ロシアがLinkedInを遮断、中国と協力してオンライン・コンテンツの管理強化か
2016年11月、ロシア国内でLinkedIn(ビジネス特化型SNS)へのアクセスが遮断された。これは物議を醸している “個人データ保護法”が初めて適用された例で、更にはロシアが中国と協力してインターネット・フィルタリングの新たなシステム作りをしているとの最新の報告もあり、 ロシア政府が国内のオンライン・コンテンツの管理強化を進めるべく急激に方針をシフトさせているのではないかと見られている。
英ガーディアン紙が先週報道したところによると、ロシアは中国の“グレート・ファイアウォール”に似た機能を国内のインターネット・フィルタリングと管理システムに導入する為に動いているという。
ただ、ロシア問題専門家は中国が新たなサイバー・セキュリティ計画に関わっているとは考えにくいと言う。「電気通信とIT設備の供給目的でロシアが中国企業との協力を加速させている傾向はあるが、だからと言ってロシアが中国を自国の情報セキュリティーの中枢に入れることは絶対にない」とロシアのインターネット・オンブズマン、Dmitry Marinichevは米ビルボードに話す。中国の非常に厳しく制限されたインターネット管理モデルをロシアが導入するかどうかを判断するにはまだ早いと彼は見ている。
有害なオンライン・コンテンツの拡散防止が目的の団体、リーグ・オブ・セーフ・インターネットのディレクター、Denis Davydovは、「情報テクノロジーの開発とそのセキュリティーと保護の為に(ロシアと中国は)積極的に協力している。この分野の中国の知識は最先端なので、勿論我々は関心を持っている」と話す。「ただ、中国のファイアウォールと似たものを開発するということに全てを着地させるのは間違いだ」と彼は続け、「ロシアは国内ユーザーの安全の為にインターネット管理強化のツールを独自に開発する必要がある」と付け加えた。
中国は1年前に、内容を理由に何百万もの曲を一方的にウェブ上から削除し、その後も中国文化部が維持している不透明なルールに違反するような作品が含まれるコンテンツを管理するよう、音楽ストリーミング・サービスに通知した。ごく最近では到底認められないような一連のサイバー・セキュリティ規制を導入した。ロシアが似たような規制を導入するかは今のところ不明だが、現段階の兆候から推測するとウェブ・セキュリティに力を入れていることは確かなようだ。
ロシア国内のインターネット管理強化のアイデアは2016年5月にまず様子見として出された。中国で実行されているモデルに似たようなコンテンツのブロック/点検制度を規定する法案をロシア情報技術・通信省が作成したが、まだ審議中で、その詳細は一度も公になっていない。
ロシア政府がこの新たな取り組みに本腰を入れていることは確かだ。2014年に成立した、ロシア国民の個人データをロシア国内のサーバーに保存することを義務付ける法律にLinkedInが違反しているとモスクワの地方裁判所が2016年11月中旬に判決を下し、ロシア国内のユーザーがLinkedInからブロックされた。モスクワのアメリカ大使館はこの決断に対し懸念を表明したが、ロシア政府は反応しなかった。
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