犬も高齢化「老犬介護」のポイントは
愛犬が快適に過ごせる環境を工夫して整える
超高齢化社会の日本。人間だけではなく犬たちも寿命が延び、最近では老犬との生活や介護に関する本が多く出版されたり、「老犬教室」を開いたりするインストラクターもいます。また、岐阜県高山市には老人ホームならぬ「老犬ホーム」も誕生しました。飼い主としても、愛犬が老犬になったときのことをしっかりと考えておきたいものです。
私が以前のパートナーを見送ったときは、犬用のオムツもなく、歩行用の補助具などもありませんでした。しかし、人間の赤ちゃん用のオムツを工夫してあてたり、ビニールシートを敷いて掃除しやすくしたりと、犬の状態を見ながらどうしてあげたら良いのかを常に考えて試行錯誤しながら世話をしていました。
やはり一緒に生活しながら、その子が快適に過ごせる環境を工夫して整えていくことが大切です。例えば、家の中の高い段差には低い階段をつけたり、スロープにしてみたり。また、よろけてぶつかったときに怪我をしないように家具の角のあたりにクッションを置いてみたり、小型犬の飼い主の中には、子ども用のビニールプールを活用している人もいます。
軽いお散歩や、簡単なエクササイズなどで心地良い疲れを
老犬になると、体や行動にも変化が現れてきます。人間同様、耳が遠くなったり、白内障などで目が見えなくなったり、ほとんど寝てばかりだったり…。今までできていたことができなくなったりもしますので、そんなときにも、「聞こえにくいのかな?」「見づらいのかな?」「動きづらいのかな?」と気にかけてあげましょう。
ただ、昼間に寝てばかりいると、昼夜逆転して夜なかなか寝つかなかったりしますので、昼間は今まで通り軽いお散歩や、簡単なエクササイズや脳トレ遊びなどをして心地良い疲れを感じられるようにしてあげてください。
最期のその日まで、愛犬が喜ぶことをしてあげる
要求吠えが増えてくるのも老犬にはよくあることですが、その場合は、子犬のころのトレーニングのように無視するのではなく、できるだけ早く何を要求しているのかに気づいてあげたり、応えてあげられる要求であれば聞いてあげたりすることも大切です。
特に、排泄のサインはしっかりと聞いてあげて、できるだけ早く不快な症状から解放してあげましょう。また、淋しくて呼んでいるときはしばらくそばにいてあげたり、食べ物を欲しがって鳴き続けるときは、10回ぐらい与えて「おしまい」にしたりして、少しだけ要求を叶えてあげて納得させるようにしましょう。
もし寝たきりになってしまった場合は、床ずれにならないように定期的に寝返りを打たせることも必要です。そして、寝たきりだからといって家に閉じこもりっぱなしにさせないで、カートに乗せてお散歩に連れていったりしてリフレッシュする時間を作ってあげましょう。
最期の日まで、その子が喜ぶことをできる限りしてあげられる飼い主でいたいものです。
(洲崎 ゆかり/ドッグトレーナー)
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