幻のバーを訪ねて649.4kmの旅! 『CORONA ESCAPE BAR HAKUBA』取材記

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標高1450 m、白馬の絶景ゲレンデに“コロナ エスケープバー”が期間限定オープン!
北アルプスを眺めながら飲むコロナビールで最高の解放感を

というプレスリリースが記者のもとに届いたのだが、いくら何でも極寒のスキー場で冷たいビールは無かろうと半信半疑で見に行ってやろうと思い、日帰りショートトリップを計画した。

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ルートは北陸新幹線が開業したこともあって、乗車券は東京都区内から東京都区内行きの片道乗車券。
往路は新宿から中央本線の特急で松本まで行き、そこから大糸線で白馬に行き途中下車。
復路は途中下車した乗車券を使い、大糸線をさらに北上して糸魚川から北陸新幹線で一気に東京駅に戻る。
このルートだと、同じ経路を通らないので1枚の乗車券でぐるっと回る旅行になる。

しかし、乗車券を購入した時点でとんでもない旅になることは予想していなかった。

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8時ちょうどというと「あずさ2号」と相場は決まっているのだが、それは昔の話。
現在は下りが奇数と決められているので、新宿から中央本線を下ることになる列車名は「スーパーあずさ5号」となる。

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数分遅れで終点の松本に到着。
ここから大糸線に乗り換える。

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途中で雪がひどくなり、スマホには「大雪警報」が発令されたことを知らせるプッシュ通知が舞い込む。
しかし、スキー場に雪は付きもの。雪が降って不思議なことはない。
と思っていたら、電車が動かない。単線で対向列車が遅延しているために交換ができないのだ。

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白馬には20分少々遅れて到着。

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白馬に乗った王子様がいるのか、白銀の世界が待っているのか、とにかく目的地へ急いだ。

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Hakuba47スキー場に3月末まで期間限定で開業しているコロナビールが設置した『CORONA ESCAPE BAR HAKUBA』があるとのこと。
ゲレンデの下にある売店の一角にあるのだろうと、それらしきものを探した。

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しかし、そこのあるのは既存の店舗とリフト乗り場だけ。
木造ログハウス風だと聞いていたコロナバーは見当たらない。
スキー場の事務所に行って聞いてみてびっくり。

ここにはないという。リフトを乗り継いでゲレンデを降りてくる途中にあるらしい。ではリフトを乗り継いで目的のバーを取材してリフトで降りてくればよいではないか。
ところが、帰りのリフトは乗れないし、スキーかスノーボードでないと降りれないという。

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そもそも、大雪と強風で午前中はスキー場そのものが閉鎖していたらしく、バーもこの日は開店していないということだった。
仮にスキー用具を持っていてもダメだったというわけだ。

写真はコロナバーのオフィシャルスチールを許諾を得て使用。

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記者の確認不足もあるが、天候にも恵まれず幻のコロナバーとなってしまった。
しかし、下の売店にもコロナビールは売っているので、ヤケクソで買って飲んでみた。

ところが、極寒のスキー場で飲むビールが美味いのだ。お世辞ではなく本当に。
空気が澄んでいておいしいせいか、冷たい空気と一緒に飲むせいか、とにかくクリアな味わいという表現がぴったりの都会で飲むのとはちょっと違た感じがして感動すら覚えた。

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コロナバーが幻になってしまったので、売店の大野愛さん(22)に話を聞いてみた。

--こんな寒いところでビールなんて売れるんですか?

「それが売れるんですよ。というか、ほとんどビールですよ。それもコロナばかりです。ここにはホットコーヒーも缶ビールもありますが、なぜかコロナばかりなんです」

これは事実で、記者が大野さんに話を聞いている間に売店に来た外国人は女性がコーヒーを買ったのを唯一の例外として、全員コロナビールを買ってその場で飲んでいた。

--外国人のお客さんが多いようですが

「ほとんどがオーストラリアの方です。土日は確かに日本人が多いですが、今日は平日なのでオーストラリアの方が多いですね」

--オーストラリア人はコロナが好きなんですか?

