新聞の代わりに「iPad」を無料で貸し出す「カフェ」登場

croatia.jpg

 慌しく日々を送るビジネスマンには、カフェも重要な仕事場だ。熱くて濃いコーヒーで頭を回転させつつ、足を組み、最新の新聞で世の中に関する情報を収集する――。それは世界中どこであろうと、カフェに溢れている光景である。だが、東ヨーロッパの国・クロアチアのある町で広がっている光景は、ほかとは少しばかり違う。ビジネスマンたちがコーヒーを飲みながら熱心に読み込んでいるのが、iPadなのである。

 クロアチアンタイムズ紙の報道によると、クロアチア南部のスプリトで、一部カフェが利用客に無料でiPadを貸し出すサービスを始めたという。客たちはiPadを使い、最新のニュースやウェブサイトを閲覧できるのだ。これらのiPadにはセキュリティ対策として、iPadを持ってテーブルを離れようとすると即座にアラームが鳴る機械装置が取り付けられているという。

 クロアチアの観光地区ではもともと、ほとんどのカフェに無料で読める新聞が置いてあった。地元紙だけにかぎらず、なかにはイギリスの新聞を置くカフェもあるくらいだ。このカフェの広報を担当するジョスコ・パラダ(Josko Palada)氏は「僕らはいつだって近代的なコーヒーショップであり続けてきた。新聞はもう古く、お客さん方はもっと最新のものが見たいだろうと思ったのさ。今のところ評判はとてもいいよ」と話す。

 英テレグラフ紙でもこのことが報道され、記事のコメント欄にはさっそく「すごくいいアイディア! イギリスでもやってほしい」「俺は新聞のほうがいいな。カフェとかで機械を眺めるなんて味気なさすぎる」と賛否両論が集まった。なかには「ニンテンドーのDS置いたほうが感謝されるんじゃない? もしスプリト用のスクリーンがあればだけど」という、日本人にはちょっと誇らしいコメントも。

 店側としては、毎日新しい新聞を仕入れなくていいぶん便利なのかもしれない。日本のカフェでこのような動きが広まるかは不明だが、煙草が禁止になり、パソコン持込やiPad閲覧がごく当たり前になりと、「カフェの光景」が世相を反映して変化し続けていくことは間違いなさそうだ。

<カフェを取り上げたクロアチアンタイムズ>
iPad offered for free instead of newspapers in a Croatian coffee shop

(古川仁美)

【関連記事】
子どもが学校をサボったら、親は「運転免許」を失う?
あと50年で煙草は消滅する? 英アナリストの驚くべきレポート
イギリスを震撼させた”人食い”に終身刑

  1. HOME
  2. エンタメ
  3. 新聞の代わりに「iPad」を無料で貸し出す「カフェ」登場
  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。