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やたらバリエーション豊富な現行BMW 3シリーズ、結局どれを買えばいいのか真剣に考えてみた

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▲微妙なデザインの差やエンジンの違いなどにより、かなり幅広いグレード展開になっている現行BMW 3シリーズ。中古車の場合、結局どれを買えばいちばん満足できるのか? 検討してみました

▲微妙なデザインの差やエンジンの違いなどにより、かなり幅広いグレード展開になっている現行BMW 3シリーズ。中古車の場合、結局どれを買えばいちばん満足できるのか? 検討してみました

選択肢が豊富すぎてイマイチよくわからん!

つくづく思うのは「中古の現行BMW 3シリーズほど“ちょうどいい車”はない」ということだ。いわゆる威張りはさほど利かないのかもしれないが、それでも十分以上のプレミアム感があり、サイズも手頃で、ゆっくり走っても飛ばしてもとにかく爽快。そして近年の車だけあって燃費性能もまずまず良好。で、中古車であれば予算的にもイケなくはない……ということで、個人的には文句の付けようがない選択肢なのだ。

唯一の問題というか文句は、「選択肢が多すぎて、結局どれを選べばいいのかイマイチよくわからん!」ということだ。

例えば同じ320iでも素の320iの他に「モダン」「ラグジュアリー」「スポーツ」があって、スポーツとよく似た名前の「Mスポーツ」というのもある。そして320iと排気量は同じだけどチューニングと装備が違う328iがあり、でも途中でそれは「330i」に名前が変わって、さらにディーゼルもあって、直6が復活して、プラグインハイブリッドも追加され……と考えていると「あーっ! もうワケわからん!!!」と髪の毛をかきむしりたくなるのだ。

しかし残り少ない髪の毛を減らしてばかりもいられないので、ここはひとつ各年代・各グレードの流通状況や相場などを詳細にリサーチしたうえでいくつかのブロックを編成し、それぞれのブロック内で「結局どれがお買い得なのか?」を競う予選リーグを開催。そして予選リーグの勝者を集めて決勝トーナメントを行い、最終的な勝者(買うべき1台)を決めるべきだとの合理的判断を下した。今回は価格帯(200万~250万円と250万~350万円)で2ブロック、さらにそれぞれでガソリンとディーゼルのグループに分けて検証する。では、さっそくいってみよう。

▲写真は初代から現行までの歴代3シリーズ。奥側向かって右の初代から反時計回りに2代目、3代目、4代目、5代目、そして手前の6代目となる現行BMW 3シリーズと並んでいる

▲写真は初代から現行までの歴代3シリーズ。奥側向かって右の初代から反時計回りに2代目、3代目、4代目、5代目、そして手前の6代目となる現行BMW 3シリーズと並んでいる

お手頃価格の部はガソリン車が優勢か?

■予選第1ブロック:お手頃価格(200万~250万円)の部

車両価格200万~250万円というお手頃予算でイケる部門。100万円台でも探せないことはないが、それらは走行距離多めな場合がほとんど。せっかく現行3シリーズを買うのであればせめて5万km以下のものを狙いたいということで、そうなると車両価格の下限は必然的に200万円になる。

●第1ブロック・グループA:ガソリンエンジン車

この価格帯で狙えるガソリン車は320i系のみで、同じ2Lターボながら高出力で装備充実な328i系はそもそもこの価格帯にはほぼ存在しない。よって選択肢は以下のとおりとなる。

・12年式 320i 流通量:5台/230万~250万円

・12年式 320i スポーツ 流通量:11台/230万~250万円

・12年式 320i ラグジュアリー 流通量:5台/230万~250万円

8月17日時点では、車両価格250万円以下かつ走行5万km以下の「320i Mスポーツ」は流通しておらず、「コア」や「モダン」も0台。スタンダードな「320i」とその他「スポーツ」「ラグジュアリー」では新車時価格は20万円ほど違うが、現在の中古車相場はそれぞれほぼ同等だった。

