「ハリー・ポッター」最新作がついに発売 その魅力をいちはやく紹介

ついに出版された、ハリー・ポッターシリーズの最新作『ハリー・ポッターと呪いの子』(J.K.ローリング、ジョン・ティファニー、ジャック・ソーン著、松岡佑子訳、静山社刊)。

ハリー・ポッターシリーズのこれまでの作品は全て映画化されてきたが、今回の新作はシリーズ史上初めて舞台化され、映画ではエマ・ワトソンが演じてきたハーマイオニー役に、アフリカ系女優ノーマ・ドゥメズウェニを起用したことが世界的な話題となった。

『ハリー・ポッターと呪いの子』は初出が舞台だったこともあり、小説の形式ではなく、登場人物のセリフにト書きが入った「脚本」の形式となっている。

ハリー

■ハリー・ポッター最新作のカギは過去作品に登場した「禁断の道具」

舞台は前作『ハリー・ポッターと死の秘宝』から19年後、大人になったハリー・ロン・ハーマイオニーたちの物語となっている。

ジニー・ウィズリーと結婚たハリーは、魔法省での激務をこなしながら、三人の子どもを育てている。特に次男のアルバスはホグワーツ魔法学校に入る年齢とあって難しい年ごろ。

一方、ロンとハーマイオニー夫妻の娘、ローズもアルバスと同い年。今作は二人がホグワーツに向けて出発するところから始まる。

キングス・クロス駅からホグワーツ特急に乗り込んだ二人は、その車内で同じくホグワーツに入学するスコーピウス・マルフォイという少年に出会う。そう、あのドラコ・マルフォイの息子である。

アルバスはスコーピウスと親しくする様子を見せるが、ローズはそんなアルバスに警戒を促す。というのも、ローズは、スコーピウスの出生にまつわる、良からぬ噂を知っているのだ。

妻・アストリアとの間に子どもができなかったマルフォイは、血筋を絶やさないために禁断の方法をつかった。タブーとなっている「逆転時計」でアストリアを過去に送り、ヴォルデモート(ハリー・ポッター最大の敵とされる魔法使い)との間に子を作らせた、というのである。

過去の作品に通じている人であれば「逆転時計」は『ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団』ですべて破壊されたことをご存知だろう。この禁断の道具が今作のカギ。というのも、魔法省のハリーのオフィスでも、何やら不穏な兆しがあり、それにもどうやら逆転時計が関わっているようなのだ。

アルバスやローズ、スコーピウスといった「第二世代」の成長とともに、大人になって変化したハリー、ロン、ハーマイオニーの関係性も新鮮でおもしろい。

問題は脚本という形式だが、小説版の長大さが苦手だった人にとっては、むしろこっちの方がすっきりして読みやすいかもしれない。

(新刊JP編集部)

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