「さぁ、それはどうでしょうか?でも、顔見知りになったお客さんが目の前で買ったばかりのコロナビールを雪に突き刺して滑りに行く方もいますよ。”ちょっと見といて!”って言い残してリフトに消えるんです。そして滑って降りてきたら自分が雪の中に突き刺したコロナビールをおいしそうに飲むんですよ。日本人にはない発想ですよね」

--確かにそうですね。ところで大野さんは白馬の方だと伺いましたが、まだお若いので遊びに行くとしたらどこに行くのですか?

「そうですね。バスで1時間程度で長野に行けますから長野市ですかね。松本ですか?電車はドアが開いて寒いという印象があるのであまり行きません。どうせ行くなら東京ですね。でも買い物は通販でできますしわざわざ東京に行くことも少ないですけどね」

極寒のスキー場で働いていて電車が寒いから嫌だというのは不思議だが、最後にここでのエピソードを聞いてみた。

「私は父が白馬でレストランをやっているので、夜はそちらに行きますけど、昼間にここで会ったオーストラリア人が夜に父のレストランにやってきて”何でここにもいるんだ?働きすぎだ!”って叱られたことがあります。スキー場では紳士だったのに、夜酒を飲んで陽気に騒いでいるオーストラリア人も楽しいですね」

話を聞いている間に何人もの外国人がビールを買い求めて一杯やっていた。流ちょうな英語で応対する大野さんはここのは顔役なのかもしれない。

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カメラを向けると陽気なオーストラリア人カップルが気軽に撮影に応じてくれた。
コロナバーは幻に終わったが、スキーで来る方は記者の分もぜひ堪能していただきたい。

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さて、東京に帰ろう。
白馬駅から大糸線の電車で南小谷(みなみおたり)まで行く。大雪のため15分遅れだ。
南小谷から先は非電化区間でディーゼルカーに乗車の予定だ。また、管轄がJR東日本からJR西日本に変わる。
しかし、乗る予定のディーゼルカーが駅にいない。遅れているのかと思ったが、この先が大雪のため運休となってしまったらしい。

本日二度目のハプニング。こういう時はすぐさま旅程をリカバリーするのが乗り物マニアの鉄則だが、ここは雪深いローカル線の駅。リカバリーする手段がないのである。もと来た道を戻って中央線で新宿まで帰るしかないのかと思っていると、駅員が乗車券を確認して行き先を訪ねている。
どうやら鉄道代行タクシーが出るようである。
記者は新幹線の特急券を所持していた関係もあって、タクシーを糸魚川駅直行にしてくれた。

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タクシーの運転士が急いでくれたので所定の新幹線に奇跡的に間に合い、東京駅に定刻の20時に到着した。

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午前8時に新宿駅を出て午後8時に東京駅に到着するという丸12時間の弾丸ショートトリップだった。
目的のバーは幻に終わり、大糸線は運休するという二度のハプニングにあってしまったが、それも旅のだいご味。
スキー好きの方は、幻の「CORONA ESCAPE BAR HAKUBA」に行って見てはいかがだろうか。

CORONA ESCAPE BAR HAKUBA

OPEN :~3月末 11:00~15:00
 ※営業時間、営業期間については、降雪状況により変動する可能性があります
LOCATION : Hakuba47 WINTER SPORTS PARK
 長野県北安曇郡白馬村神城24196-47 Google map
ACCESS :クワッドリフトLineC降り場前「南沢の頭」
CONTACT :0261-75-3533(Hakuba47 WINTER SPORTS PARK)
 ※「CORONA ESCAPE BARの問い合わせ」とお伝えください。

※写真はすべて記者撮影

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(執筆者: 古川 智規) ※あなたもガジェット通信で文章を執筆してみませんか

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