となると装備の点でやや劣る「320i」は早くも予選落ちが決定し、「スポーツ」と「ラグジュアリー」の一騎打ちに。両者の違いはキドニーグリルやアルミホイールのデザイン、ステアリングやシートの形状などだ。車名のとおりスポーティなテイストなのが「スポーツ」で、いわゆるデラックスな感じなのが「ラグジュアリー」。エンジンや変速機、サスペンションは同一である。

こうなると「好みの問題ですね」としか言いようがないのだが、あえて白黒つけるとすれば、流通量の多い(選択の幅が広い)12年式 320i スポーツが1位通過となろう。

★第1ブロック/グループA 1位:12年式 320i スポーツ 流通量11台/230万~250万円

▲お手頃価格帯のガソリンエンジン車では前期320iスポーツが予選グループを突破!

▲お手頃価格帯のガソリンエンジン車では前期320iスポーツが予選グループを突破!

●第1ブロック・グループB:ディーゼルエンジン車

人気のクリーンディーゼルを搭載する現行3シリーズも、走行5万km以下の個体を車両200万~250万円で探せなくもない。流通している主な候補は以下の3グレードだ。

・13年式 320d 流通量:3台/200万~250万円

・13年式 320d スポーツ 流通量:2台/240万~250万円

・13年式 320d ブルーパフォーマンス スポーツ 流通量:5台/230万~250万円

他に「320d Mスポーツ」などもいちおう流通はしているが、「1台」とかの泡沫候補レベルなため、ここでは省略。また「320d ブルーパフォーマンス スポーツ」と「320d スポーツ」は年度の途中で車名が変わったもので、中身はほぼ同一である。

で、こちらも中古車相場は3グレードともほぼ同じ水準。ベーシックな「320d」だけは下限価格が少々低いが、上の方のプライスは他2グレードとだいたい同じ。となるとガソリン車のグループAと同様、装備が少々劣る320dは予選敗退。そして流通量が比較的多いということで「13年式 320d ブルーパフォーマンス スポーツ」が第1ブロック/グループBの勝者となった。

★第1ブロック/グループB 1位:13年式 320d ブルーパフォーマンス スポーツ 流通量5台/230万~250万円

▲320d系に搭載される4気筒ディーゼルターボエンジン。非常に魅力的なユニットだが、残念ながら250万円以下の価格帯におけるその流通量は少なめだ

▲320d系に搭載される4気筒ディーゼルターボエンジン。非常に魅力的なユニットだが、残念ながら250万円以下の価格帯におけるその流通量は少なめだ

そして検討の結果、第1ブロック(お手頃価格帯)の最終的な勝ち抜けは、グループA(ガソリン)1位の「12年式 320i スポーツ」ということに。勝敗を分けたのは流通量だ。グループB(ディーゼル)の1位である13年式 320d ブルーパフォーマンス スポーツの5台という流通量は、本気で探すとなるとやはり心もとない。ディーゼル車が欲しいなら予算帯をもう少し上げるべきだろう。

★★第1ブロック勝者:12年式 320i スポーツ 流通量11台/230万~250万円★★

▲「非常に豊富」というわけではないが、まずまずの流通量があるため取捨選択がしやすい12年式 320iスポーツが、200万~250万円というお手頃価格ブロックの1位に輝いた

▲「非常に豊富」というわけではないが、まずまずの流通量があるため取捨選択がしやすい12年式 320iスポーツが、200万~250万円というお手頃価格ブロックの1位に輝いた

250万~350万円は現行3シリーズの再激戦区

■予選第2ブロック:ほどほど価格(250万~350万円)の部

もっと高い価格帯にも魅力的な現行3シリーズは多数流通しているが、やはり中古車たるもの「お買い得感」は最重要視したい。よって、ここでは250万~350万円というほどほどの車両価格で狙える個体に絞って検討する。なお、「ほどほど価格」とはいえ決して安い金額ではないので、満足度を考慮して「走行3万km以下」の物件に絞って考える。

