デビルズ・ゾーン』では殺人鬼を演じたチャック・コナーズ。暴行魔を演じるのは、トビー・フーパー監督作『悪魔の沼』で大鎌の殺人鬼を演じたネヴィル・ブランド。刑事役は医療ドラマ『ベン・ケーシー』のヴィンス・エドワーズが務めています。
今回発売となるBlu-ray&DVDでは、近年ではカットされてしまっていたラストシーン、性描写や暴力描写を含む米国劇場公開時のR指定本編(91分)を使用。カット版にのみ存在するシーンもあるため、特典映像としてカット版本編(89分)を収録。また、昭和53年放送のTV版日本語吹替音声も収録されています。
今観ても色褪せないクレイジーな怪作。狂気に満ちていながらも、心にポッカリと穴が空くような衝撃のラストがあとを引きます。世代でない方もこの機会にぜひお楽しみください!
作品概要
『マッドボンバー』
Blu-ray/DVD 2018/05/09発売
監督・製作・脚本・撮影:バート・I・ゴードン『戦慄!プルトニウム人間』『巨人獣』『巨大生物の島』
原作:マルク・ベーム『シャレード』『HELP!四人はアイドル』
編集:ジーン・ラギエロ『ターザンの黄金』『80日間世界一周』
音楽:ミシェル・メンション『ファイヤーフォックス』
キャスト:ヴィンセント・エドワーズ、チャック・コナーズ、ネヴィル・ブランド、クリスティナ・ハート、ナンシー・ホノルド、ハンク・ブラント、フェイス・クオビス、ロイス・D・アップルゲイト、イローナ・ウィルソン、テッド・ゲーリング、ジェフ・バートン、ディー・キャロル
ホラー・カルト映画&ホラーエンタメ情報の『ホラー通信』はこちら – http://horror2.jp[リンク]
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。