産後クライシスのリアル 「夫を愛していると実感する」妻は70%から40%に減少する
3月25日に最終回を迎えるドラマ『残念な夫。』は、コメディでありながら、「産後クライシス」をテーマにしています。温かく明るい家庭を築こうと結婚した、陽一(玉木宏)と知里(倉科カナ)の夫婦が、妻の出産を機にギクシャクしていき、ついに離婚の危機に……というストーリー。脚本の山崎宇子氏、阿相クミコ氏はどんな結末を描いたのか? 気になる人は、同日に発売される沢村光彦氏によるノベライズを先に読むのもアリかもしれません。
産後クライシスという言葉は、タレント・スザンヌさんと、福岡ソフトバンクホークス元投手・斉藤和巳さんの離婚でも話題になりましたが、初めての出産で戸惑いながら育児をする妻と、その気持ちがわからない夫の間で起こる、夫婦の問題を指すもの。
妊娠や出産について情報を発信する「出産準備サイト」では、発達心理学者でこの問題の調査・研究を行っているお茶の水女子大学の菅原ますみ教授に話を聞いています。教授はベネッセと共同で全国の第一子・ひとりっ子を持つ夫婦世帯を対象に、アンケートを実施。その中で「配偶者といると本当に愛していると実感するか」を聞いたところ、多くの夫婦が愛情の減少を感じていました。残念なことではあるものの、このこと自体は、単に愛情の低下傾向と分析できます。けれど、ここで注目すべきは、夫への愛情を実感する人の割合が、産後”急激に”減ることなのだそうです。
「出産準備サイト」には、調査結果も掲載されていますが、妊娠中に「夫を愛していると実感する」とした妻は、70.9%なのに対し、出産後には40.4%に急落。子どもが2歳になるころには22.7%にまで下降しています。教授は「これは心理学的に見ても通常ありえない数字」と解説。一方、夫は妻の妊娠中の73.0%から、産後62.6%、2年後43.1と、だいたい1年で10%ずつ、その割合が減っています。
そんな妻の心境の変化に気づかない “残念な夫”たち。これがこの問題の最大の特徴なのだそうです。
育児に関心をもち、積極的に子どもの世話をしたり、一緒に遊んだりする男性も年々増えているようですが、肝心なのは産後の妻を思いやることなのかもしれません。もちろん、妻のほうも夫に自分の気持ちをわかってもらえるよう説明したり、具体的にどんなことをしてほしいかきちんと伝えたりすることも大事でしょう。お互い産後クライシスに陥らない方法を夫婦間で考える――そんなカップルを目指したいものです。
【関連リンク】
“残念な夫”が招く? 「産後クライシス」を回避するには――出産準備サイト
http://baby.mikihouse.co.jp/information/post-3101.html
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