「SNS疲れ」のときどうする? 僧侶が教えるシンプルな対処法

「SNS疲れ」のときどうする? 僧侶が教えるシンプルな対処法

 株式会社I&S BBDOが実施した「SNSの利用率」についての調査(18~69歳の男女2500名を対象)によると、「SNSは面倒と思うか」という質問に対して、どの年代も約5割が「面倒」と回答。なんと世代関わらず、約半数が「SNS疲れ」を感じていることが判明したそうです。

 書籍『芝生はだいたい全てが青いし、あなたの芝生もすごく青い』の著者であり、浄土真宗本願寺派の僧侶・心理カウンセラーの山口依乗さんも、この「SNS疲れ」を経験したひとり。

 SNSを利用した当初、山口さんは、日常のふとした気付きをSNS上でたくさん発信し、多くの人の共感を得たり、自身も他ユーザーの投稿に共感していたそうです。そうやって、しばらくは”有意義な使い方”をしていたそうですが、ある日、ふとSNSに投稿することが、自分のなかで義務化されていることに気付いたとか。自身が積極的に行っているのではなく、誰かのために投稿・発信を行うようになっていったというのです。

 その後、「SNSとの付き合い方は実に難しいものだとつくづく思うようになり、今では距離を置くようにしています」(同書より)と語るように、SNS利用に違和感を抱いた山口さんは、あるとき、「疲れてきたのでしばらくお休みします」と投稿し、SNSと距離を置くことを決意。

「どんな便利な道具でも、目的と手段が逆転してしまっては元も子もありません。そこで見栄を張ったり、気を遣って無理に合わせようとするから疲れてしまうのです」(同書より)

 山口さんは、SNSはあくまで「道具」であると説きます。仮にSNS疲れを自覚したとしていても、無理してでも続けてしまう背景には、周囲に気を遣っている心理が働いているからだというのです。仏教では、こういった心理を「はからい心」と呼ぶようです。

「はからい心は、みんなの期待に応えるために、自分が何かをしなくてはならないというような思い込みに過ぎません。気遣うこと自体は、仏教の教えである相手を慈しむ心に通じるのですが、そればかりを意識すると視野が狭くなってしまいます。自分はどうしたいのか、何がしたかったのかを見失ってしまうと、周りへの気遣いが過剰になり、するほうもされるほうも気持ちの良いものではなくなってしまいます」(同書より)

 SNS疲れの背景にある「はからい心」。たかがSNS……知り合いの期待に応えなければと過度にプレッシャーを感じる必要はないと山口さんは言います。もし、疲れたら正直にその気持ちを伝えれば良く、伝えることが難しければ、自分で距離感を調整すれば良いのかもしれません。

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