「韓流ブーム批判」と「デモ」はなぜ起こったのか?
高岡蒼甫さんの「8(チャンネル)は見ない」発言に端を発し、デモが起きるまでの騒動となった”韓流コンテンツをめぐるメディアの問題”について議論する番組「激論! 『韓流ブーム批判』を考える。~高岡騒動から反韓流デモまで~」が2011年8月11日、ニコニコ生放送で放送された。
司会を務めたジャーナリストの津田大介氏は、「公共性が高いフジテレビというメディアが韓流番組を推すのは、放送上問題ではないのか。経済原理だけで推しているのか、ほかに理由があるのか。政治性が高い所から収入が流れ込んでいるのではないか。大手広告代理店もグルなのではないか」と、問題提起した。
それを受け、ジャーナリストの青木理氏は、「基本的には無いと思っている。フジテレビとか電通は保守にブレることはあっても、韓国のコンテンツを意図的に売るというのは論理として成り立たない」と語った。
■フジテレビに非はあったのか? なかったのか?
だが視聴者は、8月7日に行われたフジテレビに対するデモを引き合いに出し、
「フジのみならず、日本の地上波テレビは基本的に韓国を美化しこそすれ、批判することがない。今回の運動の大きな背景には、そこに重大な不信感があると思う
」
と意見をぶつけたり
「今回のデモはメディア批判。そこに対して韓流コンテンツが多いのは、今のメディアのあり方の論点に過ぎない」
と主張した。これに対し津田氏が、「フジテレビに非はあったのか? なかったのか?」と出演者に問いかけると、放送レポート編集長で元テレビ朝日ニュースデスクの岩崎貞明氏は、韓流コンテンツについて
「別にフジテレビだけが突出していない。はっきり言って、各局みな韓流コンテンツを取り上げている。お手軽に安く番組をつくれる。放送局の人間は、携帯コンテンツなどで金を儲けることにものすごく力を入れている。本来視聴者に提供すべきコンテンツは適当に流して、金儲けのために公共の電波を私物化している。伝統的なメディア批判かもしれないが、一つの形として出ている気がする」
とフジテレビだけでなく、テレビ業界全体の問題として、その姿勢を批判した。また17歳の視聴者からは
「ミーハーな視聴者たちが飛びつくようなもの、今回は韓流ですが、それを安易に過剰に使ってしまうことが、新しい流行や面白いものをつくり出す能力のないテレビ局の怠慢であり、そこに対して批判があるのは分かります。ですがニコ動のコメントを見ていると、韓国の歌手や韓国自体をたたくような人もたくさんいるようです。それは批判すべき相手が違うような気がします」
という意見が寄せられ、津田氏も「誰よりも大人で冷静な意見」だと感想を述べていた。
一方で別の視聴者からは
「韓流ドラマのターゲットは主婦。ドラマのプロダクトは宮廷とか恋愛、どことなく懐かしいテイスト。ヒットすれば主婦向けのスポンサーから多くの広告費を稼げるので、主婦層狙いで経済原理として自然に増えているのではないか」
と、フジテレビの経済合理性の正しさを指摘する声もあった。
こうした意見に対して津田氏は「フジテレビは経済的にも韓流コンテンツを推す。それをごり押しと感じる視聴者。この対立の解消は可能なのか?」と疑問を呈し、議論は尽きず。「思った以上に根深い問題だと思うので、第2弾、第3弾とやって議論を深めていければ」と語っていた。
(鏡、岩本義和)
◇関連サイト
・[ニコニコ生放送] 津田氏による問題点の整理から視聴 – 会員登録が必要
http://live.nicovideo.jp/watch/lv59574921?po=news&ref=news#16:17
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