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「起業するアイデアがなければ考えよ、それに尽きる」 孫正義×ルース大使 対談全文(後編)

米国務省「ConnectUSA」が主催するオープンキャンパスで実現した対談

 ソフトバンク孫正義社長とアメリカのジョン・ルース駐日大使の対談で、2人は起業を目指す人々を導く「メンター」のあり方について語った。孫氏は自分のなかで「心の師」「ヒーロー」を作り、その人物のようになりたいと夢見ることが重要だと語る一方、ルース大使は、専門的な知見・知識を持った人物を「メンター」とし、頼ることを勧めた。

 また、ニコニコ生放送視聴者からの「起業はしたいが、アイデアがない場合」についてアドバイスを求められると、孫氏は「Think!(考えよ)、それに尽きる」とし、ルース大使も「まったくの同感」とした。

 以下、対談を全文書き起こして紹介する。

・[ニコニコ生放送] 全文書き起こし部分から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv66635936?po=news&ref=news#1:08:03
・「ジョブズはあえてリスクをおかす人だった」 孫正義×ルース大使 対談全文(前編)
http://news.nicovideo.jp/watch/nw130151

■「『日本が好き』、だからといって他国と戦うわけではない」

司会: アメリカからの支援ということで、今回の震災、私たちも大変世界との繋がりを意識した機会になったと思うのですが、孫さんも震災の復興支援、積極的に取り組まれていて、この「3.11」後の世界、社会というのを私たちがどう生きていけばいいという風にお考えになっていらっしゃいますか。

孫正義(以下、孫): 3月11日の震災前は、このような原発事故や津波、大震災のようなことを、私はあまり考えていませんでした。深く考えたことは無かったのです。新聞を読んだり、あるいはテレビのニュースを観たりして、他人事のような気がしていたのです。どこか違う場所で起こっていること、私自身に繋がりのある、あるいは私の家族に直接関連のあるものではないという気がしていたのです。

 でも、3月11日以降、まるっきり私の見方は変わりました。「これはやはり支援しなければならない」と感じました。本当に大きな悲劇で何かしなければならないという気持ちになりました。ですので本当にがらりと物の見方が変わった気がします。私は日本で生まれて、日本が大好きです。ですので日本の人たちを支援し、支えたい。3月11日以降、これがきっかけになって、私の頭の中がどこか切り替わった気がします。本当に日本が大好きなのだということがわかりました。「何とかしなければならない」、「日本の人たちをサポートしなければならない」と感じました。

 日本が好き。日本人が好き。だからと言って「他の国と戦う」というわけではありません。2つの種類の人がいると思います。日本が好き、本当に好き、だから「他の近隣諸国と戦わなければならない」、そして「日本だけを守ればいい」と考える人もいます。そういう人が一方にいれば、もうひとつ別なタイプの人がいます。自分の国、自分の国の人たちが大好きであれば、同じように近隣諸国の人たちも大好きだし、そこの国の人たちも、その国も好き、「だからお互いに助け合うのだ」と考える人がいます。私はその後者のタイプの人間になりたいと思います。日本を深く愛している。そしてこの悲劇のあと、なおさらその愛を強く感じるようになりました。それと同時に海外にいる人たちにも手を差し伸べたいと思います。そしてお互いを尊重し合うことができればと思うのです。ですので、アメリカの人たち、アメリカとも支え合いたい。あるいは、韓国、中国、その他の国々の人たちともお互いに支え合っていきたい。人と人の関係と同じです。自分が大好きであれば、そしてだからといって周りと喧嘩をするのか、それとも自分が大好きだから他の人たちも助けたいと思うかだと思うのです。

ジョン・ルース氏(以下、ルース): まったくそうだと思います。これが「トモダチ」の精神ですよね。もうひとつお話を聞いていただきたいのですけれども、もちろん被災地に訪れた時に、本当にインスピレーションを受けるような話というのがたくさんあるんですけれども、(岩手県)陸前高田(市)の戸羽市長に会いに行きました。彼もやはり非常に悲劇的な、かつインスピレーションを与えてくれる話をしてくれました。

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