続々・マスコミはウケる記事を書きたがる(メカAG)
今回はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
続々・マスコミはウケる記事を書きたがる(メカAG)
民主党政権誕生の遠因になった年金問題。もとは1990年代から言われ始めたことなんだよね。年金制度がもう保たない、と。そこから給付年齢の引き上げとかチマチマやっていたが、焼け石に水でどうやっても無理。そして小泉内閣が年金制度改革「100年安心年金」を断行するのだが、その後も全然安心ではなく…。この辺から方向が変わってきて「消えた年金」事件となり、第1次安倍政権が倒れたのは周知の通り。
ただ俺が印象に残ってるのは1990年代の頃のマスコミの報道。むかしの官僚が「年金は使ってしまっても構わない」と発言したという。ひところ毎週のようにニュースでやっていたように思う。国会でも取り上げられた。いまの年金制度の破綻はこの官僚が悪いのだと言わんばかりに。
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当時もニュースとかを見ていて「なんか変だな」と感じたんだよね。本当にそういう発言があるなら、当然その前後に「なぜなら~」という説明があるはずなのに、そういう部分は報道せず、その部分だけをマスコミは繰り返し強調していた。
それにそもそも年金制度の破綻は収める額と支給する額の収支が合わないのが問題なのであって、貯めておいた金を使い込んだせいじゃない(かりに使い込んだのが本当だとしても)。
んで思い出して検索してみた。
「☆ 厚生年金誕生秘話~花澤武夫~「年金を払うのは先のことだから、今のうち、どんどん使ってしまえ。」」 2012年02月11日 『風信子(ひやしんす)の☆本の紹介&エッセー☆俳句』
http://blog.goo.ne.jp/hyacinth_haru/e/d38e88afea509435f81585079b7b07ed
問題の発言をしたのは花澤武夫らしい。上記のブログ主はこの話を最初に耳にしたのは平成10年(1998年)頃だと述べている。俺の記憶もそのぐらいだ。
昭和17年(1942年)に日本の年金制度を作った人だ。戦前ですな。いや開戦直後ぐらいか。その人が昭和61年(1986年)に当時のことを振り返って座談会で話した内容が「財団法人厚生団編「厚生年金保険制度回顧録」(1988年)としてまとめられていて、その中に上記の発言があるらしい。
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花澤武夫の名前で検索すると現在も年金問題の元凶みたいに批判してるサイトが結構ヒットする。一方で擁護しているサイトもある(1つだけだけど)。
「年金官僚・花澤武夫氏」
http://www5e.biglobe.ne.jp/~sr-rokko/page053.html
この人も気になったので、国会図書館にその本を読みに行ったらしい。実際この発言、問題箇所ばかりヒットして、それ以外の部分がネットに皆無なんだよね。
んで上記のサイトを読むと、だいたい俺が考えていたことと同じ。んでそれをこれから述べる。つづく。
関連記事:
「続・マスコミはウケる記事を書きたがる」 2014年09月14日 『ガジェット通信』
https://getnews.jp/archives/665756
執筆: この記事はメカAGさんのブログからご寄稿いただきました。
寄稿いただいた記事は2014年10月23日時点のものです。
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