東京23区 自治体の家賃補助・住宅購入サポート制度 2015年度版
自治体が行う住まいへのサポート事業は、家賃補助や転居費用の助成などさまざま。他エリアからの転入を促すものと、逆に転出を防いで定住を促すものの両方があるようだ。東京23区の住宅支援策をチェックしてみよう。
転入者は大歓迎!他エリアからの転入者も利用できる助成制度
人口減の将来像に危機感を抱く自治体が増えるなか、住まい関連の助成事業にチカラを入れる地域も増えてきている。日本各地でさまざまな施策が打ち出されているが、今回は東京23区の今年度事業の中から、新婚やファミリー世帯を対象としたサポートを中心に紹介しよう。まず他エリアからの転入者も利用できるサポート事業をみていこう。
○大田区 「区民住宅(中堅所得層ファミリー世帯向)入居者募集」
大田区では、これまでファミリー向け「区民住宅」への家賃減額制度を実施してきたが、平成26年12月からは対象者の条件が緩和されて利用しやすくなった。
対象は中学生以下の子どもがいる「子育て世帯」、婚姻3年以内で夫婦どちらかが35歳以下の「新婚世帯」、親子孫で同居する「三世代同居世帯」のいずれかで、家賃から3万円もしくは5万円が減額される物件がある。あわせて駐車場料金の減額物件もあるので、募集情報をチェックしてみるといいだろう。また、区民住宅は礼金、仲介手数料、更新料が不要な点も利用者にはうれしいポイントだ。
○板橋区 「区立住宅 新婚・子育て支援制度」
板橋区では、区が民間賃貸住宅を借り上げる「区立住宅」への家賃減額を行う制度を実施中。婚姻3年以内の新婚または小学生の子どもがいる子育て世帯が対象で、最大で毎月4万円を最長3年間にわたって支援する。例えば2DKの部屋が5万6300円から借りることができ、3年間で最大144万円の支援が受けられる計算になる。区立住宅も礼金、仲介手数料、更新料不要だ。
○豊島区 「子育てファミリー世帯への家賃助成制度」
豊島区では、15歳以下の子どもがいる世帯が豊島区内の民間賃貸住宅への転居&転入する場合、区の定める基準家賃との差額分を毎月1万5000円(4年目からは1/2)、児童の年齢が15 歳に到達後の最初の年度末まで助成を行っている。所得制限や、家賃15万円以下の住宅など、いくつかの条件もあるがチェックしてみる価値はあるだろう。
○北区 「三世代住宅建設助成」「親元近居助成」
北区では、親子孫など三世代で住むための住宅を北区内に建設する場合に、一戸当たり50万円の助成が受けられる「三世代住宅建設助成」を実施中。着工前に手続きを行うことが必要で、省エネ住宅ポイントとの重複は受けられないが、住まいを建てる計画のある方は早めに詳細をチェックしよう。一方、「親元近居助成」は、北区内に10年以上住んでいる親世帯と近居するために、北区内に住宅を購入するファミリー世帯に対して建物の登記費用の一部(上限20万円)を助成するもの。子世帯は他エリアからの転入でも構わない。長〜く住んで欲しい! 3世代一緒に住んで欲しい! 定住促進の助成制度
一方、現在住んでいる区民に長く住み続けてもらうための「定住推進」を目的としたサポート制度も多い。親子または3世代での同居・近居をサポートするための制度や、住宅の購入を支援する制度もある。世代を超え、できるだけ長く住み続けて欲しいという願いの表れともいえそうだ。
○目黒区 「ファミリー世帯家賃助成」
目黒区の「ファミリー世帯家賃助成」は、区内に1年以上居住していて18歳未満の子どもがいる世帯が対象で、毎月2万円を最長2年間家賃助成する制度。募集予定は90世帯で、募集期間は平成27年7月1日~7月21日なので、応募忘れがないように注意!
○千代田区 「次世代育成住宅助成」
千代田区の「次世代育成住宅助成」は、新婚・子育て世帯を対象としており、住宅は民間賃貸&マイホーム購入のどちらでもOK。対象は以下のいずれかで、毎月の助成額は最高で8万円と高額。最長で8年間、1年ごとに助成額が減少する方式だ。
1)親元近居助成…5年以上千代田区内に住んでいる親がいる新婚&子育て世帯が転入or転居するケース
2人世帯…1年目4万円、2年目3万6000円、3年目3万2000円
4人世帯…1年目6万円、2年目5万4000円、3年目4万8000円
2)区内転居助成…千代田区内に1年以上住んでいる子育て世帯が区内で転居するケース
2人世帯…1年目2万円、2年目1万8000円、3年目1万6000円
4人世帯…1年目4万円、2年目3万6000円、3年目3万2000円
○北区 「ファミリー世帯転居費用助成」
北区では、区内の民間住宅で1年以上暮らす子育てファミリー世帯が、区内の民間賃貸住宅に転居する場合に礼金・仲介手数料を合計30万円まで助成する「ファミリー世帯転居費用助成」を実施している。
○世田谷区 「せたがやの家(ファミリー型)子育て世帯家賃助成」
世田谷区では、中堅所得層のファミリー世帯向け賃貸住宅「せたがやの家」に新しく入居する世帯へ、最大で月額4万円(最長5年)の助成を行っている。対象は18歳未満の子どもがいる世田谷区民、所得が一定基準以下という条件がある。「せたがやの家」は民間住宅を「一般財団法人世田谷トラストまちづくり」が一括借り上げしてファミリー世帯に賃貸する住宅で、3LDKタイプなら家賃10万円台前半の物件が多い。また、礼金・手数料、更新料は不要だ。ただし一括借り上げ期間が残り少ない物件もあるので、詳細は下記サイトを確認しよう。
○品川区 「親元近居支援事業」
品川区では、親世帯と近居または同居することになったファミリー世帯に、転入・転居費用の一部を「三世代すまいるポイント」として交付(ポイントは協賛企業の品物と交換)。1ポイント1円で、上限は10万ポイント。転入・転居の翌月から3カ月目の末まで申込ができ、その他にも要件がある。
このように東京23区内でもサポート制度の内容には違いが大きいもの。定住促進を打ち出す自治体はほかにもたくさんあるので、気になる街の自治体ホームページ情報はしっかりとキャッチしておこう。ただし、ホームページでの情報発信や編集方法は自治体によってさまざま。意外と見つけにくいページに載っていることもあるので、見落とさないようにじっくりチェックしたほうがいいだろう。
※それぞれの助成制度にはさまざまな条件や予定枠があります。詳細は各自治体に確認をしてください
元記事URL http://suumo.jp/journal/2015/06/09/91788/
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