意欲作が集結! 若手アニメーター育成事業「アニメミライ 2015」
アニメミライ2015
文化庁の委託事業として展開されている、若手アニメーター人材育成事業「アニメミライ」。その第5回目となる平成26年度の対象作品が完成、3月16日(月)に関係者向けの発表会が行われた。
アニメミライは、アニメ業界における製作費の縮小やスケジュールの悪化、海外発注の定例化によって、先輩から後輩への指導機会が失われることを背景にスタート。毎回アニメ制作会社4社を選定し、作品制作を通じたOJTによる人材育成や、若手の作品発表機会の確保、各種講座やフォローアップを目的としている。
2011年の第1回からこれまでに、今年続編が劇場公開予定の『リトルウィッチアカデミア』(2013年)や、同じく1月からテレビシリーズ(『デス・パレード』)が放送中の『デス・ビリヤード』(2013年)などを輩出。現代のアニメシーンにおいて、確かな足跡と成果を残している。
「アニメミライ 2015」対象作品
アキの奏で
『あの夏で待ってる』『selector infected WIXOSS』などで知られるJ.C.STAFFが制作した『アキの奏で』。プロの太鼓奏者として活動しているアキが、15年ぶりに復活する故郷の太鼓祭りへの参加をきっかけに、上京者特有のコンプレックスと向き合っていく。
映像的な見どころはやはり太鼓の演奏シーン。作画スタッフからも難しかったという声が上がっていたが、作品の魅力を最も感じられるシーンであることは間違いないだろう。
スタッフ
監督:鈴木洋平
演出・コンテ:石田美由紀
作画監督・キャラデザイン:八重樫洋平
作画監督補佐:梶谷光春
若手原画:佐藤嵩光、奥谷遥、小松沙奈、前田ゆり子、中田久美子、泉しづか
中堅原画:坂本哲也、森七奈
動画チェック:五十川綾子
美術監督:髙野真希(※髙は旧字)
色彩設計:小島由佳
撮影監督:間中秀典
プロデューサー:松倉友二
制作プロデューサー:藤代敦士
キャスト
宮川アキ:佐藤利奈
吉岡道夫:浜田賢二
音楽
音楽:高山英丈
音楽制作:飯島弘光“IRAM RECORDS.,LTD”
ハッピーカムカム
観てほっこりしそうなハートフルコメディを制作したのは、主に子供向けアニメ番組を手がけているSynergySP。注文したメイド型ロボットとは異なる、母ちゃんロボット・ヨシコが届いたことに戸惑うひろし。実の母親にはなかった愛情を有するヨシコとの暮らしを通じて、ひろしの心が徐々に変化していく。
『ちびまる子ちゃん』の声優として知られるTARAKOさんが、原作・脚本、そして音響監督まで担当している。
スタッフ
原作・脚本:TARAKO
監督・絵コンテ・演出:須田裕美子
キャラクターデザイン・作画監督:荒牧園美
作画監督補佐:島崎知美
若手原画:鈴木久美、針生愛里、大川美穂子、中澤真琴、渡辺まゆみ、松本淑恵
中堅原画:久保川美明、船塚純子、森亜紀子、萩原しょう子、丹羽恭利、太田恵子、蔭山武彦
動画チェック:蔭山武彦
色彩設計:大野嘉代子
編集:小野寺桂子
制作プロデューサー:三浦俊一郎
演出補:羽鳥潤
制作担当:藤原和博
プロデューサー:早船健一郎 阿久澤洸太郎
キャスト
渡辺菜生子
森屋正太郎
会一太郎
荒嶽恵
音楽
音楽:早川入
音響監督:TARAKO
【次のページ】音楽を題材にしたアニメから、台詞なしの意欲作まで登場!
音楽少女
『音楽少女』は、もともと音楽レーベル・Cosmic Recordが展開していたキャラクターソング・音楽CDプロジェクトのアニメ化。制作は『うる星やつら』『めぞん一刻』『らんま1/2』といった高橋留美子作品や、最近では『桜Trick』『ログ・ホライズン』(第2シーズン)などを手がけるスタジオディーン。
ハイテンション転校生・千歳ハル、スーパーインドア派少女・熊谷絵里、歌が好きな2人が音楽に青春を燃やす美少女モノ。キャストを務める沼倉愛美さんと瀬戸麻沙美さんによる歌唱シーンは、音楽プロジェクトならではのすごみが感じられる。
スタッフ
監督:石倉賢一
キャラクターデザイン・作画監督:まじろ
キャラクター原案:QP:flapper
脚本:山田花名
若手原画:杉田柊、高野菜央、伊藤幸、小島絵美、太田衣美、峯友則
中堅原画:新里りお、橘正紀
動画検査:坂本豊
プロップデザイン・作画監修:河南正昭
美術監督:平柳悟
色彩設計:桂木今里
撮影監督:米澤寿
3DCG:今垣佳奈
編集:松村正宏
プロデューサー:浦崎宣光
制作担当:中田善文
制作進行:野崎久美子
キャスト
千歳ハル:沼倉愛美
熊谷絵里:瀬戸麻沙美
音楽
音楽:Taishi
音楽監督:野崎圭一
音響監督:本山哲
クミとチューリップ
テレビアニメの礎を築いた『鉄腕アトム』を生み出した手塚プロダクションが制作したのは、全編セリフなしという異色作。舞台は、科学が発達した人工物ばかりの未来世界。絵描きの老人と、人造花だらけのなか、一輪だけ息吹いた本物のチューリップの成長を見守るクミ。
2人の交流とともに、その後訪れる変化から、自然や人間同士の関係性の尊さを描いている。ちなみに本編では語られないものの、画家をはじめとしたキャラクターには、手塚治虫作品の登場人物の名前が付けられている。
スタッフ
総監督:手塚眞
監督:吉村文宏
キャラクターデザイン:杉野昭夫
作画監督:中村路之将
美術監督:河野次郎
作画監督補佐:瀬谷新二
若手原画:三浦菜奈、山田桃子、小橋弘侑、角谷知美、西村生美、小柏奈弓、小野玲奈
中堅原画:杉野昭夫、瀬谷新二、中村路之将
動画チェック:吉村昌輝、岡村隆(※「隆」ではなく旧漢字の「隆」)
プロデューサー:清水義裕、大石光明
音楽
音楽:服部隆之
若手アニメーター陣も手応えを実感!
スタッフ陣のコメントによれば、いずれの作品においても、各制作チームでは時間をかけたディスカッションが行われたという。
印象的な意見のなかには、「チームでつくっていることを改めて感じた」(原画)、「描いた人の顔がわかる貴重な体験」(撮影監督)、「原画から直接指導を受けられた」(動画)など、このプロジェクトならではの手応えを感じていた。
この4作品は、4月22日(日)の「東京アニメアワードフェスティバル」内での上映が決定しているほか、それを皮切りに読売テレビ、毎日放送、アニマックスなどでも放送予定。また4月からは劇場上映も決定している。テレビ放送、劇場上映の詳細は、公式Twitterで今後発表される。
引用元
意欲作が集結! 若手アニメーター育成事業「アニメミライ 2015」
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ウェブサイト: http://kai-you.net
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