外交から考察する次期主力戦闘機F-X

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候補のひとつである『ユーロファイター』

戦後、日本の外交は“したたか外交”を展開してきた。最近は“弱腰外交”や“柳腰外交(?)”など、様々な表現がなされているが、基本的には西側と東側とのバランサーとして絶妙なかじ取りをしながら、かつ国内の政策と調和の取れた外交をしてきたということである。

TPPの協議に参加すると表明した野田首相は、アメリカとの関係と国内の産業を顧みて、最もしたたかな選択をしたと自負しているだろう。そのしたたかさという言葉が、揶揄(やゆ)として使われるか称賛として使われるかは結果次第だが、今回は前者の意味で使われていることが多いように感じる。

揶揄の意味で使われるとき、“外圧外交”と表現することもできよう。今回の例だと、アメリカ政府からの圧力によって参加を強要されたという見方である。

11月9日、アメリカの大手自動車会社ビッグスリーが日本のTPP参加に反対だという会見を行ったとき、『Twitter』など様々なメディアで、もっと言ってやれというコメントが多く目についた。我々日本人は、今の日本には外圧には外圧でしか対抗できないということを再確認し、いかに主権というものが脆弱(ぜいじゃく)であるかを思い知るべきだ。

これはバランスが崩壊したとき、日本国が形骸化する可能性を大いに秘めているということでもある。そしてバランス崩壊の兆しは、すでに中国の過度に不安定な成長や台頭する新興国によって示されている。

日本に残されている時間は決して多くはなく、先を見据えた政策とバランス崩壊後に生きる政策は同義であるということをここで示したい。

この考えをもとにF-X(次期主力戦闘機)選定に焦点を合わせたとき、日本独自で機体を開発できることが最重要であることがわかる。つまり、『ユーロファイター』だ。

日本ほどのバランサーとしての存在感がない台湾で、アメリカが中国との関係を重視するあまり、望んだ主力戦闘機を調達できなかったことは記憶に新しい。このような状態では、台湾には申し訳ないが満足に主権を維持することなど不可能である。

首相には、F-Xだけでなく様々な分野において、利害だけでなく国家・主権という観念を取り入れた外交・国内政策を望む。

画像:フリー百科事典『ウィキペディア』F-X (航空自衛隊)より
http://ja.wikipedia.org/wiki/F-X_(航空自衛隊)

※この記事はガジェ通ウェブライターの「きっしー」が執筆しました。あなたもウェブライターになって一緒に執筆しませんか?
1991年11月19日生まれ。主に政治分野の出来事とそれについて自分が思ったことを記事にしていこうと思います。より興味がある分野は経済と国防です。何卒よろしくお願いします。

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