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「ふんばろう東日本プロジェクト」とは何か?:そのモチーフと画期的な仕組み

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ふんばろう東日本

※この原稿は、早稲田大学大学院商学研究科MBA講師 西條剛央さんにご寄稿いただきました。

●ふんばろう東日本プロジェクト」設立までの経緯

 津波主被害地は文字通り壊滅しており、想像を絶するものでした。テレビで報道されているのとはまったく違う本当の“壊滅”が延々と広がっていました(参照:岩上安身さんとの対談Ust中継→http://p.tl/Wsnb の前半に動画) 

 さらに驚いたのは、メジャーな避難所には特定のモノが余っているため「要らない」というのですが、マイナーな避難所には物資が行き渡っていないという現実でした。

 ある初老の方は2日賞味期限が切れたおにぎりしか回ってこないといっていました。

 これはつい先日のことです。

 本部の人に「こういうものはあるんですか?」と聞くと「ない」というのですが、それでも「仕分けられないから支援はいらない」というのです。

 これはあらゆる行政で起きていることなのであり、各地で問題になっています。愛知から車一杯に搭載してきた人が追い返されたのを見たという人もいます。しかし行政はこうした未曾有の事態に対応できるようにできていないためどうすることもできないのです。

 他方でネットだけを使ったマッチングシステムはたくさんありますが、津波主被災地の現実を踏まえたものではないため、最も必要とするところでまったく機能していないのです。

 津波主被害地はあらゆる公共機関を含むすべてが破壊し尽くされました。ネットはおろか電気も通っておらず、ガソリンもないため移動すらできません。ネットがつながったとしてもそこは高齢者も多く、パソコンのできる人自体がいないのが現状なのです。

 ボランティアが足りているのではなく現場でだぶついていて使えていないだけです。物資が足りているのではなく局在化していて、末端に行き渡っていないだけなのです。

 こうした現状を打開するために、被災地に行って支援を行いつつ、そこの人と連絡をとれるようにして窓口になってもらいます。避難所ごとに必要なリストをサイトにアップして、Twitterで募集をかけて全国から送ってもらうという仕組みです。

前方支援と後方支援を効果的に連携させることにより、行政を介すことなく、被災者個々人が必要とする物資やサービスを、必要なところに必要な分だけ無料で届ける画期的システムが「ふんばろう東日本プロジェクト」なのです。
 

●「ふんばろう東日本プロジェクト」の概要参考資料:未読の方はぜひお読み下さい

・「絶望と希望:南三陸町現地レポート」→http://getnews.jp/archives/108425

・「ボランティアが足りているというのは幻想です。今こそ立ち上がりましょう。」→
http://p.tl/Et71

・「マイナー避難所の支援方法とコツ」→http://p.tl/RGLx

・ジャーナリスト岩上安身さんとの対談、Ust中継インタビュー→http://p.tl/Wsnb

●「ふんばろう東日本プロジェクト」へのアクセス方法

基本的に2つのサイトが連動する形になっています。

1)支援物資とボランティア登録のサイトはこちら→http://p.tl/bNXp
2)被災者が求めている物資を送りたいという方はこちら→http://p.tl/x45y

津波主被災地の体制はおおむね本部(主避難所)とそれに付随する10前後の避難所からなります。

主避難所には物資が集まります。

特定の物資が集まりすぎ、また仕分けられないという理由で支援物資を断っています。

しかし末端のマイナー避難所や自宅避難者には十分な物資は届いていないのです。

「ふんばろう東日本プロジェクト」は壊滅的な被害を受けた津波主被害地に対してより効果的な後方支援を可能とするモデルです。

各避難所をユニットとすることで支援先の顔が見える形にして、被災者が今求めている生活用品、電化用品、、義援金などを全国から送ります。また必要としているサービス(医療保健福祉チーム)を提供します。

●「ふんばろう東日本支援プロジェクト」の流れ

ダウンロードはこちらから→http://bit.ly/fWuDwQ

1)各避難所ごとに欲しいものの要望リストをまとめ、行政や本部を介さずに直接メールや電話、FAXでサイト運営者に伝える。

2)サイトに情報をアップ。

3)Twitterで募集する。

4)送れる人が郵送する(あるいは臨床などのサービス支援チームを結成して現地に行く)。

5)必要な分量が集まり次第打ち切る。

これによって被災者が本当に必要とする物を、必要な分、必要な場所に送ることができます。
しかも本部は仕分ける必要がなく、直接避難所に届きます。

医療、保健、福祉、カウンセリング、針灸、マッサージ等々、必要なサービスも提供することができます。

ボランティアですから無料で税金も使わない、シンプルかつ最も実効性の高いシステムです。これを導入しない手はないと思います。

すでに南三陸町で成功していますが、各自治体に導入してもらうためには、ラジオ局(特に津波主被害地がアクセスできる数少ないメディアなので重要です!)、テレビ局、新聞などのお力が必要です。

みなさん各局に働きかけてください。お力添えのほどどうぞよろしくお願いします。

皆さんで画期的な支援モデルの事例を作り、“FUMBARE”を世界に広めましょう!

