NECビッグローブが『andronavi』でAndroidアプリの独自マーケットに本格参入 その意味と可能性は
NECビッグローブは、2010年1月からトライアル公開していたAndroid向けアプリケーションマーケット『andronavi』を8月24日に正式公開。Googleが運営する『Androidマーケット』からは独立した、独自のアプリマーケットを展開していくと発表しました。同時に英語版の提供も開始、12月には米国から有料アプリを購入できるサービスを開始します。国内ではKDDIがau向けに『au one Market』、NTTドコモが『ドコモマーケット』をそれぞれAndroidアプリマーケットとして展開していますが、決済機能をそなえ、海外に展開する独自マーケットは、国内では初めての事例となります。
『andronavi』は、レビュー記事などアプリ関連情報や、アプリのダウンロードサービスを提供してきたアプリマーケット。ガジェット通信で紹介したアプリ『目覚まし彼女』も、『andronavi』オリジナルとして提供されています。同社はアプリを提供するパートナーとの連携を強め、2010年度中に4000本のアプリラインアップを目指すとのこと。今後提供を予定しているアプリとしては、オンライン雑誌アプリ『MAGASTORE』、辞書アプリ『デ辞蔵』、ナビゲーションアプリ『NAVITIME』、オンラインメモ『Evernote』など。ゲームについてもラインアップが充実しており、今後はタイトーの『パズルボブル』『スペースインベーダー』『アルカノイド』、バンダイナムコゲームスの『PAC-MAN』、ハドソンの『ボンバーマン道場』『ネクタリス』、コーエーテクモゲームスのAndroid独自タイトル『Annie’s Wild Shot』などが予定されています。
決済機能は、クレジットカードで購入する場合のPayPal決済、プロバイダー決済のBIGLOBE決済に対応。2011年には、ゲームアイテムを販売するなどのアプリ内課金、月額課金や1日体験、レンタルなどを可能にする『期間限定利用課金』に対応していく予定です。アプリ開発者や提供者に対しては、課金認証基盤や海外向けの翻訳対応、ウェブ上のプロモーションを含む開発・販売支援サービス『andronavi Developer Service(仮称)』を提供していきます。
海外向けには、12月から米国内で購入できるサービスや200タイトルの英語版アプリを提供するほか、2011年には中国語、フランス語アプリなど多言語展開を予定しています。米国を中心にAndroidスマートフォンの出荷が『iPhone』を抜くなどAndroid端末の成長を背景に、海外市場を視野に入れたマーケットを展開していく同社のねらいにより、au、ドコモの国内キャリアが運営するマーケット以上の規模に発展していく可能性があります。
もうひとつ注目できるのが、“スマートフォン以外”のAndroid端末でのマーケットのシェア獲得。発表資料によると、『andronavi』はタブレット端末からの利用も想定しています。デルやAsusなどがAndroid搭載のタブレットPC発売を予定している中、ガジェット通信のレビュー記事「ソフトの拡張性がヒットのカギ? Android搭載のユニークなノートPC『dynabook AZ』製品レビュー」で触れたように、Googleはスマートフォン以外の端末への『Androidマーケット』提供で後手に回っている印象があります。『dynabook AZ』同様、今後発売されるスマートフォン以外のAndroid端末で『Androidマーケット』が提供されない場合、『andronavi』がこれら端末に向けたアプリマーケットで大きな役割を担うことになるかもしれません。
NECビッグローブはNEC製Androidタブレットを11月に発売すると報じられており、この端末で『andronavi』を利用可能にするものとみられます。プレスリリースでは、『andronavi』の対象端末として、国内で販売されているAndroidスマートフォン『HT-03A』『Xperia』『LYNX』『HTC Desire』『IS01』が挙げられていますが、11月からは「多様な画面サイズの端末へも対応を拡大予定」と記載していることに注目。今後の正式な発表が待たれるところです。
画像:『andronavi』、NECビッグローブ報道発表資料より引用
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宮原俊介(エグゼクティブマネージャー) 酒と音楽とプロレスを愛する、未来検索ブラジルのコンテンツプロデューサー。2010年3月~2019年11月まで2代目編集長、2019年12月~2024年3月に編集主幹を務め現職。ゲームコミュニティ『モゲラ』も担当してます
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