●第2ブロック・グループA:ガソリンエンジン車

激戦区となるこちらの候補は以下4グレードだ。

・12~13年式 328i スポーツ 流通量:8台/280万~330万円

・14年式 320i スポーツ 流通量:7台/280万~330万円

・14年式 320i ラグジュアリー 流通量:10台/290万~340万円

・14年式 320i Mスポーツ 流通量:15台/300万~350万円

このグループにおける大事なポイントは二つ。一つは「Mスポーツと非Mスポーツ、どちらの足を好むか?」ということで、もう一つが「328iについてどう考えるか?」ということだ。

ここへきて初めて登場したMスポーツは、AT車の場合はステアリングホイールがパドルシフト付きになるという違いもあるが、より大きな違いは「硬めの専用サスと18インチの大径ホイールを採用している」ということだ。「主戦場は峠とサーキット」というのであれば明らかにMスポーツがオススメだが、街乗りが中心なら非Mスポでも十分以上。……難しいところである。

そしてこれまた初登場の328i系は、排気量は320i系と同じ2Lだが、ターボなどのチューニングの違いにより320iより断然パワフルに仕上がっている。具体的には320i系が最高出力184ps/最大トルク27.5kg-mであるのに対し、328i系は245ps/35.7kg-mと大きな差が。しかし実際乗ると数字ほどの差は感じないというのが、話をややこしくしている。

なんとも難しいこのグループだが、最終的には「14年式 320i Mスポーツ」を推したい。「なんだかんだいってビーエムはMスポでしょ!」という単純な視点に加え、流通量が豊富である(選ぶ幅が広がる)ということ。そして328i スポーツはどうしても年式が1~2年古くなってしまうということで、難しい判断だが14年式320i Mスポーツを1位抜けとした。

★第2ブロック/グループA 1位:14年式 320i Mスポーツ 流通量15台/300万~350万円

▲「Mエアロダイナミクス・パッケージ」という名称の純正空力パーツをまとい、18インチホイールとともに専用サスペンションを採用するMスポーツ。やはり魅力的なグレードだ

▲「Mエアロダイナミクス・パッケージ」という名称の純正空力パーツをまとい、18インチホイールとともに専用サスペンションを採用するMスポーツ。やはり魅力的なグレードだ

●第2ブロック・グループB:ディーゼルエンジン車

グループAが激戦区なら、こちらは「死のグループ」といったところか。候補となる4グレードすべてに勝ち抜けの可能性がある。

・14年式 320d 流通量:6台/270万~320万円

・14年式 320d スポーツ 流通量:8台/290万~350万円

・14年式 320d ラグジュアリー 流通量:8台/300万~350万円

・14年式 320d Mスポーツ 流通量:9台/320万~350万円

この他「320d モダン」も流通はしているが、比較的希少ということで省略させていただいた。で、例によってベーシックな「320d」は装備レベルの点で少々厳しいのだが、これぐらいの価格差があるなら納得できるかも。「320d スポーツ」と「320d ラグジュアリー」に関しては甲乙つけがたく、「320d Mスポーツ」も安定の強さ(流通量の多さ)を誇っている。

考え方としては、せっかくならやはり装備充実の3シリーズに乗りたいということで、まず「320d」が敗退決定。次に「320d スポーツ」と「320d ラグジュアリー」は流通量も相場も、そして車としての魅力もほぼ互角だが、「やはりBMWはスポーティな雰囲気が重要」という考えに基づき、ブラックアウトされたキドニーグリルやMスポーツと同様のスポーツシートなどを擁する「320d スポーツ」が僅差で勝利となった(このあたりの判断は人によって異なるだろう)。

