上川陽子・法務大臣定例会見「児童ポルノ法に関してはホームページで周知徹底していく」(2015年5月12日)
2015年5月12日9時頃より法務省で開かれた上川陽子法務大臣の記者会見で、児童ポルノ禁止法に関連する質問をすることができました。ここではその部分を抜粋して紹介します。
※詳細な大臣発言・質問・議事録は、法務省ホームページにてご確認下さい。
児童ポルノ法に関する質問(抜粋)
ーー本日は児童ポルノ禁止法に関していくつか質問させて頂きます。4月に山田太郎参議院議員が政府に対して、質問主意書を出されるかと思いますけれども、その内容について、大臣自身が把握されているのか、というのが一点。
次に、特に単純所持について特にネットでは若い層から心配する声が上がっていますが、どのような告知・啓発を行うのか、教えて頂ければと思います。
上川大臣:まず一点目の質問、趣意書ということでございますが、これは閣議に向けられたものでございまして、当然のことながら把握しております。
それから二点目の単純所持ということにつきましての、これからの広報活動のことでございますけれども、今回の児童ポルノ禁止法ということでございますけれども、特に定義・規定についてしっかりと書き込むことが大きな内容になろうかと思います。ここで読み上げるまでもございませんけれども、中身はその点に関して、それに対してバイオレントすることがあれば、しっかりと処罰するということでございます。
それで、この初期の活動につきましても、こうした改正点をしっかりご理解頂くとともに、その拠り所の禁止法の趣旨をしっかりとご理解頂いて、そしてさまざまなご懸念という意味では、表現の自由との関係がどうかということにつきましては、この間の議論の中でもございました。そういったことからも、法律の趣旨、実際にどういうところが問題なのかということについて、よくご理解して頂いて、そして対応して頂くことになろうかと思います。
今回はこの禁止法の内容につきまして、改正の経緯、単純所持罪の説明等につきましては 法務省のホームページに掲載するということで迫りたいと思っておりますので、それで周知徹底をして参りたいと考えております。
ーーすいません、続けてなのですけれども、2013年に当時の谷垣大臣に質問させて頂いた際に、児ポ法に関して「実在の子どもの人権を阻害されない目的での制定で、アニメ・マンガなどのコンテンツの表現については、否定する法ではない」というようなお答えを頂いているのですけれども、それが現在でも変わらないのか、確認させて頂ければと思います。
上川大臣:当時、谷垣大臣が児童ポルノ禁止法の発案者、実際の立法者の対応、活動なさっていたこと、私もその問題に参加させて頂いておりますが、今回もその趣旨に照らしてご発言されたことについては、変わらないというふうに考えております。
「ホームページでの掲載」の詳細や時期は明言せず
2015年7月に改正された児童ポルノ法。2015年4月には日本を元気にする会所属の山田太郎参議院議員が、「改正児童ポルノ禁止法施行に関する質問主意書」を提出。山田議員はその答弁書についても公開しており、「ずさんな内容」と批判しています。
※参考 「児ポ法への質問に対する答弁書」ずさんな内容とは【第35回山田太郎ボイス】
http://taroyamada.jp/?p=7070 [リンク]
現状では、法務省サイトのトップには児ポ法に関しての説明ページへのリンクなどがないため、上川大臣の発言からして啓発のためのページの制作などが図られるものと見られますが、詳細や時期については明言されませんでした。
また、2013年6月に、谷垣禎一法相(当時)が会見にて、「実在の子供の人権を阻害してはいけないという考え方で作りましたので、児童ポルノ、特にコミックスのようなものについては、この法は否定しておりません」と発言したことに関して、上川大臣は「立法時の趣旨に照らして発言されたことについては変わらない」と述べています。質問では、アニメ・マンガなどのコンテンツの表現について触れていますが、それに関して明言を避けるあたり、慎重な発言に終始されたという印象を受けました。
※参考 谷垣禎一・法務大臣定例会見「児童ポルノ法でコミックスについては否定していない」(2013年6月21日)
https://getnews.jp/archives/365137 [リンク]
乙女男子。2004年よりブログ『Parsleyの「添え物は添え物らしく」』を運営し、社会・カルチャー・ネット情報など幅広いテーマを縦横無尽に執筆する傍ら、ライターとしても様々なメディアで活動中。好物はホットケーキと女性ファッション誌。
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