【ACL 2016イベントレポート Weekend 1- DAY 2】ケンドリック・ラマー/LL・クール・J/ナッシング・バット・シーヴス/アンドラ・デイが出演

【ACL 2016イベントレポート Weekend 1- DAY 2】ケンドリック・ラマー/LL・クール・J/ナッシング・バット・シーヴス/アンドラ・デイが出演

 今年で15回目を迎えたテキサス州オースティンにて開催されている音楽フェスACL (オースティンシティリミッツフェスティバル)が、9月30日から10月2日、10月7日から9日の計6日間開催された。市内にある350エーカー規模の公園ジルカーパークが会場となっており、2013年から2週連続開催で出演するアーティストはジャンルを問わず、大小7つのステージと子供も楽しめるキッズエリアもあり、海外からも多くのオーディエンスを集めている。

ACL 2016イベント写真一覧

 今年は、ヘッドライナーにRadiohead, Kendrick Lamar, Mumford & Sonを迎え、計157組のアーティストが出演し、2週間で45万人を動員した巨大フェスの模様を数々の写真とともにレポートする。

– DAY 2 October 1st(Sat) –

Nothing But Thieves / ナッシング・バット・シーヴス
20代の若い彼らの鋭い音楽的才能は着実にアメリカのロックファンを虜にしている。この日のセットはブリッドロック、パンクやメタルの要素をブレンドし、タイトなリズムセクションによって巧妙なフックを注入。そしてグランジムーブメントを彷彿とさせる彼らはここアメリカで完全なオリジナルのNBTのサウンドで観客の期待に応えたのであった。

Caveman / ケイヴマン
ブルックリンを拠点とするロックバンド。ハリウッド女優のジュリア・スタイルスがミュージックビデオ「In the City」に出演していることから多くの人にもバンドの名は知られるようになり2013にはSXSW, シアトルのサスカッチフェス、そして2014にはボナルーの出演を果たす。ACLでは午後の早い時間の出演、しかも隣のビアテントでは多くの人がアメフトの中継に熱狂しているという彼らにとって少々酷な状況であったが、彼らのノイズを包含するステープルライブコンボは強制的に観客を招き入れた。

Saint Motel / セイント・モーテル
LA出身のインディポップロックバンドが太陽の下で奏でる音楽は、ACLの雰囲気と最高にマッチしていた。フロントマンのA/Jジャクソンはエネルギッシュでカリスマ性があり、そのロマンチック容貌とアンセムエレクトロに観客は酔いしれた。ギターを掲げ「Getaway」、「Born Again」などのファンのお気に入りを披露し、ジャクソンはステージを降りフロアの花道までかけていき、観客の真ん中でジャンピング!そして観客に向かって「みんながジャンプするのを見たい!」と煽った。若者の夏休みがまだ続いてるかのようだった。

Andra Day / アンドラ・デイ
スティービー・ワンダーが才能を見出され2015年にデビューアルバム『Cheers To The Fall』を発表したシンガーソングライター。子供時代は教会で歌った経験のある彼女の歌声はソウルフルで、圧倒的な歌唱力で一瞬で観客を虜にしてしまう。
またクラシカルなヴィンテージの衣装に60年代のハリウッド女優のようなメイキャップで観客をノスタルジックな過去へとタイムスリップさせる。ステージに登場したアンドラは「これ(ステージ)は、私とあなたたちとの会話だと思って!」と伝え「Forever Mine」「Gold」「Honey on Fire」を披露。本物のシンガーと確信を持って言える彼女のステージは新人とは思えないほど洗練されていて完璧であった。彼女が顔にまとった黒いオーガンジーのストールでピンナップガールのような真っ赤な口紅をぬぐった時、観客の一人が「あなたが美しい!」を叫ぶと歓声がわいた。

