2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件がディズニー映画『リロ・アンド・スティッチ』に与えた影響

個人的な出来事を除き、人間誰しも人生で何度かは“世界中の人が衝撃を受ける出来事”に出くわすことがあると思います。2011年3月の東日本大震災や、2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件などが該当します。東日本大震災の津波の映像があまりにも衝撃的だったため、日本国内では津波を連想させる内容の曲や、津波そのものが表現されているシーンのあるアニメの放送が“自粛”されたりしました。

アメリカ人に“自粛”という概念はなさそうですが、それでもアメリカ同時多発テロ事件以降、事件を思い起こさせるコンテンツに対する“配慮”がなされたことをご存じでしょうか? アメリカという国は、子供と大人の区別をはっきりつけて、甘やかすわけではないけれども大人が子供を保護する(それだけ社会的に親の責任が重い)ことが徹底されています。そうした背景もあってか、アメリカ同時多発テロ事件以降、子供向けのコンテンツには様々な“配慮”がされました。アメリカの子供向けコンテンツ代表格であるディズニーも例外ではありません。

How 9/11 changed Disney’s Lilo & Stitch(YouTube)
https://youtu.be/F2uJvwiSZAQ

アメリカ同時多発テロ事件が起きた翌年の2002年に、全米で公開されたアニメ映画『リロ・アンド・スティッチ(原題:Lilo & Stitch)』でどういった“配慮”がなされたか、ビフォー・アフター形式でわかりやすく解説した動画が先日9月11日に公開されました。

ボーイング747(実際にテロリストが乗っ取ったのはボーイング767とボーイング757)をモデルにした飛行機は宇宙船に変更。

飛行機のコックピットや機内の座席も宇宙船らしく変更。

高層ビルが立ち並ぶ背景はハワイの山々へと変更。

飛行機が傾いてパニックになっているシーンはカット。

高層ビルの谷間をすり抜けるように飛行機が飛んでいき、高層ビルに接触するシーンはカット。

動画を公開したVox Mediaによると、映画『リロ・アンド・スティッチ』のみならず、TV版『パワーレンジャー(原題:Power Rangers)』や、TVアニメ『ポケットモンスター(原題:Pokémon)』なども高層ビルが破壊されるシーンのある回の放送が中止になったりしたそうです。

こうした“配慮”による影響かどうかは不明ですが、映画『リロ・アンド・スティッチ』は世界中でヒットし、興行収入は2億7300万ドル(約302億円)以上を記録しました。

※画像:『YouTube』より引用
https://www.youtube.com/watch?v=F2uJvwiSZAQ

※ソース:
https://www.vox.com/2016/9/9/12814898/pop-culture-response-to-9-11
http://www.boxofficemojo.com/movies/?id=lilostitch.htm

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