『危険 落ちたら死ぬ!!』の看板」「川の中に突っ込む」ありえない全国の国道
「国道」というと、整備された複数車線の道、もしくは街路樹が植えられた整備された道、または沿道にショッピングセンターが並ぶ大きな道などをイメージしてしまいがちです。しかし、この日本には、整備された国道ばかりがあるわけではありません。私たちが想像するものとは一線を画した国道があるのです。
「世の中には、とうてい国の道にふさわしからぬ、細く荒れた状態の悪い国道が少なからずある」と語るのは、書籍『ふしぎな国道』の著者・佐藤健太郎さんです。
国道マニア歴17年の佐藤さんはじめ多くの道路マニアが、そういった通行に困難な道を、親愛の意味をこめて「酷道」と呼びます。この酷道には根強いファンも多く、単行本やムックをはじめ、酷道のみを集めたDVDが発売されていたり、mixiでのコミュニティーも1万人を越える数となっています。
同書でも数多くの酷道が紹介されており、そのうちの一つが、金沢市と岐阜市を結ぶ国道157号。そのなかでも、岐阜~福井県境に立ちはだかる温見峠は、なかなかパンチが効いています。
「岐阜県側の峠の入口には、黄色地に赤文字で『危険 落ちたら死ぬ!!』と大書された看板があり、酷道の象徴的存在としてマニア間では有名になっている」(同書より)
同書ではこの看板を写真付きで紹介。鬱蒼としたしげみの中にあるこの看板は、危険を知らせようとしているのか、運転手を怖がらせようとしているのか……。
また、他にも特徴があるようで、道路と川が平面交差している「洗い越し」というものがあるようです。
「要するに山の水がじゃぶじゃぶと道路上を横断しており、車はこの中に突っ込んでいかねばならないというとんでもない場所だ。雨が続き、増水などしていると通行は極めて困難となる。もちろん冬季は雪も多いため、国道157号は通行止めとなることが非常に多い。他にも狭路、落石、崩落、ガードレールやカーブミラーの未整備などの要素は全て兼ね揃えており、酷道のグランドスラムといっても過言ではない」(同書より)
もう一度、言いますがここはれっきとした国道です。ただ、157号線にも事情があり、同道路が走る地域は、一年の半分近くが雪で封鎖される豪雪地帯。改良しようにもなかなか進まないのが現状です。現在、少し西を通る国道417号線の冠山峠を越える道が事業化されているので、今後はそっちの利用が増えるのではないでしょうか。
ちなみにこうした酷道は157号のみならず、全国各地にあり、25号や152号、166号、265号、308号、352号、410号、418号、425号、439号、488号と数え上げるとキリがありません。もしかしたらあなたの住む町にも、知られざる酷道があるかもしれません。
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