『ふくいちライブカメラ』の中の人に質問してみました【例のあのカメラ】

ふくいちライブカメラの映像より

福島第一原子力発電所の映像を毎日、淡々と届けてくれている「ふくいちライブカメラ」。ガジェ通でも何回か紹介させていただいたので、ご存知の方もいるかもしれない。更新は1時間に1回と、かなり頻度は少ないが、おそらく今世界で最も注目されているライブカメラのうちの一つだろう。大震災のときにちょっと角度が変わってしまったものの、それ以降も毎日、福島第一原発の様子をうつし出している。煙をあげる原発、ヘリコプターによる散水の様子。それまで真っ暗だった早朝に、ある日明かりが灯る様子。発電所南側に位置する「東電展望台」からの遠景でありながら、なかなか近づけない場所だけに非常に貴重な映像だ。今回は、そんな「ふくいちライブカメラ」、製品名「ポイントスコープ」の管理をおこなっている方に取材をおこない、素朴な疑問にこたえていただいた。

Q1・3月11日2時から3時の間に、一度カメラの向きがずれた
   ようにみえたのですが、これは、地震のせいでしょうか?
A1・カメラの設置場所が地震によって何らかの変化があったためと
   思われますが、現地での実際の確認はできておりません。

Q2・(ふくいちライブカメラで)朝や夕方に、空が紫や青に見えるのですが、
   これはなぜなのでしょうか?
A2・カメラで使用している画像素子(CMOS)の特性上、光量の少ない
   時間帯には青みが強調されてしまうためです。

ふくいちカメラの映像より

Q3・原発をうつしているライブカメラは「ふくいちカメラ」1台だけ
   なのでしょうか?
A3・ポイントスコープに関して、福島第一原子力発電所を写している
   カメラは1台だけです。

Q4・今後、福島第一原子力発電所をうつすライブカメラを増やす
   予定はありませんか?
A4・ライブカメラは東京電力の依頼に基づいて設置しているもの
   であり、増設等の予定に関しては東京電力にご確認下さい。

Q5・ポイントスコープには色々な種類があるそうですが、
   ふくいちカメラはどの種類なのでしょうか?
A5・ソーラーパネル+通信回線+標準レンズの標準仕様です。

ソーラーパネルバージョン

Q6・福島第一原子力発電所内に、ポイントスコープを設置することは
   技術的に可能でしょうか。
A6・平常時ですと、ポイントスコープは通信回線が確保可能な箇所なら
   設置できます。しかし、現在当該エリアの通信回線の状況が脆弱な
   ため、これ以上台数が増えた場合、同時通信に障害が出る可能性が
   あり、現状では難しいと考えます。

Q7・ふくいちライブカメラの場合1時間おき撮影ですが、ポイントスコープは
   撮影間隔を狭くすることはできるのではないでしょうか?
A7・一時的には可能ですが、限られた電源で運転しているため、一度
   バッテリーを使い切ってしまうと、再立ち上がりに時間がかかって
   しまうため、現状は1枚/時間で長期的に停止せず記録することを
   優先しております。

Q8・ポイントスコープは、これまでどのくらいの導入実績(導入数)が
   あるのでしょうか?
A8・全国で約350件の採用実績があります。

――ありがとうございました

震災後も自動で働き、映像を届け続けてくれている「ふくいちライブカメラ」。引き続きよろしくお願いします。

基本仕様

●参考リンク
ふくいちライブカメラ(東京電力)

■関連記事
ライブカメラが見つめ続けた福島第一原発事故
原発潜入ロボ「PackBot」が撮った写真と同型機が「かなり雑に扱われている」動画
「議事録がない」「動画も音声カット」原子力事故対策本部会議を可視化するための5つの方法
米空中測定システム、ヘリや固定翼機の動画公開「なぜか海外から来る放射線汚染情報の不思議」
【動画まとめ】「がんばれ原発ロボ」PackBotが撮った原子炉建屋内部のビデオ

  1. HOME
  2. 政治・経済・社会
  3. 『ふくいちライブカメラ』の中の人に質問してみました【例のあのカメラ】
深水英一郎(ふかみん)

深水英一郎(ふかみん)

トンチの効いた新製品が大好き。ITベンチャー「デジタルデザイン」創業参画後、メールマガジン発行システム「まぐまぐ」を個人で開発。利用者と共につくるネットメディアとかわいいキャラに興味がある。

ウェブサイト: http://getnews.jp/

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。