LL Cool J feat. DJ Z-Trip / LL・クール・J feat. ジー・トリップ
ヒップホップ界の重鎮であり俳優としても活動するLL Cool Jが、マッシュアップムーブメントの創始者であるDJ Z-Tripを従えて登場。誰もが生きるレジェンド同士の共演を観たいと、ヘッドライナーさながらの群衆がメインステージに集まった。Z-Tripはビースティ・ボーイズやビズ・マーキーのミックスをプレイして観客をウォーミングアップさせLL Cool Jをステージに招いた。彼は「俺の歌がヒットしたのはお前らが生まれる前だぞ」とジョークを言ったが、驚くほどパワフルでエネルギッシュなパフォーマンスで、ケンドリック・ラマー・ファンも含め彼を知らない世代の観客をもノックアウトした。

Melanie Martinez / メラニー・マルティネス
NY出身のシンガーソングライターで、アメリカのオーディション番組【The Voice】に出演したことがきっかけで大手レコードレーベルのアトランティックと契約し2014年にデビュー。ステージ上はピンクで統一され巨大なバースデーケーキとベッドにクローゼット、バンドメンバーのイケメン2人もラビットの被り物で演奏。まさに彼女のEPタイトル『Dollhouse』を再現。そしてベビードールの衣装で現れた彼女は究極のロリータでアメリカンきゃりーぱみゅぱみゅのようだ。多くの若いファンの女の子たちが彼女に魅了されるのは容姿だけでなく、彼女が育った過酷なバックグラウンドも同じ環境にいる若い世代に希望を与えているのだ。

Cage the Elephant / ケイジ・ジ・エレファント
セカンドステージのヘッドライナー前に出演したケンタッキー州出身の兄弟バンド。フロントマンのマットは初っ端の「Cry Baby」でステージ中を駆け巡り舞台から飛びおり、観客の元へ降りダイビング、フォトグラファー達を煽りまくり。そのエネルギッシュなステージパフォーマンスに熱狂的なファンでなくとも絶叫してしまうほどエキサイティングなショウの幕開けだ。マットの兄でギターのブラッドも観客へダイブしファンにもみくちゃにされながらギターをかき鳴らす。一瞬たりとも見逃せない電光石火のような光景はショウの間ずっと繰り広げられる。バンドも観客も息つく暇もないほどに。終盤の「Come a Little Closer」でクールダウンした後、シャツを脱ぎしてマットがドラムマシーンの元へ駆け上りエアギターのパフォーマンスからの大ジャンプ。
ラストブラッドがギターをステージから投げ捨てた。日々のストレスや悩みなんか一瞬で吹っ飛ばしてくれるこんな楽しいショウがかつてあっただろうか?そして近い将来彼らは必ずヘッドライナーとして出演すると確信した。

Andrew Bird / アンドリュー・バード
三人のバンド仲間とともにミラーライトステージのヘッドライナーとして登場。今宵のセットは創造的で挑戦的ながらも魅力的なセットだ。彼の頭を下げてバイオリンを弾くスタイルは独特だ。ギターの複雑なリズムと熱のこもったボーカルで「Are You Serious」を披露。この日の午後、バックステージでは、次のアルバムでフィオナ・アップルとデュエットするだけでなく、テキサス州のシンガーソングライターのタウンズ・ヴァン・ザントともコラボすることを語った。

Kendrick Lamar / ケンドリック・ラマー
若干29歳にしてヒップホップ界のトップに登り詰めたケンドリック・ラマーが3年ぶりにACLのヘッドライナーとして帰ってきた。ステージに登場したケンドリックは観客に「俺がここで何をやるかわかるか?」と問い、「これを目に焼き付けろ」と叫びショウがスタート。ステージの巨大なスクリーンにTupacやオプラ・ウィンフリーが映し出され、炎が上がる。「Collard Greens」「THat Part」ではSchoolboy Qがステージに現れセッション。「Alright」の後、ケンドリックはステージを後にしたのでラストソングのように思えたが、後に戻ってきて、彼の最前列にいた熱狂的なデビュー当時からのファンに応えるため急遽戻ってきたのだ。そして「A.D.H.D」を彼らに捧げ I will be backと告げステージは幕を閉じた。

Text & Photo:ERINA UEMURA

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