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古典芸能のいい男がずらり勢ぞろい!~マガジンハウス担当者の今推し本『クロワッサン特別編集 古典の男たち』

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こんにちは、マガジンハウスです。みなさんの中には伝統芸能がお好きな方もいらっしゃるかと思いますが、まずは今回、紹介する本のインタビュイーのラインナップをご覧ください。
中村吉右衛門さん、片岡仁左衛門さん、中村勘三郎さん、坂東三津五郎さん、竹本住大夫さん、吉田簑助さん、柳家小三治さん、柳家喬太郎さん、柳家三三さん、宝生閑さん……。
歌舞伎、落語、文楽、能の、名人16人に加え、さらに大衆演劇からは一見劇団さんにも密着取材。え、ひょっとしてこれってすごいことなんじゃないんでしょうか、担当のHさん?

H 「はい、自分で言うのも何ですけど(笑)、古典芸能のすべてを網羅したインタビュー集というのは珍しいと思います。歌舞伎だけ、落語だけというのはありますけど」

―――確かに、ここまで多岐に渡った、そして各界のトップの方々のロングインタビューが一冊で読めるのは滅多にないことです。もうお話が聞けない方もいらっしゃいますし…。

H 「インタビューの後、亡くなってしまわれた方が4人、いらっしゃいますね。歌舞伎の中村雀右衛門さん、中村勘三郎さん、坂東三津五郎さんと、上方落語の笑福亭松喬さん…。今となっては貴重なインタビューになりました。勘三郎さんにしても、三津五郎さんにしても、これからという時に亡くなられたのは本当に惜しいです」

―――私はあまり、というかほとんど古典芸能には詳しくないのですが、このラインナップに何か共通項はあるんですか?

H 「私の好みです(笑)。というと語弊がありますが、とにかくその時にお会いしたい人、その時一番”上手い”と思った方にお話を伺いに行きました。結果的に、当代一と言われる方々が揃ったということですね」

―――では、Hさんが”上手い”と思う基準は?

H 「王道が好きなんです。本格派といわれる方ですね。どうやって芸を身に付けたのか。芸の秘密を知りたくて伺いました」

―――普通、簡単には芸の秘密なんて教えてくれないでしょ、と思っちゃいますけどね。

H 「それが、さすが大物は違って、みなさんちゃんと答えてくださるんですよね。こんなド素人によく、って頭が下がるほど。(能の)宝生閑さんはご自宅にある能舞台でいろいろ説明しながら謡を披露してくださいました。(歌舞伎の竹本)葵太夫さんは、ピアニカを使った稽古風景まで撮らせてくださったり。芸について熱心に語ってくださる一方で、(落語の柳家)権太楼さんはご自宅の落語のカセットテープに囲まれた部屋を見せてくださったり、(落語の柳家)喬太郎さんはウルトラマングッズをいっぱい持ってらして、ついでに『東京ホテトル音頭』も唄ってくださいました♡」


柳屋喬太郎さんの見事なイラストの腕前、詳しくは本書で。

――――葵太夫さんの取材では、行きつけのバーにまで同行してますね(笑)。

H 「カウンターで、素敵な笑顔でしょう(笑)。すべての芸能に言えることだと思うんですけど、芸道を極めている方というのは、取材でのお話も抜群に面白いんです。何をどう努力しているのかを、きちんと教えてくださいます」

―――それは、キャリアとか年齢にも比例するものなんでしょうか。

H 「とも言い切れないですね。本書でも取材させていただいている(歌舞伎の市川)海老蔵さんなどは、まだお若いですけど、肚の強い演技をされますし、オーラもすごいです。この写真、ちょっと不思議なポーズでしょう。これ、インタビュー中に『勧進帳』の富樫(とがし)の台詞を、昔の名優の声色(こわいろ)でやってくださったんです」

―――生モノマネですか。それはすごい!

H 「勉強熱心な方とは聞いていましたけど、ウワサは本当だったんだと感動しました。実際、そのときの舞台も素晴らしいものでしたし」

―――ところで、この本では、”特選付録”として、大衆演劇の一見劇団にも取材していますね。

H 「はい、それが本書の面白いところでもあると自負しています」

―――確かに、この並び自体珍しいうえに、さらにここに大衆演劇が入るのは変わってますよね。

H 「大衆演劇は亜流だなんておっしゃる方もいますけど、とんでもない。特にこの一見劇団は、人気、実力ともに関東№1と言われているだけあって、とにかく上手い。クオリティが非常に高いのに、観劇料金は安いんですよ」

―――大衆演劇と聞くと、ど派手なヘアメイクや、キラキラの衣装のイメージがあります。

H 「なんでもありだからこその面白さがハンパないです。劇場だけでなく、健康ランドのようなところでも観られるんですが、お風呂に入って、ビールを飲みながら泣いて笑って…。私の友だちは『人生どうなってもいいという気分にさせられる、危険すぎる』とまで言ってました」

一見劇団座長・一見好太郎さんのメイクシーンにも密着。すっぴんからの変身ぶりは、やっぱり本書で是非チェックを!

―――いいものはいい、というHさんの情熱が伝わってきます。

H 「伝統芸能の世界にはヒエラルキーみたいなものが根強くありますけど、様々なジャンルの方にお話を伺ったからこそ、芸にかける思いや努力は歌舞伎であろうと落語であろうと同じだということを痛感しました。大衆演劇も同じこと。ジャンルに限らず、面白いものは面白い。それだけのことです。だからこそ、歌舞伎役者には歌舞伎に本気で取り組んでほしい。あまり寄り道をしないで、歌舞伎のいまの危機的状況を救ってほしいと思ってます」

―――この本を読むと、一流の方ほど日々精進されているというのがわかりました。

H 「(落語の柳家)三三さんが、”自分の芸はこれから変えていかないと”とおっしゃったんですよ。まだまだ進化していくんだ、と驚きましたね」

―――現状に甘んじない姿勢が一流ならではですね。そして、どの方も男性として魅力的♡

H 「はい、みなさん、とっても色っぽいんですよね。間違いなくモテモテだと思います(笑)」

―――やっぱり。では最後に、本書に手が伸びかかっているみなさんにプッシュの一言を。

H 「この本では、1ページ大の大きな舞台写真がたくさん載っています。芸を見るというのは、結局は演じているその”人”を見ることだと思うんです。名人たちがどんな”人”なのかを少しでも感じていただけたら嬉しいです!」

今週の推し本

『クロワッサン特別編集 古典の男たち』
  マガジンハウス 編
ページ数:144頁
ISBN:9784838750573
定価:1,200円 (税込)
発売:2015.10.02
ジャンル:実用

[http://magazineworld.jp/books/paper/5057/]

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