犯罪が増加傾向に 年末年始の防犯対策
「現金」を狙った犯罪に注意
年末から年始にかけて忙しい日々が続きますが、防犯対策は万全ですか?年末年始は、犯罪が増加する傾向にあるため、より一層高く防犯意識を持つことが重要です。
この季節は、多めに「現金」を用意している家庭も少なくないでしょう。出費がかさむ時期でもあり、当然のごとく犯罪者が見逃すわけがありません。銀行帰りのひったくり、忘年会帰りのほろ酔い気分を狙った路上強盗、イベントや旅行など留守を狙った空き巣、初詣など人ごみを狙ったスリ。
そして、振り込め詐欺や手渡し詐欺も例外ではありません。詐欺グループも、普段は金融機関で現金を引き出させる必要がありますが、この季節は手元に現金があることを知っています。銀行員など第三者に気づかれることなく搾取できると考えています。
外出時、余分な現金を持たず、お酒はほどほどに
まず、外出時は余分な現金を持たないようにしましょう。そして、財布など貴重品を入れたポケットはボタンを閉めてください。コートの前ボタンもしっかりと閉めましょう。これは銀行帰りなどでも同じで、簡単に奪えない(ひったくれない)と感じさせることが肝心です。
また、外出先では、大量の飲酒を避けましょう。楽しくお酒を飲んだ深夜の帰り道に突然殴られ、財布やカバンごと盗まれる事件も増加傾向にあります。
施錠は必須。長期旅行に出かける前は、冷蔵庫の食料を整理
次に、留守にする住まいでは、必ず戸締り(施錠)を確認してください。空き巣の手口も無施錠の窓やドアからの侵入がトップとなっています。また、施錠は住まいだけでなく、車やバイクなど乗り物でも忘れずに。施錠せずに車から離れる場面を犯罪者は見ています。昨年の統計では、車上荒らしの40%以上が無施錠での犯行でした。
今年の年末年始は、例年より休暇を長く取りやすい暦になっています。年越しの長期旅行を予定している人も少なくないでしょう。旅行の際は、冷蔵庫の食料を整理して出掛けてください。たまたま侵入した家が長期旅行中であることに気付き、残された冷蔵庫の食料を食べながら滞在した空き巣もいます。旅行から帰ってきたら空き巣と鉢合わせになってしまい、強盗に豹変した事件も発生しています。
気が緩みがちになる年末年始。犯罪者は、そこを狙って犯行に及んでいますので、忙しいからこそ、普段より強い警戒心が必要です。余分な現金、お酒の飲み過ぎ、冷蔵庫の中身など「過ぎたるは猶及ばざるが如し」で、楽しい年末年始を過ごしましょう。
(神田 正範/防犯・防災コンサルタント)
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