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人間の顔を完成させるルービックキューブ 人間の想像力の源を追い求める日本人アーティスト“Kensuke Koike”の最新作

「小池健輔」というよりは、「Kensuke Koike」として知られているアーティストがいます。日本国内の知名度よりも海外での知名度のほうがあるということです。イタリアを拠点に活動しているビジュアルアーティストの小池健輔氏は、1枚の写真から切り出したパーツを違う構図で再度元の写真にはめ込むという独特なスタイルの持ち主です。

Cubism (YouTube)
https://youtu.be/bj04YfeBQ6o

「Today’s curiosity」と銘打たれたアート作品の最新作『Cubism』。6面に6色ではなく、6面に6つの顔写真が配置された『ルービックキューブ』。

Top breeder (YouTube)
https://youtu.be/f1fXCRtSUWU

「Top breeder」というタイトルのパスタの製麺機で犬の写真をカットする動画。構図を変えると違った見え方になるということがよく理解できます。海外のメディア多数で取り上げられ、再生回数は140万回オーバー。

小池健輔氏に話を聞いてみました。

―『Cubism』は、どういった発想が原点になっているのでしょうか?

小池氏:人の顔を完成させるというより完成への過程を楽しむことをメインとしています。モンタージュ写真のように目だけ、口だけと顔の一部を入れ替えるのではなく、口だらけの顔ができたり目が3個になったりと、キューブを回しているうちに思いもよらない顔がパッと出てくる偶然の楽しさが面白いと思い作りました。

―人間の写真を元にした作品が多いのは、何か特別な理由があるのでしょうか?

小池氏:人間の顔や体というのは、少し手を加えただけでも違和感を覚えるので、好きな題材です。

―写真を切り貼りする作品ということで“コラージュアート”になるのでしょうか?

小池氏:一応作品のカテゴリーとしてはコラージュと呼ばれるものだと思います。もっぱら1枚の写真だけを使い、ちょっとだけ構図を変えたり写っているものの配置を変えたりして超常的なものを作り出そうという作品を作っています。他の写真を継ぎ足したりせず、一枚の写真で自己完結しているのでコラージュと呼んでいいのかわかりませんが、他にちょうど良い言葉が見つかりません。僕は作品のキャプチャーには「Switched photo(交換した写真)」という言葉を勝手に作り使っています。

―普通の日本人の感覚からすると、ちょっとコワイ感じの作品が多いような気がします。ホラー映画のワンシーンにでも出てきそうな作品もあったりしますが、テーマとして何を追求されているのでしょうか?

小池氏:幼少時から幽霊や妖怪といったものにとても恐怖を抱いていましたが、イタリア在学中にそういう怖さがなくなっていることに気づきました。日本の幽霊、妖怪はイタリアまで追ってこないという論理的な考えがあったのだと思います。

テーマとしては人間の想像力はどこから来るのだろうということです。昔の誰かが想像して作り出したもの(僕の場合は幽霊とか)に対して自分の感情が影響されていたことに興味を持ったことがきっかけです。世界中の想像力の産物(神話や伝承)は、結局は誰かが作り出したものの、どうしてそれが生まれたのか、どういうプロセスで誕生したのかを知りたかったのです。

人間は無から何も作り出せなくて見たもの、あるもの、知っているものを組み合わせないと創造できません。自分も手元にあるもの(写真=現実)を使って、どこを触ったら非日常になるのかなどを考えて制作しています。

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