“泣き顔写真集”著者来日! どうして「泣き顔」がブレイクしたのか?

“泣き顔写真集”著者来日! どうして「泣き顔」がブレイクしたのか?

 世界中から集まった子どもたちの泣き顔。理由は「それは仕方がない…」というものから「えっ、そんなことで!?」と思ってしまうものまでさまざま、子どもの表情の豊かさに、ちょっと笑えて、ちょっと愛しく思えてしまう写真集が登場した。
 それが『うちの子が泣いてるワケ』(グレッグ・ペンブローク/著、波田孝介/翻訳、新潮社/刊)だ。

 アメリカ在住のコピーライターであるグレッグ・ペンブロークさんが多機能型SNS「Tumblr」に掲載した子どもの泣き顔写真が話題となり、世界中から訪問者が殺到。各国で書籍化され、ついに日本版が登場した。
 グレッグさんは2人の息子を持つ良きパパ。本作はグレッグさんの息子たちをはじめ、愛らしい子どもたちの泣き顔写真がギュッと詰まっているほか、日本語版限定のスペシャル企画も収録されている。

 今回、新刊JPは来日したグレッグさんにお話をうかがうことができたので、そのインタビューをお伝えする。その後編だ。
(インタビュー・構成/金井元貴)

■「分かち合える2人の息子を誇りに思うよ」

――子どもたちの泣き顔だけの写真集ということで、いろんな表情があるなかでどうして「泣き顔」にここまで共感が寄せられているのでしょうか。

グレッグ:Facebookに並ぶのはほとんどが笑顔の写真だ。だから、自分以外の人はみんな完璧な人生を送っていると思えてしまうし、逆に自分の人生は何も上手くいっていないと感じてしまうかもしれない。でも、泣き顔は、普通は表に出てこないような部分――悩みとか、怒りとか、そういったものを感じさせてくれるんだ。そこが共感を得られたポイントだと思うよ。

――グレッグさんの2人のお子さんは5歳と3歳だそうですが、やんちゃの盛りですよね。

グレッグ:そうだね。ありがたいことに以前ほどは泣かなくなったけれど、とても繊細なんだ。だから、まだよく泣いているよ。最近はレゴブロック遊びにはまっているけれど、上手くいかないと泣いてしまうね。今は遊び道具が最大の悩みだよ(笑)。

――2人はグレッグさんにとって自慢の息子たちであり、誇りであると思います。彼らの一番好きなところはなんですか?

グレッグ:一番好きなところは「分かち合う」ことができるところだね。2人は年齢が近いから一緒に遊ぶんだけど、私が別の部屋にいると、彼らは2人で遊び方を教え合ったりしているんだ。その様子を見ると、幸せになるよ。

――2人にはどんな大人に育ってほしいですか?

グレッグ:一番大切だと思うことは、優しさと他人に共感できることだ。それは運動や勉強ができることよりも大事なことだと思っている。子育てにおいても、絶対に子どもに許さないのは他の子をいじめたり、ぞんざいに扱うことだ。

――将来子どもに読ませたい本はありますか?

グレッグ:最近読み返してみて良い本だなと思ったのが『ヒッチハイカーズ・ガイド・トゥー・ザ・ギャラクシー』(邦題『銀河ヒッチハイク・ガイド』)という、ダグラス・アダムスのユーモアに富んだSF作品だね。他の宇宙人から私たち地球人を見たとき、日々の行動がどのように映るのか描いていて、とても面白いんだよ。だからぜひ子どもたちにも読んでほしいな。

――『うちの子が泣いてるワケ』が出版されて、グレッグさんにはどんな反響が届いていますか?

グレッグ:まったく予想外だったのは、読者の親たちから、この本に載っている子どもたちの泣き顔を見せて、「この子、泣いちゃっているけど、どうすればよかった?」ってしつけに使っているという声が届いたんだよ。それは意外だったね。
また、偶然分かったんだけど、私の子どもたちは他の子どもたちの写真を見るのがすごく好きなんだ。次男のチャーリーが、メールチェックをしている私の横に来て、「この子、なんで泣いているの?」と聞いてくるから、その理由を教えると「ぜんぜん良い理由じゃないね」ってね(笑)。たまにチャーリー自身が泣いている写真が出てくるけれど、「いい理由だと思う?」って聞くと、彼は「そんなことない」って答えるんだ。面白いよね(笑)

――すごく難しいですね(笑)。では、泣き顔の理由で特にお気に入のものはなんですか?

グレッグ:これは聞かれるたびに答えが変わるんだけど(笑)犬が寝転がっているせいでイスを押せなくて泣いているという理由かな。この写真は好きだね。あとは、同じ理由で泣いている子どもたちが隣り合わせで出てくる日本語版の特別ページも好きだよ。

――ではインタビューの読者の皆さんにメッセージをお願いします。

グレッグ:子育ては、腹が立ったり大変だったりといろいろな面があると思うけれど、あらゆる面を楽しむと良いと思うね。大変なときにも気を楽にするんだ。10年後、15年後経ったときに、このシーンを懐かしく思い出すんだろうなと思ったら、きっとこの瞬間を楽しもうと思うよ。完璧な子育てなどないのだから、あまり思い詰めないで楽しんでほしいね。

(了)

■グレッグ・ペンブロークさんプロフィール
アメリカのコピーライター。ニューヨーク州ロチェスター在住。2児の父。ブログサイト「Tumblr」に自身の子どもの泣き顔写真とその理由を投稿するプログを開設したところ、世界中から写真が投稿されて話題に。それらをまとめた写真集『うちの子が泣いてるワケ』(Reasons My Kid Is Crying)はアメリカ、イギリス、ドイツで発売され、反響を呼んだ。(新潮社ウェブサイト内書籍ページより引用)
Reasons My Son Is Crying


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