お正月だけじゃない!群馬県民に愛される『上毛かるた』って?
お正月の楽しい遊びのひとつである“かるた”。しかし、お正月だけでなく、1年中楽しまれているご当地かるたが存在するのをご存じだろうか。その名は『上毛かるた』。群馬県民に聞くと、小学校の間はずっと練習があり、得意な人はクラスの人気者だったという。いったいなぜそんなに人気なのか? 群馬県生活文化スポーツ部文化振興課の宮崎さんにお話を伺った。「『上毛かるた』は、それぞれの札に上毛三山(赤城山・榛名山・妙義山)をはじめとした県内の自然や温泉、歴史上の人物や地域の産業など、群馬県の特徴が読み込まれています。時代を超えて群馬県民に親しまれているもので、県民なら全札を暗唱できると言われるくらい身近なものです。群馬県出身者が集まれば必ずと言っていいほど話題にあがり、ふるさとを思い出させてくれる存在でもあります」
いわば群馬県人の“ソウル・かるた”である。では『上毛かるた』はいつごろつくられたのだろう?「誕生したのは、1947年(昭和22年)12月です。戦後、国中が荒れ果て、人々の心が悲しみや無力感であふれていたころ、(後に財団法人群馬文化協会の初代理事長となる)浦野匡彦氏が『このように暗く、すさんだ世の中で育つ子どもたちに何か与えたい。明るく楽しく、そして希望のもてるものはないか』と考えていた想いが形となり、『上毛かるた』が誕生しました」
具体的には、どんな札があるのだろう?「まず、上毛三山を読んだ「す」「も」「の」という札があります。「す」は『裾野は長し赤城山』、「も」は『紅葉に映える妙義山』、「の」は『登る榛名のキャンプ村』もあります」
ほかにも有名な札はあるのだろうか。「群馬県全体を表す札として、なかでも有名な札は「つ」「ち」「け」です。「つ」は『つる舞う形の群馬県』、「ち」は『力あわせる二百万』、「け」は『県都前橋生糸の市』という札です」
さらに、これらを組み合わせをいかしたルールも…。「これらの「つ・ち・け」や「す・も・の」の札の組み合わせを集めると“役札”となり、競技の際、点数が加算されることもあります。また、同点の場合、「つ」の札を持っている方が勝ちとなります」
組み合わせによっては点数が加算されるとは! ところでここで気になるのが、「競技」である。いったいどんなものなのだろうか?「小中学生を対象とした『上毛かるた競技県大会』、18歳以上が参加可能な『おとなたちの上毛かるた日本一決定戦「第3回KING OF JMK」』、親子三世代または家族を対象とした『ヤマダ電機上毛かるたファミリー大会』などの大会があり、いずれも2015年2月に予定されています。なかでも『上毛かるた競技県大会』は60年以上の歴史があり、大会に向けて地域の子ども会などが参加者を募って練習しているようです」
上毛かるたは一般家庭で幼いころから親しむ、世代を超えて誰もが知っている遊びとして、時期を問わず楽しまれているそうだ。
このほかにも、横浜市瀬谷区の「瀬谷歴史かるた」、東京都世田谷区の「せたがやかるた」、大阪府茨木市の「いばらきの郷土かるた」など、地元の名物や歴史名跡を織り込んだかるたが数多く存在する。お正月には、こんな面白いご当地かるたを楽しんでみてはいかがだろうか。●取材協力
群馬県生活文化スポーツ部文化振興課
HP:http://www.pref.gunma.jp/03/c4200157.html
元記事URL http://suumo.jp/journal/2014/12/28/74467/
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