で、最終的には「320d スポーツ」と「320d Mスポーツ」でグループBの1位の座を争うわけだが……ここは筆者独断により「Mスポーツの負け!」とさせていただく。理由は「足回りの硬さ」だ。高回転型であるガソリンエンジンの場合にはさほど気にならないMスポサス+18インチホイールの硬さだが、極太トルクを生かして鷹揚に走りたいディーゼルエンジンにはやや不似合いにも思える。このあたりの判断も人によって異なるだろうが、筆者としてはディーゼルにはノーマルサス+17インチホイールを合わせたいと思う。

★第2ブロック/グループB 1位:14年式 320d スポーツ 流通量8台/290万~350万円

▲写真はディーゼル/ガソリンで共通となる「スポーツ」のインテリア。ステッチの入ったスポーツシートと専用のトリム(ハイグロス・ブラックトリム/マットコーラル・レッドハイライト)が特徴

▲写真はディーゼル/ガソリンで共通となる「スポーツ」のインテリア。ステッチの入ったスポーツシートと専用のトリム(ハイグロス・ブラックトリム/マットコーラル・レッドハイライト)が特徴

そして第2ブロック(ほどほど価格帯)は最終的に14年式 320i Mスポーツと14年式 320d スポーツの決戦に。……なんとも難しい試合であり、できれば「引き分けのため、勝敗はPK戦またはくじ引きで決定」としたいぐらいだ。

だが話の都合上決着をつけるなら……ここはひとつ「14年式 320d スポーツの勝ち!」ということでどうだろうか? 理由は、「ガソリンの直噴ターボを搭載しているステキな車」は他にも多数あるが、「クリーンディーゼル搭載のステキな車」というのは、決して320d系が唯一ではないものの、希少であることは間違いないからだ。その希少性を買った結果である。

★★第2ブロック勝者:14年式 320d スポーツ 流通量11台/230万~250万円★★

結論として「優勝」は12年式 320i スポーツに決定!

さて、ずいぶん長くなってしまったがいよいよファイナルである。向かって左のエンドが第1ブロック(お手頃価格帯)を勝ち抜いた「12年式 320i スポーツ 流通量11台/230万~250万円」。そして右のエンドが第2ブロック(ほどほど価格帯)勝者の「14年式 320d スポーツ 流通量8台/290万~350万円」。

……まるでリオ五輪のサッカー・ブラジル代表対ドイツ代表のように、異なる持ち味がぶつかり合うナイスゲームだ。それゆえ2013年の東京国体高校野球の決勝戦と同じく「大阪桐蔭と修徳の両校優勝!」としたい気持ちが強い。しかしあえて決着をつけるとすれば、優勝は「12年式 320i スポーツ」である。勝因は、おおむね230万~250万円というその「お手頃プライス」だ。

15年8月以降の最新マイナーチェンジ版に大金を払うのは納得できても、それ以前のモデルを中古で狙うなら、正直お安めの予算で手に入れたいというのが人情。そう考えた場合、支払総額で見て320万円ぐらいから400万円弱ぐらいにはなりそうな14年式 320d スポーツではなく、総額200万円台で収まりそうな12年式 320i スポーツの方が、より「中古車購入道の本質」に接近していると判断した次第である。もちろん、もはや4年落ちとなる初期ロットだけに、「吟味のうえ良質な個体を手に入れること」という条件付きの優勝ではあるのだが。

ここまでの論考には異論反論も多いことと思う。しかしそれは「現行BMW 3シリーズはどれを選んだところで結局ステキ!」という事実の裏返しゆえ、ご容赦いただきたいところだ。

▲以上の結果はあくまで筆者の価値観に基づくものにすぎないので、百人いれば百通りの「優勝グレ-ド」があるかもしれません。が、現行BMW 3シリーズ選びにおける何らかの参考になったならば幸いです!

▲以上の結果はあくまで筆者の価値観に基づくものにすぎないので、百人いれば百通りの「優勝グレード」があるかもしれません。が、現行BMW 3シリーズ選びにおける何らかの参考になったならば幸いです!

【関連リンク】

車両価格350万円以下の現行BMW 3シリーズをチェックしてみるtext/伊達軍曹

photo/BMW

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