【タイレポート2014】世界的な奇祭「プーケットの菜食祭り」とは
世界的なリゾートとして有名なプーケットは、世界的に有名な奇祭が催されることでも知られている。 毎年9月から10月にかけての9日間、主に中華系の人たちは「ギンジェー」と呼ばれる菜食を実施。 期間中は菜食メニューを用意した屋台が数多く現れ、工夫を凝らした品々が並ぶ。メニューの中には菜食寿司や菜食タコ焼き、といった日本食のベジタリアンメニューまで登場するほど、バリエーションに富んでいるのだ。
「ギンジェー」は体を清めることを目的とし、タイの各地で催されているが、プーケットの「ギンジェー」は他地域とは様子が異なる。 中国式寺院でトランス状態になった者たちが、自分の頬に剣やナイフなどを刺し、串刺しになったそのままの姿で街を練り歩くのである。 1本だけではなく数本刺す者、剣ではなく傘やパラソルといったものを刺す者、頬だけではなく舌の刺し貫いている者など、見るだけで失神してしまいそうなラインナップだ。ちなみに彼らは、トランス状態に入っているため痛みをまったく感じないと言う。 私も剣を刺すところを実際に見たが、痛みを感じている様子はまったくなかった。 さらに、トランス状態に入ってしまうと、その時のことはまったく覚えてないらしい。街中を練り歩いたあと、中国寺院に戻り、トランスを脱すると正常に戻れるようだ。 これ以外にも、大量の炭火の上を素足で歩いたり、剣製のステップの梯子を上ったりと、危険な苦行が目の当たりで見られる。 もともとこの儀式は200年前に始まったといわれており、東南アジアに住む中華系の人々の間で広まっている。 ギンジェーの期間は、神として祀られている「九皇(キューオーン)大帝」が戻って来ると言われ、9つの神のいずれかが菜食のよって清められた人々の体に憑依し、トランス状態になるようだ。プーケットの街中は、この「九皇大帝」と書かれた黄色い旗が、そこかしこに掲げられている。 串刺し者のパレードは街中で見られるが、炭火歩きや剣製ハシゴの苦行は、『ジュイトゥイ寺』『バーンネーウ寺』といった中国式寺院で催されている。 (Written by 西尾 康晴)
【Nicheee!編集部のイチオシ】
・【タイレポート2014】チェンマイ辺境の村に住む日本人作家
・台北で人気?本物ソックリ「スラムダンク」のユニフォーム
・花婿舞う雪国
テレビ番組のリサーチャーによる情報サイト。 テレビ番組におけるネタ探しのプロが蓄積された知識とリサーチノウハウを武器に、芸能、雑学、海外、国内ご当地、動物など多岐に渡るジャンルをテレビ番組リサーチャー目線で発信しています。
ウェブサイト: http://www.nicheee.com/
- ガジェット通信編集部への情報提供はこちら
- 記事内の筆者見解は明示のない限りガジェット通信を代表するものではありません。