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「魚の腐敗臭どうにかして」 被災地・石巻で「魚回収プロジェクト」始動

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 東日本大震災の津波によって陸上に流され、放置されたままになっている魚を回収するボランティア・プロジェクトが2011年5月2日、宮城県石巻市伊原津地区で始まった。この”FISH”プロジェクトの担当者は「今回がモデルケースとなればいい」と話しており、全国的にも珍しい試みだ。

 沿岸部に近い石巻市伊原津地区で深刻な問題は「におい」だ。5月3日、記者が同地区を訪れると、タイやサケ、マグロなど、いくつもの魚が道路や家屋の中に散乱していた。沿岸部に近い同地区では、3月11日に発生した震度7の地震による津波の影響により、魚の冷凍工場や水産加工品の工場で保存されていた魚の多くが流されたからだ。震災からまもなく2ヶ月が経つにもかかわらず、管理する人のいない広場や道路では廃棄が進まず、今でも吐き気を催すような腐敗臭が一帯を覆っている。

 そこで、道路や広場などに放置されていた魚を回収するボランティア活動が5月2日、3日の2日間、実施された。現在、石巻専修大学を拠点に活動をする国際交流NGO団体・ピースボートが中心となって取り組んでいる。

■「魚を拾うボランティア活動は初めてではないか」

 「魚の腐敗臭をどうにかして欲しい」。以前からあった伊原津地区住民からの要望をピースボートが受けたのは4月30日。その2日後にプロジェクトは開始された。プロジェクトのリーダーを務める左座進介さん(26)は、「5月1日に伊原津地区の自治会長と現場の下見をして、あまりの悪臭に驚いた。ピースボートは人数的に余裕があったので、力になれると思った」という。

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 プロジェクトに参加したのは2日間で90人。がれきやヘドロに埋もれた魚を拾い出し、袋に詰め込む。マグロのような大きな魚は、スコップでいくつかに切り分ける。気温が上がってきたこともあり、ウジが湧いている魚も。「イカが最も臭い」と、ボランティアの間では不評を買っている。あまりの悪臭に3人が嘔吐。さらに、魚の骨が手や足に刺さり、10人ほどが怪我をした。ボランティアの小林隆徳さん(33)は「ボランティアをはじめて11日が経つが、これまでで一番大変な作業。風呂も入れず体が臭い」と漏らす。

 このような懸命の作業に対して、地域住民の評判は上々だ。同地区に住む金子正栄さん(70)は「津波で自宅の玄関先にもマグロが流れてきた。以前から魚の腐敗臭がきつかったし、今も変わらない。そんな中、ボランティアの方が手伝ってもらって本当に助かる」と話す。

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 プロジェクトによって回収された魚は、2日間で20トンにものぼるという。石巻市によると、沿岸部に集めた魚は、6日から海上投棄を始める予定だ。プロジェクトリーダーの左座さんは「魚を拾うというボランティア活動は”初”ではないだろうか。今回がモデルケースとなればいいと思っている。他の地区からも同じ要望が出てきているので、次回があれば積極的に取り組みたい」と意気込んでいる。

【ニコニコ動画】「魚の腐敗臭どうにかして」 被災地・石巻で「魚回収プロジェクト」始動

(松本圭司、丸山紀一朗

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