【Interview】MR(複合現実)がビジネスを変える!日本市場に本格進出したスタートアップ「DataMesh」に注目
そして、新たにMR(複合現実)の可能性も広がってきた。「Mixed Reality」の略称であるMRは、現実とバーチャルの空間を融合し、3Dによる立体映像を作り出す技術のこと。次なるテクノロジーとして、ビジネスの現場における注目度が高まってきている。
そうした中、2014年に中国・北京で設立されたにMRのスタートアップ、DataMesh株式会社が本格的な日本での活動を開始した。同社の事業内容、日本に進出した背景は何か。同社マーケティング&セールス マネージャーの安井 祐太朗(やすい ゆうたろう)氏にお話をうかがった。
世界の大手クライアントにサービス提供
Q1:あらためて御社の事業内容を教えてください。
DataMeshでは主に「MRソリューション支援」と「DataMesh Live!」というサービスを提供しています。具体的には前者ではMRを使ったコンテンツ制作から導入支援・コンサルティングまで全般をカバーしており、後者はHoloLensを装着している人が見ている光景を4Kカメラを使って第三者でも見れるように可視化したソリューションになります。現在は北京・東京・シアトルを中心にロンドン・上海・広州にも拠点を持っており、世界の大手クライアントを対象に上記のサービスを提供しています。
Q2:日本での本格的な活動をスタートした背景は何ですか?
日本企業が抱えている少子高齢化による人材不足や海外現地法人における人材教育/トレーニングなどの課題を解決する手段、また、日本企業が持つ技術をアピールする手段としてMRとの相性が良いと判断したためです。具体的には日系の製造業や自動車といったメーカーを主要なクライアントとして想定しており、MRを使ったプロダクトの展示や製造現場、教育/研修などのトレーニングでの導入を考えています。
実際にDataMesh中国本社では広気ホンダ(中国ホンダ)様に弊社のMRソリューションを導入しており、車の製造過程をMRで再現したものを工場見学やディーラーで活用いただいています。
BtoB領域での導入拡大へ
Q3:すでに広く浸透しているVR(仮想現実)やAR(拡張現実)と、御社が手掛けているMR(複合現実)の違いを教えてください。
大きな違いに空間認識能力が挙げられます。VRは現実空間を見ることが出来ず、ARは現実空間にバーチャル映像を重ねたものなので現実空間の情報は持っていません。一方、MRは空間を認識した上でバーチャル映像を融合するので認識能力に大きな差がでます。例えば同じテーブル上に3Dで作成したボールを投げるとして、ARではボールがテーブルをすり抜けてしまいますが、MRではテーブルも空間として認識するのでバウンドします。
しかし、今後は技術の進歩によってこれら3つの境界線は今ほど明確ではなくなっていくと思われます。
Q4:MRの市場性を含めて、御社の今後の展望をお聞かせください。
MRのデバイス自体がまだまだ高価ということもあり、まずはBtoB領域での導入を拡大していきます。先述したように日系メーカーでの展示・教育/研修をはじめ、テレビ番組・映画などでのMRコンテンツおよび弊社の第三者視点可視化ソリューションであるDataMesh Live!の導入を進めていきます。
また、弊社は自らを「MR×ビッグデータのソリューションカンパニー」と定義しており、MRを利用する過程で生まれるビッグデータをAIとして組み込んだり、IOTとの連携を推進していく予定です。
様々なビジネスシーンにおいて、業務効率の改善など具体的な未来図を描き出すことができるMR。同社の取組みは、さらなるイノベーションを起こす大きなきっかけにもなりそうだ。
(取材・文 onokeita)
ウェブサイト: https://techable.jp/
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