ヴィン・ディーゼルが“最強MIXテープ”を作るなら? 『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』ロングインタビュー

グルート

先日発表された、雑誌「映画秘宝」でも「2014年ベスト映画」に選ばれ、筆者個人的にも昨年激推ししていた映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』。現在『MovieNEX』が好評発売中です。

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今回ガジェット通信ではヴィン・ディーゼルのインタビューを入手! “宇宙一優しい木”ことグルートを演じた彼の作品への想いが伝わる言葉達にジーン。さらに「あなたが“最強MIXテープ”を作るなら?」というGOGファン必見の質問から、「“君は木だ”と言われ子供時代の恐怖がよみがえった」という激アツエピソードまで、じっくりお楽しみください。

Q:台詞が「私はグルート」しかない台本に取り組んだご感想は?

A:僕を甘やかしてくれる監督(ジェームズ・ガン)と出会えてラッキーだったね。僕は彼にこう言った。「グルートが『私はグルート』って言う時、実際はいくつもの意味があるんだけど、彼の咽頭が固いせいで、皆はそのニュアンスに気がつかないんだ」。聞こえるのは唸り声だけだけど、彼は色々なことを言っていて、ロケットは彼がなんて言ってるかを理解している。ロケットは自分がグルートの言葉を理解していると皆に言っているわけではなく、それをもてあそんでいるけれど、本当は理解しているんだ。

そこで僕はジェームズに聞いた。「グルートが『私はグルート』って言う時に何を言おうとしているか、基本的な考えを教えてもらえないか?」ってね。僕がアフレコに行った時、ジェームズは50ページもある文書をもってきた。ページの左側には「私はグルート」って書いてあって、ページの右側にはこの植物の巨人が言ってることを理解できたとしたらそれが本当に意味することが書いてあった。それが、このようなキャラクターを深く理解しようとする手始めだった。いろんな意味で、それは俳優に対する最も困難な頼み事だった。僕の中の役者魂が、表情や体、ゴラムみたいなボキャブラリーを使えないという挑戦に応えたんだ。

Q:レコーディング・ブースには他の俳優さんもいたのですか?

A:いや、誰もいなかったよ。でも僕は、映画を見ることができるという贅沢をさせてもらった。

Q:グルート役のためにモーション・キャプチャーは行いましたか?

A:アニメーションでよくあるのは、レコーディング・ブースでの撮影だ。だから僕は身長7フィート半になるように竹馬をもってブースに入った。理由は聞かないでほしいんだけど、それはキャラクター作りにとても役立ったんだ。1970年代のニューヨークの演劇界には、ロバート・デ・ニーロはその役の靴を見つけるまで自分の役を知らなかったっていう伝説があった。それにどんな効果があるかは誰にもわからない。でも独自の方法で、それは効果があったんだ。僕にとって、身長7フィート半になることは意味があった。僕は自分が肩を落としているのに気づいた。時には自分の身長を恥ずかしく思い、時には背が高いことでとても力強く感じ、それはキャラクターにそのように影響した。グルートは僕がこれまでに演じた中で最も純粋なキャラクターだ。普段、こんなに純粋な役を演じることはないよ。

Q:グルートにはスター・ウォーズのチューバッカの要素が入っていますが、意図的なものですか?

A:類似点は明白でおもしろいけれど、僕が考えていたことじゃないよ。たぶんジェームズ・ガンだろうね。

Q:映画の最後で、ベイビー・グルートのダンスの動きをしているのはあなたですか?

A:(笑)ああ、そうだよ。

Q:ご自身が最強Mixテープを作るとしたら、1曲目は何になるでしょうか?

A:『聖者が街にやってくる』のビートルズ・バージョンかな。エルビス・プレスリーのじゃなくてね。同じくビートルズの、『ロッキー・ラクーン』も入れるだろうな。アライグマのロケットがビートルズの曲から来てることは知られていないんだよ。マーベルのキャラクターがビートルズの曲にインスパイアされたなんて、誰が考えると思う?ただロッキーをロケットに変えただけなんだ。

Q: Facebookで非常に多くのフォロワーがいらっしゃいますが、その理由は何でしょうか?

