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あなたの常識が通用しない――80年代の最低ホラー映画『シングス 悪夢のバグズベイビー』なぜか今さら日本上陸

エンタメ 映画
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英語版Wikipediaの「最低映画」の項目に堂々と名を連ねる、1989年のカナダの低予算ホラー映画『THINGS』が27年もの時を経て“なぜか”日本上陸『シングス 悪夢のバグズベイビー』として、未公開映画の発掘レーベル『HIGH-BURN VIDEO』より日本語字幕付きのDVDが発売された。

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あらすじは、男とその友人が弟夫妻の暮らすキャビンを訪ねるが、特異な不妊治療の実験体となった弟の妻が大きな虫(バグズベイビー)を出産し、男たちに襲いかかるというもの。興味をそそるあらすじだが、その描き方(もとい映画の撮り方)がメチャメチャで、一見どころか二見・三見してもストーリーが理解しがたいものになっている。

仮面を付けた謎の女死者の声が吹き込まれたテープレコーダーなど、意味ありげなアイテムやセリフが数々登場するが、それを伏線と思って覚えておいても一切回収されないので覚えておくだけムダである。観る者をどんどん煙に巻いて進行する物語の途中で、主要登場人物の男のひとりが唐突にいなくなるが、適当なセリフで理由付けがなされてその後一切出てこない。そんなことってあんの。『シングス』ではあるのである。

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物語の大半がキャビンのなかでのシーンだが、映画撮影に充分な広さはなかったようで、登場人物のアップとバストアップの絵面が延々続いたり、使ってる音楽が短すぎてシーンの途中で終わってしまったり、「普通の映画ってこういう不備がないようにちゃんとできてんだな」と当たり前のことをありがたく思えてしまう、なんでもないようなことが幸せだったと思える“これぞ最低映画”な仕上がりとなっている。

普通の映画の常識が通用しない80数分を体験したのち、この映画は「今あなたが体験しているのが“シングス”です」という、監督のドヤ顔が透けて見えるワードで締めくくられる。思わず画面に向かって「うるせぇよ(笑)」とツッコミたくなるか、あるいは稀有にも“シングス”の意味を悟ってしまうのかはあなた次第だ。

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記者:

デザイナーと記者の二足のわらじ。ふだんはホラー通信(http://horror2.jp/)で洋画ホラーの記事ばかり書いています。好きなバンドはビートルズ、好きな食べ物はラーメンと角煮、好きな怪人はガマボイラーです。

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