『テラフォーマーズ』山田孝之インタビュー「“何やってもいい”って皆が好きにやってる感じはします」

2016/05/07 14:00 藤本エリ

累計発行部数1,600万部を突破し、熱狂的人気を誇る漫画「テラフォーマーズ」が完全映画化。三池崇監督がメガホンをとり、伊藤英明、武井咲、山下智久、山田孝之、小栗旬ら豪華俳優陣がキャスティングされた『テラフォーマーズ』が現在公開中です。

2599年、人口増加による貧富の差が激しくなる日本では、新たな居住地開拓のために「火星地球化（テラフォーミング）計画」を開始。火星の気温を上げるためにコケとともに放たれたゴキブリが異常進化してしまい、そのゴキブリたちを駆除するため、15人の日本人が火星に送り込まれる……。という斬新すぎるアイデアが、実写映画では超絶アツいバトルになっています。

個性的な登場人物の中でも、特に重要なキャラクターとなる蛭間一郎を演じたのは山田孝之さん。ドラマ、映画、CMなどで様々な役柄に挑んできた山田さんが本作をどう観たのか。色々とお話を伺ってきました。

（撮影：周二郎探検隊）

―映画拝見して、すごく面白かったですし、強いパワーを感じました。山田さんは映画をご覧になって率直にどう思われましたか？

山田孝之：面白かったです。アニメだな、と思いました。

―撮影時からもそのアニメっぽさというのは感じていらしたのでしょうか。

山田孝之：三池さんは、いちばん最初から「90分ぐらいで、バババーっとやって、なんだこれ？ってなったら、終わっちゃう。そんな映画にする」って言ってたんで、まさにそうなったんじゃないですか。世界観の出し方も含め、原作通りやってる。漫画って、漫画だから成立することがいっぱいあるじゃないですか。でも、これ、実写で出来てるからすごいなと。三池さんが言ってた通り、ここまで思いっきりいけば、出来ちゃうんだ、と。

―演じる側としてもその勢いは楽しかったですか？

山田孝之：こういう状況の話ですし、何やってもいい、みたいな感じはありましたね。皆が好きにやってる感じはします。「おらー！」って思い切りやってると、観る側も、「あ、そういうものね」と納得するみたいな。作品によると思いますけど、今回の場合はもう思いきりですよね。全員、未来の人間に成りきって。スーツを着てることにも何の違和感も感じず、思いっきり演じると、こういうことになるんだなと。作ってる側が、演じてる側が入り込んで無いと、観てる人たちは引き込めないですよね。

―確かに映画の中での皆さんの役への入り込み方は素晴らしかったですし、気合いが伝わってきました。山田さんがこの蛭間という役を演じて、一番楽しかった事はありますか？

山田孝之：僕は役でも、宇宙船に入ったことないので、ワクワクしました。こういうスーツとかも、昔から憧れてたんで。だから今回着れて嬉しかったですよ。『GANTZ』とか観てて、「いいなー、着たいなー。そのスーツ」って思ってたんで。やっぱり、誰しも小さい頃、戦隊ものとか憧れるじゃないですか。

―蛭間というキャラクターは原作でもファンが多いですし、秘密が多い役柄ですが、演じるのは難しくなかったですか？

山田孝之：蛭間を演じるにあたっては空気を無くす事が一番大事なんで、馴染む様に心がけていました。原作ではもう総理大臣ですからね、だからこの続編が作られてたとしても宇宙船とかに乗れなくてちょっとつまらないかもしれない（笑）。

―山田さんは色々な役柄を演じてらっしゃいますが、現代劇でリアルなキャラクターもあれば、今回の様な現実にはいないキャラクターもあります。その演じ分けなど、意識されている事はありますか？

山田孝之：なんか、素のままじゃいれない自分を（役で）作って、人前に出てる気がする。自分のままでは無理、というか。どの役者さんを見ていても、そんな感じはします。まあ、全部がそうじゃないとは思いますけど。役を“着ている”安心感はあるんじゃないですか。芝居したいなっていうのは、演技をしたい、ということではなくて、何か自分じゃない状態になりたい、ってことなんでしょうね。自分に飽きてくるんでしょうね、何ヶ月かすると。ずーっと同じ感覚でいる、ということが。