●未曾有の激震災に対して機能する基本的考え方=方法の原理が必要な理由

今は『24』かのごとく、24時間の内部で刻一刻と事態が変化していっています。こういうときは誰も正しい動き方をすることはできません。

状況が変われば有効な方法も変わるためです。ですからその都度状況をみて舵取りしていくしかないのです。

少しだけ専門の話をすると、構造構成主義には「方法の原理」というものがあります。

方法とは何でしょうか? 

目的を達成する手段ですよね。また方法とは必ず特定の状況の中で使われます。ですから目的や状況が変われば、やり方も変えないといけないのです。絶対に正しい方法などないのです。

この有事においてかつて経験したことのない速さで事態が変化しています。現場の状況もニーズも今日と明日は違います。

そういうときこそ、「方法の原理」を視点とすることで「有効な方法とは状況と目的に応じて決まるんだな。被災者の支援という目的は変わっていないけど、状況は変わっているから、今日はこういう風に動いてみよう」と、状況に対応しながらもぶれることなく的確な判断がしやすくなるのです。

●今求められている“小回りの利く自律的チーム支援”

「被災地の支援」という目的を達成すればよいのですから、必ずしも「ふんばろう東日本プロジェクト」に登録したり、依拠したりする必要はありません(もちろん登録も歓迎します)。使えそうなところを参考にして、導入して、活用すべきところだけ利用してもよいのです。

「被災者の支援」のためには、他の大きな支援組織がどんどん真似をしてくれるのが最も効率的だと思っています。

そのためにも今僕らはモデルとなるべくふんばっています。またこれをきっかけに実効性のある支援が広がるためにも多くの方に知っていただきたいのです。

「被災者の支援」という目的を実現できるならば、誰がそれをやってもいいはずです。

 ただその当たり前のことが既存の常識や型やルールに囚われているとできなくなってしまうことが多い。

 行政は特にそういう構造になっているのである程度仕方がないのです。元々未曾有の有事を想定して作られていないです。

 だからこそ「方法の原理」を視点とすることで、その「被災者の支援」という目的を見定めながら、そのときその場での状況を勘案しつつ、「そのために最もシンプルかつ効果的な方法は何か」と考えて柔軟に動ける“小回りの利く自律的チーム支援”が求められているのです。

そして一度現地の人とつながり(連絡手段)をもてさえすれば、あとはそこで求めているものを聞いて、サイトに掲載して、Twitterで募集をかけて全国から送ってもらうことで、無料で必要なものを必要な分必要なところに届ける持続的な後方支援が可能になるのです。

これが「ふんばろう東日本プロジェクト」のモチーフと考えていただければと思います。その意味では既存の組織やNPOと異なり、動的で分散された半有機的組織です。

図体の大きい鯨ではなく、小魚の群れのイメージです。

●自律的に臨床チームを組んで現地に向かいましょう!

東京にいる僕らでさえ疲弊しているのですから、現地の身体的、精神的疲労はピークに達していると思います。

これからはQOLを上げる物資とともに、そうしたケアをできるボランティアスタッフが必要です。

携帯がつながるところであれば、一度つながりを作ってしまえれば、電話で定期的に話を聞くこともできます。カウンセラーにバトンタッチすることもできるでしょう。

これは事務局でマッチングしない方が効率よいので、とにかくそうした技術を持っている方々が声をかけあいチームを組んで(必ず男性と3人以上で)、今必要とされているであろう物資とビラを積んで現地にいってください。

物理面、精神面、情報面といった多角的な貢献が可能になります。

目的は「被災地の支援」ですから、各自が信頼できる人とチームを組んで行くことで最も効率的に最大のパフォーマンスをあげることができます。

医師、看護師、理学療法士、作業療法士、鍼灸師、マッサージ師、アロマテラピスト、音楽家など、さまざまな生活の質をあげる力を持つ人が手を組み、QOLを向上につながる支援物資と、チラシを携えて現地に向かってください。

(現在、東大の大西教授をトップとした臨床支援チームを作っているところです。また追ってお知らせします)。

今、電化製品、パソコン、自動車、バイク、募金などの贈呈登録契約をしておくべきです。それが被災者の希望になります。
(以下については現在の所サイト構築できていないのですが実現していきます)。

震災は忘れてはいけません。しかし僕も含め人間はどうしようもなく忘れる生き物なのです。

忘れないようにする工夫や努力は絶対に必要ですが、遅かれ早かれ多くの人の意識から薄れていきます。

震災が忘れ去られる前に、電化製品などの必要な物資を集めて置いた方がよいのです。

贈呈登録契約だけでもしておくべきです。

義援金も60000000000円集まっている赤十字の大河の一滴になるより, 自分が縁があって支援したい避難所(自宅避難民地域)に募金する方が、支援した実感も湧くため支援しがいもあり、確実に多くの募金が集まります。

これを“今”やることで、被災者が生活を取り戻し、前を向いて歩いていこうとしたときの資源(電化製品、義援金)を確保することができるのです。

また自分達が支援されているという実感も湧きます。

こうした支援は必ず被災者の“希望”になるはずです。
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(早稲田大学大学院商学研究科MBA講師 西條剛央 Twitter(saijotakeo))

※この原稿は、早稲田大学大学院商学研究科MBA講師 西條剛央さんにご寄稿いただきました。
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記者:

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