ストリーミング&デジタル・セールス単体が加わった全米アルバム・チャート初の1位に輝いたのは?

ストリーミング&デジタル・セールス単体が加わった全米アルバム・チャート初の1位に輝いたのは?

 今週から、アルバムの集計方法にストリーミング・サービスのデータが加わり、アップデート後初となるチャートが発表された。その、第1回目となる12月13日付の首位は、テイラー・スウィフトの『1989』。

 2003年に、これまでのパッケージ実売に加え、iTunesのデジタル・セールスをチャート売上げに追加することになったが、今回は、音楽を聴く上で最も利用されている、YouTubeなどのストリーミング回数を、HOT100チャートと同様に追加することになった。1500回の再生回数を、アルバム1枚の実売同様の売上げとして換算したもので、No.1に返り咲いたテイラー・スウィフトの『1989』は、実売は28万枚だが、ストリーミング・ポイントの追加により、累計枚数は34万枚となっている。

 また、ストリーミング回数のポイントに加え、デジタル・セールス単体もアルバムのポイントとして追加されることになった。フルアルバムのダウンロードではなく、たとえばこの『1989』から大ヒットを記録している、「ブランク・スペース」や「シェイク・イット・オフ~気にしてなんかいられないっ!!」などのダウンロードを含め、10曲でアルバム1枚の実売として換算される。つまり、単曲がヒットすれば、それでアルバムの実売にも繋がるというもの。まさに、現代の音楽ルーツを反映させたものに改変したといったところで、このチャートの集計方法により、アリアナ・グランデの『マイ・エヴリシング』は、先週の39位から7位へ、マルーン5の『V』は32位から10位へと、一気にジャンプアップした。

 3位から2位に上昇した、ペンタトニックスのクリスマス・アルバム『ザッツ・クリスマス・トゥ・ミー』は、ギフト用にプレゼントされていることが多いことから、週間セールス22万枚は、ストリーミング回数や単曲でのポイントは、ほぼ追加されていない。こういったアルバム単体で勝負するアーティストもいれば、この集計方法によって順位を伸ばすアーティストもいる。若層に支持されているアーティストによっては有利だが、ダウンロードやストリーミング・サービスを利用しないユーザーがターゲットのアーティストによっては、不利なチャートになったとも言える。

 8位に登場したのは、ビヨンセの『オーディオ・オンリー・エディション』。昨年末、予告なしに急遽iTunesから発表された5thアルバム『ビヨンセ』の、オーディオのみを収録したリパッケージ盤で、新たに新曲「7/11」や「リング・オフ」などを収録したプラチナ・エディションとしてリリースされた。この「7/11」が、今週のHOT100チャートで18位にデビューし、夫であるジェイ・Zや娘のブルー・アイヴィーも出演したビデオが話題を呼んでいる。

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