“うつにならない人間関係”の4つのポイント

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“うつにならない人間関係”の4つのポイント

 うつ病発症の根本要因であり、直接的な原因としてあげられる人間関係。たとえば、会社に行くとうつになる場合は職場の人間関係が苦しく、家族といっしょにいてうつになる場合は家族の人間関係が厳しいといえます。

 湯島清水坂クリニック院長で、自身もうつ病の経験がある精神科医の宮島賢也さんは、うつになる基盤としての要因は、親から受け継いだ考え方――つまり親子関係にあると述べています。
 ここでは宮島さんが執筆した『自分の「うつ」を治した精神科医の方法』(河出書房新社/刊)から、親子関係にも役立つ、うつ病にならない、またはさせない人間関係の在り方のポイントを4点、ご紹介します。

(1)相手は変えられない、自分も相手に変えられない
 この言葉は患者さんや宮島さんが養成しているメンタルセラピストたちに向かって、宮島さんが繰り返し伝えている言葉です。
 相手の意思に反して相手を変えようとすることを「外的コントロール」といいます。この「外的コントロール」で相手を変えようとすると、逆に相手との関係を悪くしていきます。同時に、自分も相手に変えられることはないのです。自分の行動は自分で決められるのです。自分の人生の主役になりませんか。

(2)一緒にいたいなら、「良い」」「悪い」の評価を外して、相手を受け入れる
 一緒にいたいかも見直してみましょう。無理に一緒にいたり、やりたくない仕事をしていると体が自分を護るため症状を出してくれます。症状だけ薬で治そうとすると、原因解決から離れてしまいます。精神科では重大な決断をさせてはいけないと教えられましたが、離婚や退職が解決策のこともあります。ただ、一度決めて戻りにくい決断は慎重に。先に自分の思考を楽にすることがお勧めです。
 そして、一緒にいるなら、あるがままの相手を受け入れると関係が穏やかになります。「良い」「悪い」の評価を外すと、相手を受け入れやすくなります。一緒にいたいけど、受け入れられないときは自分が笑顔になる距離を探しましょう。相手には相手で笑顔になってもらいましょう。まずは自分を喜びで満たし、溢れる喜びをお裾分けしませんか。

(3)先に変わって“魅せる”、相手が変わるかどうかは相手が決める
 ただ、相手は変えられないといっても、変わって欲しいときもあるでしょう。しかし、「自分は正しい。あなたが間違っている」という態度では相手との関係は悪化します。
 相手に変わってほしいと思うのであれば、自分が先に変わって、背中を“魅せる”。相手がいいなと思ったら、変わるかも知れません。相手が変わるかどうかは相手が決めることなのですから。

(4)義務と責任の関係から、愛と感謝の関係へ
 義務と責任の関係では、人殺しまで起きています。親殺し、子殺しはなぜ起きるのでしょうか。自殺者3万人が10年以上毎年続くのはなぜでしょうか。日本で反抗期がないというと親の抑圧が強いと感じます。しかし、もう一つ反抗期が無い場合があります。お子さんの進みたい方向へ、後ろから支援するとき、反抗は生じるでしょうか。足を引っ張ったり、前に立ちはだかれば、ぶつかるでしょう。家庭内暴力はなぜ家庭内なのでしょうか。
 やって当たり前、やらなかったら、どうしてやってくれないの、なぜ分からないの、なぜ伝わらないの?では、関係は離れるばかり。やってくれたら、ありがとう。やれなくても、場合によっては、やらなくても、生きててくれてありがとう。生まれてくれてありがとうの関係に帰りませんか。
 宮島さんは、義務と責任の関係をなくしませんかと提案します。子どもが小さいときは、子どもは意に添わなくても親のいうことをしぶしぶ聞くかもしれませんが、心にしこりが残ってしまいます。
 思春期まで、しこりが蓄積し続けるとどうなるか。そうならないよう、家族などの人間関係を義務と責任の関係から、愛と感謝の関係に切り替えていきませんか。「笑顔」と「ありがとう」が内面から飛び出すような関係が、うつを予防し、健康で幸せなる秘訣なのです。

 本書では、宮島さん自身のうつ病の経験から、うつ病で悩む人、その周りの人に優しく呼びかけるように、考え方の変え方や健康で幸せになる在り方を教えます。一番の特徴はうつを病気にせず、「抗うつ薬」を使わずに、食生活、思考、人間関係の改善などを通して、うつから教えてもらい、健康でさらに幸せになるというもの。

 誰にでもうつ病を発症する可能性はあります。特にストレス社会といわれる現代、しつけや学校教育の中で自分を押し殺すことが良しとされる社会では、昨日まで会社に行っていた人が、突然出社できなくなることもあるといいます。
 うつ病の予防や治療は、医師に頼るものでなく、自分の食生活や考え方、人間関係を変えること、温かい人間関係が大切です。そんなとき、まずは人間関係が苦しくないか、一度見直してみてはいかがでしょうか。
(新刊JP編集部)



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