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「非弁行為って?」縄張り争いを繰り広げる弁護士会と闘う行政書士の手記

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※この原稿は行政書士の柴田崇裕さんよりご寄稿いただきました。

●「非弁行為って?」縄張り争いを繰り広げる弁護士会と闘う行政書士の手記

 僕は現在、“大阪地検特捜部”から被疑者として扱われています。昨年(2010年)の5月には全国的に逮捕されると報道されてTVカメラに追いかけまわされるという経験もしました。

 特捜部に捜査されているといっても、僕は有名政治家でもないし、芸能人でもないし、億単位の大金を稼いだ人間でもありません。

 現在は事件の影響もあり休業中ですが、僕は昨年4月までは行政書士として仕事をしていました。ですが、行政書士として有名だったというわけでもありません。田舎の一行政書士でしかありませんでした。

 こういうことになった発端は… 僕が弁護士に逆らったからです。

 経緯を説明する前に少し説明が必要になりますね。僕は行政書士として離婚や不倫関係の業務を扱っていました。こういった業務は弁護士しか扱えないかというとそんなことは無く行政書士というのは、その名称からイメージし辛いかもしれませんが、離婚をするときの取りきめを書面にまとめた「離婚協議書」の作成や、慰謝料を請求したりする「内容証明郵便」の作成を行うことができるんです。こういった業務ができる法律資格者は弁護士と行政書士だけになります。(厳密に言うと例外はありますが、ここでは省略します)

 そうすると弁護士と行政書士の違いは何か?ということですが、簡単に説明すると行政書士は裁判手続きには関われませんし、示談交渉の代理などはできません。あくまでも書類を作るのが行政書士の仕事というわけです。

 ただし、ここで問題が発生してきます。弁護士というのは弁護士業務を広く解釈して弁護士の仕事を増やそうとします。弁護士の独占業務(弁護士以外が扱うと犯罪になる業務のこと)を定めた弁護士法72条というのはその解釈の仕方で色々と論争があるのですが、弁護士はその解釈を自分たちに有利なものにしようとします。実際には、2010年に出された最高裁の弁護士法違反の判例(*)で弁護士たちが主張する解釈は否定されていますし、法務省も弁護士にとっては不利になる解釈を支持しています。

(*)2010年7月20日最高裁では日本弁護士連合会が主張する“事件性不要説”ではなく、弁護士にとって不利となる“事件性必要説”の立場で判決を出しました。

 しかし、弁護士たちは最近の弁護士増員の影響もあるのでしょうが、昔以上に躍起になって行政書士が民事の書類作成をすることを取り締まろうとしているんです。

 その一例として大阪弁護士会はフィクションの行政書士のTVドラマにまで「DVDを発売するな! 再放送をするな!」とTV局に抗議をしました。大阪弁護士会は仮に“法律事件を扱う行政書士”というタイトルの絵画があった場合はこれにまで抗議してその芸術を弾圧しようとするのでしょうか?TVドラマを潰そうとすることが弁護士会という司法制度の根幹に関わる団体の行動として正しいのでしょうか?

 まあこんな感じで弁護士というのは行政書士を目の敵にしているわけで、僕はこの業界間の縄張り争いとでもいえるものに巻き込まれてしまったんです。

 2009年に僕はある弁護士から「弁護士法違反だ!」という圧力を受けました。これに僕は反発してこの弁護士を脅迫で刑事告訴をして、その弁護士が所属する大阪弁護士会に懲戒請求をしたんです。弁護士は自分たちが法律資格者の中では一番偉いと思っていますから僕の取った行動は許すことができなかったのでしょう。

 2010年4月になって突如として大阪弁護士会が記者会見を開き、僕が示談交渉をして弁護士法に違反したとして大阪地検特捜部に刑事告発したと大々的に発表したのです。僕の行ったことは行政書士法で認められた書類を作っただけだったのですが…

 この記者会見は4月14日に行われたのですが、朝日新聞はその直前4月14日付の朝刊で記事にしていて、その混乱を避けるために記者会見を行ったと大阪弁護士会は主張しています。でもなぜ朝日新聞にその情報が漏れてしまったのでしょうか?

 ちなみに僕より少し前に同じく大阪弁護士会から刑事告発された司法書士法人があったのですが、このときもなぜか朝日新聞が大阪弁護士会の発表前に記事にしていて、その後大阪弁護士会が記者会見をするということが起こっています。大阪弁護士会は情報リークを否定していますが、立て続けに不思議なことが起こるものだなと思ってしまいます。

 この司法書士法人は既に不起訴が決まり、犯罪にはなっていません。大阪弁護士会が行った刑事告発だからといって正しいとは限らないということです。この件については当事者ではないので、報道されている範囲でしか分からないのですが刑事告発された司法書士法人は大阪では有名な事務所でかなり弁護士の仕事を取っていたようで、大阪弁護士会はこれが気に食わなかったのではないでしょうか。

 僕は今でも大阪弁護士会の行為によって、被疑者となり行政書士として活動していません。

弁護士会というのは社会正義を守る団体でしょうか?
それとも……

(つづく……かもしれません)

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※この原稿は行政書士の柴田崇裕さんよりご寄稿いただきました。文中のイラストとマンガは行政書士柴田崇裕さんの妻であり漫画家であるシバキヨさんに描いていただきました。

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記者:

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