12月10日発売のシャープの電子書籍端末『GALAPAGOS(ガラパゴス)』はAndroid端末ではない?

access_time create folderデジタル・IT
12月10日発売のシャープの電子書籍端末『GALAPAGOS(ガラパゴス)』はAndroid端末ではない?

シャープは11月29日、電子書籍サービス『TSUTAYA GALAPAGOS(ガラパゴス)』を12月10日から提供開始し、専用端末『GALAPAGOS』を同日に発売することを発表。都内で体験会を開催しました。Androidベースで開発されていることが知られていた同端末ですが、プレスリリースではOSについて「Linuxベース」と記載するのみ。通常のAndroid端末とは一線を画す形で販売されることになります。

電子書籍サービスは、新聞、雑誌、書籍など約2万冊をラインアップして開始します。無線LANに接続した端末に最新版が自動配信される『定期配信サービス』が特徴。2011年春には映像や音楽、ゲームなどのコンテンツ配信を予定しており、同社製スマートフォンからの利用にも対応を予定しています。

専用端末は、5.5インチディスプレーを搭載する『モバイルモデル』と、10.8インチディスプレーを搭載する『ホームモデル』の2種類。12月3日から予約受け付けを開始し、『モバイルモデル』は3万9800円、『ホームモデル』は5万4800円(いずれも税込み)で販売します。

芥川賞作家の平野啓一郎氏

体験会には、12月10日に新作『かたちだけの愛』(中央公論社)を書籍と『GALAPAGOS』向け電子書籍で同時に発売する、芥川賞作家の平野啓一郎氏が出席。自著の電子書籍化について「自然なことと受け止めている」と、多くの人が日常的にパソコンなどの電子文書に触れている昨今、自然な考えで電子書籍というフォーマットを選んだとのこと。今後の新刊も、書籍と電子書籍で刊行していく考えであることを明かしました。

片手で読める『モバイルモデル』

タッチ&トライコーナーで実機を触ってみました。『モバイルモデル』は片手で持てるスマートフォンサイズで、タッチパネル操作のほかに、トラックボールでページをめくるなどの操作が可能。通勤電車でつり革につかまりながら、片手で読むのにちょうどよい使用感でした。雑誌などはページを拡大して読むのがよさそうですが、小説などの活字媒体は文庫本感覚で読めそうです。

『ホームモデル』は雑誌が見開きで読めます

『ホームモデル』は、雑誌が見開きで読めるタブレットサイズ。1366×800ドットの高精細な液晶は視認性がよく、長時間読んでも疲れることはなさそうです。

『ホームモデル』はウェブブラウザも一覧性がよい

いずれもウェブブラウザと、SNS用アプリ『mixi for SH』『twit SH』を搭載。特に『ホームモデル』ではページの一覧性が高く、ウェブ用端末としても使いやすい印象でした。

説明員の方に、OSが「Linuxベース」とされている理由について質問してみたところ、Android OSをカスタマイズして開発しており、通常のAndroid端末とは異なることから、そのように表記しているとのこと。今後提供されるゲームなども、Androidアプリとして提供されるのではなく、『GALAPAGOS』の配信サービスから専用アプリケーションとして配信されるそうです。「Androidではありません」と宣言してしまうことで、OSのアップデートに悩まされることもなく、独自路線で端末を進化させていくことができる、ということでしょうか。シャープはアップルのように“クローズドな王国”を築くことができるのか、今後その成否が注目されます。

『GALAPAGOS モバイルタイプ』主な仕様
型名:EB-W51GJ-R/-S
ディスプレー:タッチパネル付き5.5型ワイドTFT液晶(LEDバックライト) 1024×600ドット 最大6万5536色
OS:Linux ベース
無線LAN:IEEE802.11b/g準拠(AOSS/WPS対応)
操作ボタン:電源キー、ホームキー、バックキー、トラックボール
カードスロット:microSDメモリーカード/microSDHCメモリーカード
サウンド:スピーカー(モノラル)内蔵
接続端子:ヘッドホン出力(φ3.5mmステレオミニジャック)×1、miniUSB(USB 2.0準拠、ACアダプター入力兼用)×1
バッテリー駆動時間:約7時間
バッテリー充電時間:約2.5時間
ACアダプター:AC100~240V、50/60Hz
温度/湿度条件:10~35℃、20~80%(非結露)
サイズ:約W92×D12.9×H167mm
重量:約220g
主な搭載機能:サービス直結型ホームアプリ『デスク』、コンテンツ管理アプリ『ブックシェルフ』、ウェブブラウザ、SNS対応専用アプリ『mixi for SH』『twit SH』、専用ゲーム集アプリ『Game Pack』
主な付属品:8GB microSDメモリーカード(試供品)、ACアダプター、USBケーブル
本体カラー:レッド系、シルバー系

『GALAPAGOS ホームタイプ』主な仕様
型名:EB-WX1GJ-B
ディスプレー:タッチパネル付き10.8型ワイドTFT液晶(LEDバックライト) 1366×800ドット 最大6万5536色
OS:Linux ベース
無線LAN:IEEE802.11b/g準拠(AOSS/WPS対応)
操作ボタン:電源キー、ホームキー、バックキー
カードスロット:microSDメモリーカード/microSDHCメモリーカード
サウンド:スピーカー(モノラル)内蔵
接続端子:ヘッドホン出力(φ3.5mmステレオミニジャック)×1、miniUSB(USB 2.0準拠、ACアダプター入力兼用)×1
バッテリー駆動時間:約10.5時間
バッテリー充電時間:約7時間
ACアダプター:AC100~240V、50/60Hz
温度/湿度条件:10~35℃、20~80%(非結露)
サイズ:約W177×D14.7×H286mm
重量:約765g
主な搭載機能:サービス直結型ホームアプリ『デスク』、コンテンツ管理アプリ『ブックシェルフ』、ウェブブラウザ、SNS対応専用アプリ『mixi for SH』『twit SH』、専用ゲーム集アプリ『Game Pack』
主な付属品:8GB microSDメモリーカード(試供品)、ACアダプター、USBケーブル
本体カラー:ブラック系

■関連記事
MADまで登場! OSをアップデートしない『IS01』に総統閣下がお怒りのようです
シャープ製スマートフォンは『GALAPAGOS』のコンテンツ配信サービスに接続へ スマートフォン事業説明会を開催
【CEATEC JAPAN 2010】注目のAndroid電子ブック端末『GALAPAGOS』をシャープが出展
シャープの電子ブック配信サービスが12月スタート 専用タブレット端末『GALAPAGOS(ガラパゴス)』も同時に発売へ
文庫本サイズ ソニーから紙のように読みやすい電子ペーパー採用の電子書籍リーダー2機種発売へ

  1. HOME
  2. デジタル・IT
  3. 12月10日発売のシャープの電子書籍端末『GALAPAGOS(ガラパゴス)』はAndroid端末ではない?
access_time create folderデジタル・IT

shnsk

宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます

ウェブサイト: http://mogera.jp/

TwitterID: shnskm

  • ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
  • 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。