TBS『東京フレンドパーク』が違反行為?BPO放送倫理検証委員会で審議入り
9月10日、放送倫理・番組向上機構(以下BPO)は、放送倫理検証委員会でTBS、BSジャパン、長野朝日放送(ABN)、信越放送(SBC)で放送された4番組について審議することを発表した。
問題となっているのは「参院選挙の公平性に欠ける放送を行った」点。
BSジャパンでは、選挙日当日に放送された旅番組で、タレント候補が出演。長野朝日放送、信越放送については、比例代表を扱った報道番組において、長野県内から出馬した4候補のみを取り上げていたのが問題視されている模様。
そしてTBSで問題になっている番組は、あの『関口宏の東京フレンドパーク II』6月28日放送分(参議院選挙公示後の放送)。
インターネットに残されていた放送アーカイブを見ると、問題の場面は次のようになっている。
・チーム戦でのクイズ。出題は「蓮舫議員の所属政党を残せ!」というもの
・選択肢は「自民党」「社民党」「民主党」
・回答者(高橋みゆき)が刀で間違い選択肢(この場合は自民党と社民党)を斬り捨てれば正解
・「えー、知らない、知らないー」と言いながら斬りに行く回答者
・しかし斬ったのは「自民党」と「民主党」だったので不正解
・「バカヤロー」「仕方ない仕方ない」「蓮舫さんはしってるんですよね?」と共演者。「知ってます。仕分けの人ですよね」と回答者。
司会「という事は?」。「民主党ですね」と回答者
・司会「民主党を残せばよかったんだ」
・脈絡無く、女装タレントのピーターと司会者渡辺正行がピンクレディーのUFOのメロディーで振り付けしながら割って入る。高橋みゆきと3人で示し合わせたように 「♪タラララッタッター・・・蓮舫!」とキメる
・会場拍手
これについて、BPOに取材したところ、次のような回答であった。
BPO担当の方(以下BPO):審議入りしたのは事実です。これから審議に入るところです
ガジェット通信(以下ガジェ通):どのような経緯で?
BPO:視聴者の方から、(上記にあったような内容を元に)「公平性に欠ける放送がある」との指摘を受けました。「これらの内容は、特定政党をPRするような内容ではないか」というご指摘です。
ガジェ通:具体的にはどういうところがいけなかったのですか?
BPO:『フレンドパーク』の場合は、収録が参院選公示前だったらしいのですが、放送は公示後(6/28)でした。生番組ではなく、編集可能な番組であった点も問題視されると思われます。
ガジェ通:放送倫理検証委員会での審議を経て、何か処分などは決定するのでしょうか?
BPO:いえ、BPOが自主機関であるため、法的な執行力や強制力などは特に持っておりません。今回の審議に基づき、問題点の勧告や指摘を放送局に対して行います。「こうしたほうがよいのではないか」という指摘を行い、自主改善を促す形となります。
ガジェ通:なるほど、よくわかりました。ありがとうございました。
自主機関であるBPOに強制力は備わっていないため、性善説に基づいた機関であるとの見方もある。今回の審議を経て何かしらの勧告が放送局に行われるかもしれないが、効力があるのかどうかは放送局の倫理や良心に委ねられる。
「具体的な処罰が無い」ということを逆手にとった確信的な行為であった場合、放送局にとっては「カエルの面に小便」のごとく、痛くもかゆくもない可能性も残っている。
しかし、重ねた“罪”の数は、視聴者の心の中で確実にカウントされている。
適切な処分を望むとともに、少なからずメディアに携わるものとして襟を正していきたい。
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