『Xファクター』敗者が“歌声いじられた”として番組制作側を告訴
人気オーディション番組『Xファクター』に出場した女性サリー・ヘスニス(Sally Hessnice)が5月22日、同番組を制作するFremantle、Syco、Blue Orbit各社を相手取り、ロサンゼルス上位裁判所に訴訟を起こした。ハリウッド・リポーターが伝えている。
2013年5月に観客の前でパフォーマンスし、オーディションを受けた彼女。申し立てによると、番組のプロデューサーたちが彼女の歌を下手に聞こえさせるよう、収録した音に小細工をしたというのだ。この模様はアメリカで同年9月にオンエアされているが、英米で放映したテレビ局(ITVとFox)に対しては訴えを起こしていない。
訴状には「オーディションが次のように改ざんされていた」としている。
a)原告の声(音程、リバーブ、声の滑らかさなど)が、かん高い声で素人っぽく聞こえるようにいじられた。
b)観客のポジティブなリアクションが、無関心そうな観客の映像に差し替えられた。
c)原告に向けた審査員たちのコメントやリアクションが、ネガティブな反応に見せるために(原告のいないところで)撮り直された。
さらには、「加えて、ステージ監督が原告にステージ全体を歩くよう促した。原告はオーディションの最中、ステージ床のいたる所が柔らかくなっていることに気付いた。これは、被告側が彼女のパフォーマンスを妨害するために意図的に行ったもので、オーディションの結果は予め仕組まれていた」と続く。
果たして告訴する程のものなのか気になるところだが、審査員のサイモン・コーウェルが彼女の気持ちを傷つけただけではないようだ。彼女はプロの歌手だといい、“プロとしての評判が取り返しのつかないほど傷つけられた”と主張。また、“知性・技能・可能性を競う誠意あるコンテストにおいて、その結果を事前に決めるために策略を図ること”を禁じた連邦法に反するとも述べている。
彼女は精神的苦痛・名誉毀損・誤認を抱かせたプライバシー侵害を意図的に課したとして、200万ドル(約2億4,000万円)の損害賠償、制作者側との契約の無効、被告に対する自身のオーディション映像の使用禁止命令を求めている。
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