A:それは、僕が自分の考えをシェアしているからだと思う。Facebookの創設を描いた映画、『ソーシャル・ネットワーク』を覚えている?彼らは自分たちが始めたものが何かもわかっていなかったんだ。なぜなら、彼らは自分たちの素晴らしいアイディアが、人々の既婚・未婚をチェックするためのものだと思っていたんだから(笑)。でも、それはそれほどすばらしくなかった。非常に素晴らしかったのは、交流するというアイディアだったんだ。

もし僕が子どもの頃、マーロン・ブランドと交流できていたら。あぁ!彼に話しかけたり、手紙を書いたり、彼が僕の文章を読んだり、彼をフォローしたり―それこそが、ソーシャルメディアを今の姿、すなわち交流サイトにしたものなんだ。Facebookを始めた時、何百万ものファンがいたのはオバマだけだった。そして、部分的にはソーシャルメディアにおけるプレゼンスのおかげで、彼は当選した。Facebookに投稿し始めた時、僕はリアルだった。僕は常に言いたいことを言わずにきたから、それは僕にとってほとんど治療みたいなものだった。僕はあまり表に出ていかず、いつも自分のプライバシーを守り、維持してきた。若い頃舞台に出てた時と違って、僕はある意味、観客と切り離されていると感じていた。舞台では、直接的な満足感が得られ、自分がファンや観客にどのような影響を及ぼしているかを見ることができる。

Facebookで、僕は突然、世界中の人たちと交流できるようになり、本質的にこのコミュニティを作れるようになった。とても強力な瞬間だったよ。僕にとってとても特別で、とても癒しになるもので、最近5年間のキャリアに影響を与えたものだね。そこからさまざまなことが起こり、さまざまなことが成し遂げられた。実際、僕が今ここにいて、この映画について話をしているのは、Facebookのファンが僕をマーベル・ユニバース置いたファンアートを作り始めたり、僕がマーベル・キャラクターだったらと考えたりし始めたからなんだ。

その後マーベルと会った時、フェーズ3、つまり2017年~2018年に何かやろうって話をした。でもソーシャルメディアは、僕らが今何かをすることを求めた。そして、去年のコミコンに行った2週間後に(マーベル・スタジオの社長である)ケビン・フェイグが電話してきて、『キャプテン・アメリカ』のプレスジャンケットから来たって言ったんだ。大きな疑問は、「ヴィンと何をしているんだ?」ってことだった。そして彼は僕に言った。「君は木だ」。子ども時代の恐怖症がよみがえったね。僕は7歳の子どもで舞台に歩いて出て行って、監督に「ヴィン、お前は木の役だ」って言われるという恐怖に直面しなければならなかった(笑)。今はその恐怖に直面しているよ!

Q:次回作でグルートはどうなると思いますか?

A:どうなるかを想像するのはとても楽しいね。彼についてより多くのことがわかると思うよ。彼はとても複雑で魅力的なキャラクターだ。彼は高貴な家の御曹司で、おそらくマーベルの中で最も知的なキャラクターだろうね。死ぬたびに知性を失うけど、決して本当に死ぬことはない。そしてそれは不死を得るためには安いものなんだ。

Q:マーロン・ブランドのような他の俳優以外で、あなたの実生活におけるヒーローは誰ですか?

A:最初のヒーローは母だよ。僕の母は僕のスーパーヒーローだ。なぜなら、幼い頃僕とニューヨークにいる双子の弟にとって母はシングルマザーで、生後7ヶ月の赤ん坊を連れてブロンクスからブルックリンにやってきたんだ。そして僕をここまで育ててくれた。その点で、母はヒーローだよ。特別な女性だ。父もまた、ヒーローだよ。

Q:そもそも、俳優になったきっかけは何ですか?

A:僕は幼い頃に芝居を始めた。5歳の時、父がロードショーの劇場をやっているのを見た記憶があるよ。僕たちはメイン州に行って、父を見たんだ。父は髪を白く染めていた―そのことを覚えている。その後僕は、ニューヨークにある政府が助成金を出しているアーティスト向けの建物で育った。年収が1万ドルを超えると追い出されるんだ。芸術のための芸術を作る、ボヘミアン・アーティストたちのコミュニティみたいなところだったけど、僕にとって演じることには何かとても癒されるものがあったんだ。僕はほかのみんなと同じような子どもで、たぶんアイデンティティを求める気持ちが強かったんだろう。役を演じる度に、アイデンティティが明確になっていった。演じることには、心を落ちつけたり、癒したりする何かがあったんだ。

「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」MovieNEX 特別映像 VIN DIESEL
https://www.youtube.com/watch?v=q0FV3CHZGis

MovieNEX発売中/オンデマンド配信中
※ブルーレイ/DVD レンタル1/21より開始 
価格:¥4,000+税/2枚組(ブルーレイ、DVD)

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藤本エリ

映画・アニメ・美容が好きなライターです。

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