大学に『Twitter』学科!? イギリスで話題騒然
2009年9月、イギリスのバーミンガム・シティ大学メディア学科(Birmingham City University/以下、BCU)の修士課程に、ソーシャルメディアコースが新設されるそうです。メディアを研究する大学・大学院は数多くありますが、ソーシャルメディアを専門にする大学院なんてもしかして世界初?
BCUのきわめてチャレンジングな試みに、イギリス内メディアでは激しい議論が持ち上がっているようです。そこで、各ニュースサイトの反応を、超意訳見出し付でさらっとレポートしてみました。
「大学がFacebookとかTwitter、Beboなんかを研究するらしいで」(Telegraph UK)
「学費£4400の修士課程はブログやポッドキャストの立ち上げ方法も教えてくれる」といきなりひやかし気味に始まるこの記事では、「すでに多数の希望者から問い合わせが来ている」などと大学側のポジティブなコメントを紹介していますが、最後にバーミンガムの学生コメントでピシャリ。「そんなもの、自分で勉強できることばっかりだよ」。(£4400は1£=142円で約63万円、2009年4月現在)
「Twitter修士号の何があかんねん?」(The Register)
「みんなはブログを作る修士課程だと思っているけどそうじゃないんだ」と、指導教官Jon Hickman氏の反論コメントから始まるこちらの記事では、今なぜこのコースが必要だと考えられて開設されたのか、Web2.0的な背景も含めてていねいにフォロー。しかし、Hickman氏は「研究者というよりはエバンジェリスト」と評し、「卒業生はWeb2.0マーケティングの仕事に就いた後にSNSバブルがはじけるかもね」と締めくくるなど、結局は懐疑的なスタンス。
「バーミンガム・シティ大学はソーシャルメディアコースに関する議論を歓迎」(Birmingham Post)
こちらは地元紙の報道。新コース開設に関するオンラインでの厳しい議論を、大学が好意的に受け止めていることを伝えています。デジタル時代のためのメディア研究の最先端となるソーシャルメディアコースになると考える大学側のコメントを紹介するなど、やや好意的な論調です。
「ソーシャルメディアコース、Twitter上で防衛中」(Guadian.co.uk)
激しいメディア批判にさらされるBCUの研究者たちが『Twitter』上でのメディアからの質問などに回答していることを報道。また『Telegraph』が報じた「大学のお金のムダ」とコメントした学生については、大学には報告されていないと報じています。ちなみにHickman氏の『Twitter』を見ると「メディアからのメールが多くて返事できていないけど待ってください」とコメントがありました。それにしても、さすが『Twitter』学部と揶揄されるだけあって、先生方も『Twitter』教授ですね。オンラインでの議論、まだまだ続きそう?
というわけで、『Guardian』などのクオリティペーパーを除くと、「『Twitter』学部って何やねん」的に辛口批判するメディアが多いようです。ちなみに、先月末にイギリスでは、小学校で『Twitter』と『Wikipedia』の使い方を教える授業をカリキュラムに加えるという計画が持ち上がり話題になったばかり。かつて「太陽の沈まぬ国」を築いた大英帝国、小学校から大学まで学校でウェブ教育をすることで、ウェブから世界制覇を目指すつもりかもしれませんね(そんなわけないですけど)。このニュースの元記事はこちら。
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京都在住の編集・ライター。ガジェット通信では、GoogleとSNS、新製品などを担当していましたが、今は「書店・ブックカフェが選ぶ一冊」京都編を取材執筆中。
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