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2020年、東京五輪でアピールする自動車技術とは

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▲すでに2015年7月下旬に、都内で実証実験が行われた燃料電池バス。トヨタと日野が共同開発したもので、出力を高めるためにFCスタックが2個、搭載されていた。さらに、同年秋の東京モーターショーには、コンセプトモデルも出典

FCV(燃料電池車)と自動運転で先進技術をアピール

いよいよ4年後には、56年ぶりに東京でオリンピックが開催される。ご存じのとおり、前途多難を予感させるトラブルも生じているが、国を挙げて準備に取り掛かっていることは説明するまでもない。今回は、オリンピック、パラリンピックをめぐる自動車の話題を。

トラブルのひとつに、これまた移転が問題になっている築地市場の下を通るトンネルの計画が挙げられる。ベイサイドに向かって設けられる道は、トンネルの先で橋になり、完成すれば都心から月島や豊洲方面に抜ける近道になるだろう。東京オリンピック期間中は、大会専用車両の道路として使われる公算が大きい。

この道は、選手村といくつもの競技場が用意されるベイエリアを結ぶ、FCV(燃料電池車)バスのルートに使われる予定だ。自動運転技術を世界中にアピールするため、このFCVバスは、運転手を必要としない自動運転仕掛けになる可能性が高い。

▲自動運転技術の開発関係者によると、人間が運転している車をはじめ、急に飛び出したり、立ち止まるなど、動きが予測できない歩行者のいる混合交通の中で実現するのは、相当に難しいという

オリンピックにかけるトヨタの意気込み

オリンピックとパラリンピックのスポンサーにはランク分けがあり、そのトップに位置づけられるのが、ワールドワイドオリンピックパートナーだ。日本企業で名を連ねているのは、トヨタ、パナソニック、ブリヂストンの3社。なかでもトヨタの拠出金は群を抜いており、約2000億円ともいわれている。

同社は、グループ傘下の日野とともに、前述したFCVバスの開発を進めており、オリンピック開催中に走らせる計画だ。先に触れたように、FCVバスには自動運転技術が搭載される。万一の不具合に備えてドライバーも乗り込むが、運転は基本的に自動で行われる。

その自動運転ルートの中で、最も重要なのは、築地市場の地下を通るトンネルを含む、選手村から競技場までのコース。当然、道路側にはビーコンの類が設置され、車と通信することで、交通信号が制御されるなど、近未来の交通システムが実現されるだろう。

ルート上に設けられる停留所では、停止線ピッタリに止めることを目指しているという。また、このバスが走る道を大会専用道路にしてしまえば、一般車両は入ってこれない。自動運転機能を備えた車だけが走るとなれば、制御が容易になり、技術的な問題に直面することもなく、隊列走行や追い越しも実現できるだろう。

自動運転化の技術で一番難しいとされているのは、ファジーな判断をする人間との混合交通だというから、デジタルな判断をする機会だけの環境が整えられれば、完全自動運転も夢ではないはず。

オリンピックを標準にFCV開発を続けるトヨタ

オリンピックとパラリンピックの開催に伴う交通機関に関しては、他にも話題がある。大会関係者の連絡車両として、大量のFCVが導入されるのだ。さらには、MIRAIのプラットフォームを流用したSUVや、ミニバンが用意されるとのウワサもある。

2017年に登場する次期レクサス LSには、FCV仕様も用意されており、ちょうどオリンピックとパラリンピックが開催される2020年に発売される前提で開発が進行している。このようにトヨタは、水素技術と自動運転技術で存在感をアピールする。

▲レクサスはFCVの商品化を目論んでいることを、2015年の東京モーターショーで暗示した。実際にラインナップされるのは、次期LSで、2017年にガソリン車が発売された後も開発が進められ、2020年にFCVモデルが追加設定される見通しだ

▲ダイムラーが2016年7月に、アムステルダムで公開した自動運転バス。ドライバーが、アクセルもブレーキも操作することなく、専用車線を20km走り、バス停や信号で、自動的に停車と再発進する機能も織り込まれている

新規参入するIT系の完全自動運転は可能か

ここからは余談。自動運転技術では、ドイツのメガサプライヤーであるボッシュ、ZF-TRW、コンチネンタル、シェフラーの4グループがリードしている。世の中では、グーグルなど自動車業界にとっては、新参者のIT系企業がクローズアップされているが、本物の自動車を自動運転させるには、IT系企業だけでは実現できない。

必ずや、メガサプライヤーの協力が必要になるだろう。やっと日本でも企業の垣根を超えて、連携する動きが出てきたが、それをアピールする場として、世界中の注目が集まるオリンピックおよび、パラリンピックは、実に都合がいい。

4年の月日はあっという間に流れ、2020年はすぐに到来するだろう。いまは国が中心となって、オリンピックとパラリンピックに向けて、突き進んでいるが、その先にも目を向けておかないと、華々しいイベントが終わった後、日本全体が「オリンピックロス」に蝕まれる危険性もある。

※2016年11月3日現在における予測記事ですtext/マガジンX編集部

photo/マガジンX編集部

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