休刊雑誌がウェブで復活! 新潮社『フォーサイト』ウェブ版が有料オープン
新潮社は、今年3月に休刊した国際情報誌『フォーサイト』を、ウェブ版『フォーサイト』として9月1日より復活します。新潮社では、紙媒体を持たない初の電子メディアになります。一ヶ月の購読料は800円(税込み)、一部の雑誌記事アーカイブも購読できるほか、会員間の意見交換の場『フォーサイト・フォーラム』にも参加できます。
『フォーサイト』は1990年に雑誌として創刊。以来、1994年にアルカイダのウサマ・ビンラディンをいち早く危険人物として紹介したり、“ウォール街の投機王”で“イングランド銀行を打ちのめした男”と異名をとったジョージ・ソロスを早い時期から取りあげ、さらにはリーマン・ショックの引き金となったサブプライムローンに警鐘を鳴らすなど、時代の“先見性”を示してきました。
今年3月の休刊から、約5か月の準備期間を経て新たにスタートするウェブ版では、各分野のスペシャリストが受け持ち、ニュースを深く掘り下げる『専門家の部屋』を作り、より深い情報分析を試みます。たとえば、『アメリカの部屋』は東京財団上席研究員の渡部恒雄氏、『インテリジェンスの部屋』は名古屋大大学院特任教授の春名幹男氏が担当します。
また、会員からトピック(論題)を立ち上げてもらい、会員間で情報や意見を交換する場として“集合知の場『フォーサイト・フォーラム』”を設置。双方向性を生かしたコンテンツにも取り組みます。なお、会員には2005年以降の『フォーサイト』掲載記事約3000本を公開(2000~2004年分は2010年末までに公開予定)。
クオリティペーパーならぬ“クオリティサイト”として、専門性の高い良質な記事を有料で提供するニッチなウェブマガジンは、今後電子書籍と並んで普及していくのでしょうか。あるいは、雑誌の連載記事が書籍化していったように、ウェブマガジンの連載から電子書籍化というビジネスも出てくるのかもしれません。
Foresight ウェブ版(一部無料記事もあり)
http://www.fsight.jp/
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京都在住の編集・ライター。ガジェット通信では、GoogleとSNS、新製品などを担当していましたが、今は「書店・ブックカフェが選ぶ一冊」京都編を取材執筆中。
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