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「アベ政治を許さない」パフォーマンスはフラッシュモブか? ここらでフラッシュモブの定義を再確認しておこう

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神奈川県海老名市の市議会議員らが、駅前での“パフォーマンス”禁止命令を出した市を相手に命令の取り消しを求めて提訴した問題(※1)。市議らは、パフォーマンス禁止は表現の自由の過剰な規制であり違憲だと訴えているが、件のパフォーマンスとはどのようなものであったのか。まずはその模様を収めた動画をご覧いただきたい。

【動画】Flash Mob at Ebina Feb.28.2016【2.28フラッシュモブ!黒×デニム@海老名】(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=CQcKYaYGGT8

場所は海老名駅前の通路。黒服にデニムジーンズで揃えた参加者たちがどこからともなく集まってきて、マネキンのように静止。手には「アベ政治を許さない」「ABE IS OVER!」などと書かれたプラカードを掲げている。参加者は10人ほどが確認できる。

さて、このパフォーマンスをフラッシュモブと認めていいものかどうか。

『Wikipedia』によると、フラッシュモブとは

インターネット上や口コミで呼びかけた不特定多数の人々が申し合わせ、雑踏の中の歩行者を装って通りすがり、公共の場に集まり前触れなく突如としてパフォーマンス(ダンスや演奏など)を行って、周囲の関心を引いたのち解散する行為。狭義では政治的な意味合いを持つもの(デモ活動等)は含まれない。

とある。

この定義に照らし合わせてみると、まず10人前後という参加者の数はモブ(群衆)と言うにはあまりにも少なすぎやしないか。そして「アベ政治を許さない」などのプラカードは政治的主張以外の何ものでもない。よってこれはフラッシュモブと呼べるものではなく、政治的デモと見做すのが妥当であろう。デモであれば事前に官憲の了解が必要になる。

フラッシュモブは2003年にニューヨークで初めて行われたとされる。日本でも2003年6月に『2ちゃんねる』の大規模OFF板が中心となって呼びかけた「渋谷マトリックスオフ」に100人以上が集まり、これが日本初のフラッシュモブと言っていいだろう。この「渋谷マトリックスオフ」は、当時公開された人気映画『マトリックス』に因んだごっこ遊びをして道行く人を驚かせようという、ネット民の無邪気な遊び心が発端となっていた。

【参考動画】Matrix in Shibuya, Tokyo, Japan(YouTube)
https://www.youtube.com/watch?v=XRwiEQL7QHU[リンク]

以来、フラッシュモブは芸術や宣伝の表現手法として広まり、雑踏の中で群衆がダンスをする、オーケストラ演奏をする、マネキンのように静止するなど、様々なパフォーマンスを伴うフラッシュモブが各地で開催されている。最近ではフラッシュモブによる演出を専門に請け負う業者も参入してきているが、元はといえば、ギリギリ警察のお世話にならないグレーゾーンで、道行く人を驚かせて遊ぼうといういたずら心に溢れるものだったはずだ。政治臭・宣伝臭しかしない一方的なパフォーマンスは、フラッシュモブとは認められない。

※1「駅前でパフォーマンス禁止は違憲」 海老名市を提訴(朝日新聞)
http://www.asahi.com/articles/ASJ6K2VPBJ6KULOB006.html[リンク]

画像:YouTubeより引用

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